号泣する準備はできていた (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.10
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本棚登録 : 13951
感想 : 892
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  • Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101339221

感想・レビュー・書評

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  • 2011/11/11 読了

  • 号泣したくて買った。いつでも号泣する準備はできていた。号泣も涙を流すこともできなかった。ただ 恋を、こなす そんな印象がした

  • 文章は柔らかく、女性らしい表現で読みやすいのですが、私の好みではなかった…。
    主人公になる女性に共感出来るところが少ないせいかも知れません。

  • 恋愛短編集。女の複雑な心情描写、だいすきな相手のさりげない言動で地の底に叩き落とされるような絶望感、感じたことのある気持ちがそこにはあって楽しかった

  • じゃこじゃこのビスケットと熱帯夜、手、が
    特に好きだった◯

  • 美しいと思った

  • 初めてこの作者の本を読んだが、サクサク読めて評判通り面白かった。テーマとしては、恋愛に対する諦念や人生への熱意が持てなくなってきた年齢に差し掛かった女性が、それでなお自分の人生を生きようとする姿を描いていたと思う。
    人生はうまくいかないことだらけだけど、それで大丈夫、人生とはそういうものだから。恋愛も同じ。
    そう思わせてくれる一冊ではないかと思う。

  • 【2024年9冊目】
    直木賞受賞作の短編集ということもあって、期待しすぎていたのかもしれません。ん〜なんか、こう、短編集だからってのもあるかもしれないんですけど、物語に入りかけつつある瞬間に唐突に終わりを迎えて次の話に行ってしまい、ずっと、ふわふわした心地のままで最後まで読んでいました。表題作の話よりも「そこなう」の方に表題作をつけた方が合っていた気がする。なんとなくですけども。

    1番好きなのは「溝」でした。別れることを決めつつある夫婦が夫の実家を訪れる話です。別れ話がでていることはおくびにも出さず、けれど妻はとんでもない行動をしていたところが良かったです。静かに壊れていたのかなぁ…。

    好みか好みでないかは人それぞれだと思いますが本作は好みではなかったな〜残念。

  • エッセイで結婚のあたたかさを教え、この本でその憧憬を粉々に砕いてくる江國、おそろしい作家

  • 1前進、もしくは前進のように思われるもの
    2じゃこじゃこのビスケット
    3熱帯夜
    4煙草配りガール
    5溝
    6こまつま
    7洋一も来られればよかったのにね
    8住宅地
    9どこでもない場所
    10手
    11号泣する準備はできていた
    12そこなう

    初めての江國香織作品。
    なんか有名だから手にとってみた。
    かなり読みやすくスラスラ読めた。
    不倫、離婚、過去の浮気、同性カップル、心に秘めた恋慕の情…
    一般的にタブーとされている事柄の渦中にいる者たちの心情が、それぞれの感情と視点で色濃く描かれている。
    その人ひとりひとりに物語があって、いま同じ世界にいることの稀有さを最近感じていたところだったから、タイムリーに読めた本ではある。
    少なくとも私は淋しさで心臓が一部分ちぎれる思いをしたことはない(それほど苦しいことはあっても回復した)けど、多分わたしにもこれから色んなことがあって色んな雑多なことと一緒に生きていくんだろうな。

    2024/01/06

  • 江國さんのあとがきにあるように、かつてあった物たちと、そのあともあり続けなければならない物たちの、短編集だと思う。
    「号泣する準備はできていた」の、隆志は健康な魂を持っている。私はそれが好きだ。でも、一人の男をちゃんと好きでいようとするのは、途方もない大仕事だ。というところは、健康な魂を持っているからこそ、好きだからこそ、エネルギーがいる大仕事なのだ。
    「そこなう」では、「これからはずっと一緒だから」その言葉は、それでも私を幸福にした。私の意に反して。に、みちるの複雑な気持ちが表されている。みちるは、この物語の後もたとえ意に反していようとも、新村さんを好きでい続けるのだろう。二人で離婚を達成したという幻を抱き、現実を知って、それでも、二人の関係は続く。好きであるが故に。

  • なんだかなぁっと言った感じ

  •  
    ── 江国 香織《号泣する準備はできていた 2003‥‥ 20060628 新潮文庫》江國
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4101339228
     
     
    (20231128)

  • 不思議なストーリー。熱帯夜が1番良かった。

  • 『熱帯夜』『どこでもない場所』が好きです(*ˊ꒳ˋ*)オカマバー行ってみたい笑

  • 人と交わること(性的な意味だけではなく)にまつわる形容しがたいむずむずする感情が、なんというかそのまま書かれている感じ。よくわからないことをよくわからないまま、あまり説明的ではなくやや乱暴に表現されていることで、なんかその感情わかる、と感じました。
    カフェで隣の席の全く知らない人達のおしゃべりに聞き耳たてた後のような読後感です。

    平成初期の、東京都心の、ちょっと裕福で奔放な人たちの生活を舞台としていて、昔見た映画「東京タワー」みたいだなと思ったらこちらも原作江國さんだったので納得。。

  • リアルすぎる。

    全部著者さんが会ってきた人達でしょ?
    のレベルで解像度が高すぎる。。。



    総じて、ハッピーエンドではなく人生を描いている小説。

    こんなに短い間(短編小説)に人生の苦さが綺麗に見える。

    迷いや葛藤が無く苦さしか無い、つまりは彼女らはその人生(運命)を受け入れている。

    号泣する準備はできているとは、つまりそういうことなのでは?

    要は、自分の限界や可能性を理解し、
    送るであろう人生のオチも受け入れている。

    オチはないなぜなら人生だから。
    奇跡はないなぜなら人生だから。
    死ぬ絶望もそうそうない、なぜなら人生だから

    人の苦さを感じる読後は、
    なぜか、すっきりとした感覚に陥った

    ハッカ?的な?笑

    モヤっとした人はきっと人生に希望と夢を描いている素敵な人ではなかろうか?

    私も諦めてるわけではないが、何も起こらない現実も薄々感じている。


    号泣

  • 2023 9/11

  • またとっても素敵な小説に出会いました。確かブクログのオススメの本棚リストか何かのひとつに載っていて、タイトル買いをしたのでした。タイトルの通りに号泣する心持ちで臨んだのですが、自分にとってものすごく良い裏切りとなりました。短編から成っていてそれぞれを読み終わった後にその世界の余韻がすごく残って、しばらく別世界にいるようでした。わかりやすい伏線回収やおちがあるようなものではないのだけれどこんなに余韻に浸れるのはすごいなぁと思いました。
    巻末に著者ご本人のあとがきがあって、『喪失するためには所有が必要で…それは確かにそこにあったのだと思う。』という一文にすごくその通りだと思いました。人生ってそうやって過ぎていくと思えて、誰かのそれぞれの人生がそうだと思えるととても幸せな気持ちになれるのかもしれないです。読んでいる間とても幸せな時間を過ごせました!ありがとー江國さん!!

  • なかなか感情移入できなかったのですが、その割に情景がすーっと入ってきました。勝手にお酒も共通のテーマなのかなって思いながら読みました。短編1つをしっかりと読み切って、ちょっと感情を合わせてみるようにしてみました。

  • 「江國香織さんの小説は、読む、というより食べる、という感じだ。」

    あとがきに書いてあった、まさにその通りの感覚。

  • 一編がとても短く読みやすいのでサクサク進む

    幸せなのは「熱帯夜」先が分からなくてもお互いの深い愛情で結ばれている2人のある夜が見れて良かった
    20年前はどういった狙いがあったのかはわからないけど今の時代では違和感ないハッピーエピソードになっている

    可哀想だと思ってしまうのは「こまつま」
    母としての幸せで満ち足りた生活と一方で、過去1人の女で1人の人間であった彼女が自分を見失わないようある種の虚勢をはって生きているのが苦しくなった
    母になることで得られる幸せと失うもの
    彼女は幸せだけど、幸せだと思い込もうとしている節が感じられる

    「そこなう」結構好きな話。
    あることが起きたあと、目の前にいる人は以前の彼、彼女ではない、という感覚
    今日を境にもうこの人には会えない、現実的、物理的には会えようとも、もうその人ではない、という損なった感覚。自分にもそれは言える。ある事象の後、見た目は変わらずとも内面は変わっている、以前の自分には戻れないという感覚。これはとてもわかる。

    この本に出てくる江國香織さんの書く女性はみんなちゃんと立っている。自分の意志で生きている感じがする。これを読んだ後もっと自分本位に、難しく考えず思ったように生きてみようと思った。恋愛面において。一期一会で一回きりの人生色々な経験したっていいじゃんてなった。なげやりとは違うもっと自由な感じ。

  • 私は独身女の、ように自由で、既婚女のように孤独だ。

  • タイトルからイメージした内容とは違ってたな

    何かしら不安を抱えている女性たちの12の短編集

    女性たちの感情はよく分からない話ばかりだったかな
    女性なら分かるのかな

  • 短編集なのでサクサクと読み進めました。江國さんの作品の中の言葉にドキッとさせられっぱなしでした。「こまつま」の美代子、愚かで孤独な若い女や、暇で孤独な主婦とは自分は違うと思っている。背すじをのばして気取って、この場にふさわしいと自分の思う、毅然とした態度でデパートのエスカレーターに乗る。周囲に馴染んでしまわないように急ぎ足で、日常へと戻っていく。そんな美代子の思いを誰が感じ取るのだろう?おそらくデパートですれ違う人、誰も彼女に目をとめてなんかいないのだろうに。
    「そこなう」の主人公みちるの不倫の相手だった新村が15年を経て離婚し、はれて独身になった。みちるは嬉しかったと同時に何もかもがもう決して元通りにならないことがわかっていた、そこなわれたことが。隣で寝息をたてている新村が自分の知っている新村ではなくなっていた、もう二度と彼には会えないだろうと、また泣き始める。なんとも言えない空気感とみちるの悲しさがじわじわっと伝わってくる。
    「じゃこじゃこのビスケット」この題名は、凄い。いったい、どんなビスケットなのか。それは真由美の母の考えた言いまわしで、削ったココナッツだの砕いたアーモンドだの、干した果物のかけらだのが入ったビスケットのことで舌触りが悪く、混乱した味がするので家族みんなが嫌っていたものらしい。大学生の男の子たちといると、自分をじゃこじゃこのビスケットだと感じてしまう真由美。その後、大学に行き、友達ができ、恋人もできた時には世界はじゃこじゃこのビスケットのようではなくなっていた。
    主人公の女性がなんとも寂しく孤独感を味わっていても毅然として、強い。血を流しながらも次へと進む力を感じました。
    何かを失い何かが始まる、そんな感覚をたっぷりと味わった短編集でした。

  • 面白かった
    だがまだ弱冠19歳の私には少し苦すぎたようにも感じる一冊

  • 初めて江國さんの作品を読んだのですが、時間の表現の仕方が上手な方だなと思った。どの人物の語りぐさでも、その時間がすぐに理解でき、物語に入り込みやすかった。ただ、短編の順序がこれで良かったのか?とも思ってしまった。

  • 私にはまだ早かったかな、大人びた本だった

  • 直木賞受賞作
    熱帯夜
    どこでもない場所
    が好きだったかなあ
    登場人物、皆とがってるなあと思っちゃうけど
    なんか共感できてしまう
    そこが江國さんのすごさだと思う

  • どの話も好きだけど特に好きなのは
    「こまつま」と「どこでもない場所」です。

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著者プロフィール

1964年、東京都生まれ。1987年「草之丞の話」で毎日新聞主催「小さな童話」大賞を受賞。2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞、2010年「真昼なのに昏い部屋」で中央公論文芸賞、2012年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、2015年に「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」で谷崎潤一郎賞を受賞。

「2023年 『去年の雪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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