ぬるい眠り (新潮文庫)

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  • 新潮社
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本棚登録 : 4447
レビュー : 500
  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101339238

感想・レビュー・書評

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  • こわいものから、かわいらしいものまで。
    きらきらひかるの10年後はすてき。

  • とろとろ、好き。
    すごく共感できたから。
    どの話も、読み終わったあとストンと気持ちが落ち着く感じになれるのがいい。そして高橋さんの解説がまた良い。
    江國さんの本は読んでる間も読んだ後もほんといい気分になる。安心する。

  • タイトルが秀逸。

  • 『きらきらひかる』の10年後「ケイトウの赤、やなぎの緑」が収録されている短編集。中でも1番印象的だったのが「災難の顛末」。結局のところ全てをさらけ出せない全てを受け入れられない相手とは一緒にはなれないとおもうけど、にしても…な顛末が。猫が出てくる作品が多いけど、確か江國さんって愛犬家だったような…。2012/311

  • ケイトウの赤、やなぎの緑について

    私の大好きな小説「きらきらひかる」の続編というか、その十数年後の話。
    視点は笑子と睦月ではなく、新たな登場人物のちなみと朗。

    「郎を含め、あのサロンに出入りしている人々には、どこか計り知れない強さがあって、それがときどき弱さにも似てみえるために、人を困惑させるのだ。」
    という文章がある。

    私が勝手に考えた、その正体は「覚悟・信念を通して生きること」。
    郎は、「人生が思うとおりにならないものなのだとしても、人は思うとおりに生きるべきだ、と思っている。」と言及し、それを体現したような人物だ。
    他の登場人物も個性的で己の信条にしたがい生きている。
    そういった他人には理解されない独特の覚悟や信念は、自分だけのものなので、人を困惑させる。
    たぶん、覚悟や信念がなければ、煩わしい世の中を簡単に生きられる。
    他の大切な何かを切り捨てなくて済むだろうし。
    だけとも、この短編はその不器用な生き方が魅力的に描かれている。

    それと

    「僕が世界的に評価されるヴァイオリニストになったら、ちなみにプールつきの家を買ってあげるよ」と言った弟は、やけに暗いバーのスツールに腰掛けて背をまるめ、恋人と見つめ合いながらそう言った。
    「愉しいのがいちばんだよ」と。

    昔と今の比較、やけに暗いという描写、楽しいではなく愉しいと書かれている部分に思わずにやりとしてしまった。

  • 半分、はんぶん

  • 江國香織さんが昔に書いた短編をまとめたものだそうです。
    「きらきらひかる」の続編もあり。
    飼い猫のノミにかまれる話が1番ぞくりときた。私が愛しているのは恋人ではない、私自身なのだ、という一文が心に残る。

  • 数年ぶりの再読。なんとなく覚えてる話と、ほとんど覚えてない話が混じってた。

    表題作の「ぬるい眠り」が好き。トオルくんや冬彦くんが眩しかった。

    「ケイトウの赤、やなぎの緑」も良かった。「きらきらひかる」を読んだ直後だったから、登場人物がつながっていくのが面白かった。きれいな顔だというちなみの弟は、どんな顔なんだろう?

  • やっぱり一番注目なのは「ケイトウの赤、やなぎの緑」。
    『きらきらひかる』の10年後。
    『きらきらひかる』は大好きなので、帯に「『きらきらひかる』の十年後を描く作品などを含む全9編」って書いてあるのを見たときから、すんごい楽しみしてたのです。

    で、感想は…、うん、そうかもなぁって感じ。
    そうなるかも、って感じ。
    でも結構好きです。
    なんていうか、小説に限らず、物語って、その物語の終わりと同時に終わってしまう感覚があるけれど、…や、違うか。もしその物語に続きがあるとしても、その物語の終わりの雰囲気を残したまま続いていくのではないかという感覚があるのだけれど、やっぱり現実であれば、どんなハッピーエンドでも、そうでないエンドでも、日常が続いていくわけで、日常っていうのは、常にいいことと悪いことが繰り返しなわけで、そうであるのならば、笑子と睦月と紺くんの日常は、そうやって続いていくんだなぁって。

    で、話は変わって。
    一番気に入ったのは「災難の顛末」。
    江國香織には珍しい…と思うのだけど、なんだかドロドロ感たっぷりで好きです。
    自分、自分、自分、って感じが。

    そしてまた話は変わり。
    今回、読んでて思ったのだけど、あたしが江國香織の書く小説が好きなのは、もちろん、文章のセンスが好きだということもあるのだけれど、それよりなにより、たぶん、その「終わってる」感が好き、みたい。
    なんていうか、「もうそれ以上進めない」、「行き着くとこまで行き着いた」みたいな。
    それでいて、引き返すことも出来ない。
    そういう感じ。
    ある種、病的。
    で、そこが好き。

    恋愛って確かに、そういう側面があるのかも、と思わせる。
    世界が閉じているから、進んでも進んでも深みに嵌っていくしかない、で、最終的にはそれ以上どこにも進めない、っていう、そういう側面。

    ちなみに、だから江國香織の作品の中での、あたしの一番のお気に入りは『ウエハースの椅子』です。
    これはホントに、救いがないくらい「終わっていて」、そこが好き。

    ただし、江國香織の作品は、やっぱりそうはいっても、たいていの場合は、終わっている世界からの出口が用意されているのだけれど。

    というわけで、なんだか今日はまとまらないまま、箇条書きっぽい感じでおしまいです。

  •  世界が沈んでゆく。最初は熱く汗を流すようなお湯が、いつのまにかぐずぐずとろとろしたぬるま湯に変化してしまっている。そんな、哀しみと憂いに満ちた短編たちでした。

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著者プロフィール

江國 香織(えくに かおり)
1964年、東京生まれの小説家。1986年、児童文学雑誌『飛ぶ教室』に投稿した「桃子」が入選。2004年、『号泣する準備はできていた』 で、第130回直木賞を受賞。他、山本周五郎賞、中央公論文芸賞、川端康成文学賞、谷崎潤一郎賞など受賞歴多数。代表作として、映画化もされた『きらきらひかる』や『冷静と情熱のあいだ』など。女性のみずみずしい感覚を描く作家として、多くの読者を魅了している。また、小説から絵本から童話、エッセイまで幅広く活躍中。翻訳も手がけている。2019年5月2日、2年ぶりの長編小説『彼女たちの場合は』を刊行。

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