ぬるい眠り (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 4476
レビュー : 503
  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101339238

感想・レビュー・書評

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  • やっぱり一番注目なのは「ケイトウの赤、やなぎの緑」。
    『きらきらひかる』の10年後。
    『きらきらひかる』は大好きなので、帯に「『きらきらひかる』の十年後を描く作品などを含む全9編」って書いてあるのを見たときから、すんごい楽しみしてたのです。

    で、感想は…、うん、そうかもなぁって感じ。
    そうなるかも、って感じ。
    でも結構好きです。
    なんていうか、小説に限らず、物語って、その物語の終わりと同時に終わってしまう感覚があるけれど、…や、違うか。もしその物語に続きがあるとしても、その物語の終わりの雰囲気を残したまま続いていくのではないかという感覚があるのだけれど、やっぱり現実であれば、どんなハッピーエンドでも、そうでないエンドでも、日常が続いていくわけで、日常っていうのは、常にいいことと悪いことが繰り返しなわけで、そうであるのならば、笑子と睦月と紺くんの日常は、そうやって続いていくんだなぁって。

    で、話は変わって。
    一番気に入ったのは「災難の顛末」。
    江國香織には珍しい…と思うのだけど、なんだかドロドロ感たっぷりで好きです。
    自分、自分、自分、って感じが。

    そしてまた話は変わり。
    今回、読んでて思ったのだけど、あたしが江國香織の書く小説が好きなのは、もちろん、文章のセンスが好きだということもあるのだけれど、それよりなにより、たぶん、その「終わってる」感が好き、みたい。
    なんていうか、「もうそれ以上進めない」、「行き着くとこまで行き着いた」みたいな。
    それでいて、引き返すことも出来ない。
    そういう感じ。
    ある種、病的。
    で、そこが好き。

    恋愛って確かに、そういう側面があるのかも、と思わせる。
    世界が閉じているから、進んでも進んでも深みに嵌っていくしかない、で、最終的にはそれ以上どこにも進めない、っていう、そういう側面。

    ちなみに、だから江國香織の作品の中での、あたしの一番のお気に入りは『ウエハースの椅子』です。
    これはホントに、救いがないくらい「終わっていて」、そこが好き。

    ただし、江國香織の作品は、やっぱりそうはいっても、たいていの場合は、終わっている世界からの出口が用意されているのだけれど。

    というわけで、なんだか今日はまとまらないまま、箇条書きっぽい感じでおしまいです。

  •  世界が沈んでゆく。最初は熱く汗を流すようなお湯が、いつのまにかぐずぐずとろとろしたぬるま湯に変化してしまっている。そんな、哀しみと憂いに満ちた短編たちでした。

  • 多分二度目だけど『災難の顛末』以外覚えてなかった。
    その時の環境によって感じ方も変わるんだろうな。

    『ぬるい眠り』がぐっときた。

    読了3時間。

  • 『きらきらひかる』の続編(?)の「ケイトウの赤、やなぎの緑」が読みたくて手にしました。

    続編は『きらきらひかる』の結末と同じくらい「・・・なんだかな~。。。」って感じで、読んで良かったのか悪かったのか・・・微妙。

    他にも短編が収録されてるけれど、特にこれと言った印象はなし。
    『きらきらひかる』もだけど、読むと微妙に鬱気質になるので読後感は悪い。(個人的見解)

  • 世界が湿度を伴って青に沈む。
    夜通し読みきって徹夜して夜明けを迎えてうつうつとしたまぶたを腫らして鼻すすりながらあーもうしょーがねえやなって言えたらすこしおとなになれると思う。そういう本だと思った。

  • 恋愛中のふたりの描写がとてもいい

    『ぬるい眠り』『ケイトウの赤、やなぎの緑』
    は江國さんが好きなかたにおすすめ

    『ラブ・ミー・テンダー』『夜と妻と洗剤』
    は個人的に元気が出るお話

  • 短編集。表題作はよかったな。
    読み終えてそんなに経っていないのに、もうほとんど内容を忘れかけている…。

  • わたしは飛行機に乗っているときはいつも、ほんとうにびっくりするくらいあるひとつのことしか考えられなくなる。地に足のついていない不安感とか、エコノミークラスの閉塞感とかがそうさせるのかもしれないけれど、この本を飛行機のなかで読みながらもずっとあるひとつのことを考え続けていた。どうしようもなく悲劇的なまでに凡庸だなあ、と感じながらも、その凡庸さに救われている自分もいる。もう少しなんだけどなあ。もう少し、わたしの心のうちを的確に捉える、というのは少し語弊があるかもしれないけれど、わたしの心の中を正確に描けというのではなく、ある条件のなかにくくられた一定の人間の心に普遍的に響く高度で優良な物語を書く、日本人の女流作家はあらわれないかなあ。

  • ぬるい眠りとラブミーテンダー
    夜と妻と洗剤がすき

    ぜんたいとしてはいまいち。

  • 短編集。きらきらひかるのその後だったり、どれもすてき。
    江國さんの書く小説は、どれがよかった、どれがいやだ、とかそんな感情を抱けない。ただただ、それはすてきなことばとして、そこにある。

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著者プロフィール

江國 香織(えくに かおり)
1964年、東京生まれの小説家。1986年、児童文学雑誌『飛ぶ教室』に投稿した「桃子」が入選。2004年、『号泣する準備はできていた』 で、第130回直木賞を受賞。他、山本周五郎賞、中央公論文芸賞、川端康成文学賞、谷崎潤一郎賞など受賞歴多数。代表作として、映画化もされた『きらきらひかる』や『冷静と情熱のあいだ』など。女性のみずみずしい感覚を描く作家として、多くの読者を魅了している。また、小説から絵本から童話、エッセイまで幅広く活躍中。翻訳も手がけている。2019年5月2日、2年ぶりの長編小説『彼女たちの場合は』を刊行。

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