ぬるい眠り (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101339238

感想・レビュー・書評

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  • きらきらひかるの続編があると聞いて 続きを読んだことを後悔はしてないけど読まなくてもよかったかも

  • 災難の顛末が1番良かった。全体的に不思議な話が多い。

  • 「災難の顛末」と「とろとろ」が似てるなあと思うし、とても好き。他人が愛する人を傷つけることは許せないのに、自分が傷つかないために愛する人が傷つくかもしれないことを内包することは厭わなかったり、相手がいいと認めてくれても自分はどうしたって見せたくなかったり、結局わたしたちは自分が1番可愛くて薄情で、だからこそいいんだと思う。薄情じゃない人間なんて信用できない。

    『きらきらひかる』の続編を読みたくて手に取った本。笑子たちのその後はまさかとも言えるし、やはりとも言える不思議な感じ。郎と同じように外側の私には、多分一生彼らの結びつきは理解できない。だけどなぜか、このままでいてほしいと思う。

  • ぬるい眠りと、とろとろ、清水夫妻の話が好き。
    江國さんの物語で出てくる女性は自分を持ってて、感覚的で、独特なこだわりや価値観を持っている。自分とは違うのにどこか共感できる。
    表現が美しく、想像できて読んでいてクスッと笑えたり、幸せな気持ちになる。

  • 青年期を過ぎた、あるいは過ぎかけの女性の自分本位に生きることが共通しているように思えた。他人にどう思われようと縛られたい生活。これが女性に支持されるあるいは憧れを持って読まれるのかもしれない。2023.7.19

  • 色んな形の恋愛があってもいいし、好きすぎるとおかしくなってしまうから好きすぎない人と結婚するぐらいの方が丁度いいのかもしれないと思った。
    自分がおかしくなるから、誰かに自分はおかしくないと自覚させられたいと思うのは自然な事だと、世の中浮気してる人の気持ちがわかると言ったらあれだけど、こういう視点もあるのだと気付かされた作品でした。

  • いろんな恋愛の形があって切なくなった。
    よくある普通の1対1でお付き合いする自然なカップル、夫婦を想定して日々生きているし、イレギュラーな関係は歪で曖昧で遠い存在、よくない存在のイメージがどうしても付きまとう価値観で生きているが、こういう物語を読むとそれでもいい、それをいいと思っている人も当然いるんだなと不思議な感覚になる。

  • 「恋なんて楽しいのははじめだけなのよ。あとはぐしゃぐしゃになって、どろどろになって、すごく疲れるんだから」

    ちゃんとお別れを言える雛子はすごい。言わずに終わる恋と、言って終わる恋とでは全く後味が違うだろう。

    笑子たち、10年経っても変わってなくてすごく良かった。そのまま自然に過ごしてほしいな。

  • たぶん、今の私だから理解できたり共感できたりする話だった。高校までだと、「は?意味わからん」で終わってただろうなって。浮気も不倫もお葬式参列を趣味にしていることも。そういう人たちがいることやそういう人たちに対して、軽蔑とか負の感情は全く読んでて湧かなかった。そういう形もあるよねって、不思議な空気感がが伝わってくるようなお話。人それぞれ恋愛に形はあるけど、たぶん恋愛って言葉に押し込めようとするから変になる。何かしらの葛藤の中で、行き着いた場所がそこなら別にどんな形でもいいんじゃないかなって思った。受け入れられない人には受け入れられないとは思いますが、それは決して悪いことではない。

  • ぬるい眠り・とろとろがすき。
    この一文が、とかじゃなく、ぜんぶ。

    でも、夜と妻と洗剤もとてもすき。

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著者プロフィール

1964年、東京都生まれ。1987年「草之丞の話」で毎日新聞主催「小さな童話」大賞を受賞。2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞、2010年「真昼なのに昏い部屋」で中央公論文芸賞、2012年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、2015年に「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」で谷崎潤一郎賞を受賞。

「2023年 『去年の雪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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