ぬるい眠り (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 4446
レビュー : 500
  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101339238

感想・レビュー・書評

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  • 表題は、潜在意識に閉じ込めた嫉妬から生霊になるなんて、まるで六条御息所みたいだなと思った。
    ここで朝、目を覚ますと体に匂いがついているとかー奥さんの作るカレーとかのーだったら俄然私好みになってくるけど、そこは恋愛小説を踏み外さない江國さん、怪談にはしないよね。『きらきらひかる』のスピンオフ『ケイトウの赤、柳の緑』ふあふあと浮世離れした人たちのなかでは、単純で真っ当で地に足着いた女が物珍しく、揺るぎない存在に映るのだろうな。揺るぎないものなんて幻想だということを一番知っているのは彼女自身だけど。
    刹那の快楽に溢れた短編集

  • 『きらきらひかる』の10年後。
    笑子ちゃんが紺くん殴るところとか、相変わらずで笑うシーンじゃないけど嬉しくなった。
    紺くんの「お前に何がわかるんだ。俺と睦月と笑子ちゃんの」はこの3人の関係性は表面的には崩れても内面的には一生崩れることはないんだな。って思えたセリフだった。
    また『きらきらひかる』読みたくなりました。

    「ラブミーテンダー」はよくある流れだけど久しぶりに恋愛小説を読んだわたしにはうるっときました。

    江國香織さんが描く描写と言葉はキレイでやわらかくて大好きです。

  • 温かいような寒いような現実のような幻想のような中間付近をふらふらしてる感じだった。
    ところで「ケイトウ」って話の中に出てきたかな?

  • ・夕焼けというのはたぶん、善良なひとに似合うものなのだ。「ぬるい眠り」
    ・まっぴるまの電車に乗ると、生活が少し好きになる。偶然おなじ車両に乗りあわせた人たちを、私は少し愛してしまう。「ぬるい眠り」
    ・記憶なんて、いつだって悲しくて、ろくなことがない。「ぬるい眠り」
    ・私だって必要なのだ。誰かを好きになりすぎて、ほんとうにあまりにも好きになりすぎて、自分のバランスがくずれるので怖くて、壊れそうでどうしようもなく怖くて、日々なんとかバランスを保つ。「とろとろ」
    ・人生は愉しむためにあるのだし、相手が男であれ女であれ、会いたいと思ったときに会いたいし、そのときにしか行かれない場所、見られないもの、のめない酒、起こらないこと、がある。
    遊ぶことの好きな連中は大抵貪欲だから、いい店を知っているし、おもしろい奴を知っている。入手困難なチケットの入手方法や、病気とも確執とも金銭とも無縁の快楽や、読むべき本や、聴くべき音楽や。「ケイトウの赤、やなぎの緑」

  • 最初の「ラブ・ミー・テンダー」がこの短編集のつかみとして、とてもいい小説だと思う。

    表題の「ぬるい眠り」が好き。
    「きらきらひかる」の10年後を綴る「ケイトウの赤、やなぎの緑」は笑子ちゃんと睦月と紺くん3人の関係性の変化に切なくなったり、納得したり。

  • 再読。とても好きな感じの短編集だった〜。最近のじゃない江國香織。どれも好き。「災難の顛末」と「夜と妻と洗剤」が特に好き、かも。「清水夫妻」もすごく好きだけど、読んだら、日頃<もう、妄想でも2.5次元でもなんでも良いから浸れて、心が平穏であるようにできるならいいじゃない!>と思ってる自分にほんのり不安を抱いた。あ〜、でも素敵な読後感。

  • 『ぬるい眠り』
    逝ってしまった夏

  • きらきらひかるの続編があるということで読了。
    睦月と笑子と紺くんが、それぞれ同じだけお互いのことを大好きなんだとしたら、その完結された自然な輪を壊すことになってしまった紺くんが実際一番つらかったのではなかろうか...と思ってしまいます。
    形は変わっても、3人が本当にお互いのことを強く愛していることがひしひしと感じられてとても嬉しくて寂しくて切なかったです。

    他、表題作、「清水夫妻」が好きでした。

  • 老いるとなんか違う。

  • 「ケイトウの赤、やなぎの緑」が目当てで読みました。江國さんのつける題名ってどれも素敵ね。きらきらひかるの10年後。読んだら少し悲しくなるけど、でもやっぱり3人の絆っていうのは他の人からしたら理解出来ないのだな。紺のいった「お前に何がわかる。俺と睦月と笑子ちゃんの」 という言葉。妻と夫とその恋人。けして普通な関係ではないけど、そんなの誰が気にするんだよ。三人はどうしたってチームなんだよな。

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著者プロフィール

江國 香織(えくに かおり)
1964年、東京生まれの小説家。1986年、児童文学雑誌『飛ぶ教室』に投稿した「桃子」が入選。2004年、『号泣する準備はできていた』 で、第130回直木賞を受賞。他、山本周五郎賞、中央公論文芸賞、川端康成文学賞、谷崎潤一郎賞など受賞歴多数。代表作として、映画化もされた『きらきらひかる』や『冷静と情熱のあいだ』など。女性のみずみずしい感覚を描く作家として、多くの読者を魅了している。また、小説から絵本から童話、エッセイまで幅広く活躍中。翻訳も手がけている。2019年5月2日、2年ぶりの長編小説『彼女たちの場合は』を刊行。

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