ぬるい眠り (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101339238

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  • ラブ・ミー・テンダー
    ぬるい眠り
    災難の顛末
    とろとろ
    奇妙な場所
    がとくにおもしろくて好きだった。

    心がいっぱいいっぱいになるときの気持ちがとてもよくわかる。物語が現実の気持ちを和らげてくれる。世の中になじめないことがこの世の終わりなんかではないといつも感じさせてくれます。

  • 長めだったり短めだったりする話が9つ入った短編集。

    江國さんの小説は、登場人物がどこか一風変わっている。
    そんな人いないだろう〜と思って読み始めても、読み終わる頃には、「どこかにいそうだ」と思えてくるから不思議。
    短編は特に その登場人物たちの話の続きをもっと読みたくなる。

    「きらきらひかる」の続編は、本編を読んでなくても短編として楽しめた。

  • 読むの何度目だろう。お気に入りの短編集。
    江國さんの小説で好きな文章を抜粋しようと思ってもできない。多すぎて。

    『ラブ・ミー・テンダー』『災難の顛末』が好き。かなり好き。笑

  • 「災難の顛末」と「とろとろ」が似てるなあと思うし、とても好き。他人が愛する人を傷つけることは許せないのに、自分が傷つかないために愛する人が傷つくかもしれないことを内包することは厭わなかったり、相手がいいと認めてくれても自分はどうしたって見せたくなかったり、結局わたしたちは自分が1番可愛くて薄情で、だからこそいいんだと思う。薄情じゃない人間なんて信用できない。

    『きらきらひかる』の続編を読みたくて手に取った本。笑子たちのその後はまさかとも言えるし、やはりとも言える不思議な感じ。郎と同じように外側の私には、多分一生彼らの結びつきは理解できない。だけどなぜか、このままでいてほしいと思う。

  • いろんな恋愛の形があって切なくなった。
    よくある普通の1対1でお付き合いする自然なカップル、夫婦を想定して日々生きているし、イレギュラーな関係は歪で曖昧で遠い存在、よくない存在のイメージがどうしても付きまとう価値観で生きているが、こういう物語を読むとそれでもいい、それをいいと思っている人も当然いるんだなと不思議な感覚になる。

  • 「ラブ・ミー・テンダー」「夜と妻と洗剤」が特に好き!どちらもびっくりするほど短いし、少し奇妙だけど暖かい気持ちになる話。「ケイトウの赤、やなぎの緑」は最初きらきらひかるの続編だと気付かなかった。きらきらひかるに比べて登場人物も増え複雑に感じられた。笑子と睦月と紺くんのことはあのままもう少し想像の余地を残して欲しかった気もする。

  • ぬるい眠り
    青く寂しい空気が漂う夏。
    はじめて深く繋がりたいと思えた人。しかしその人は既に違う人と契りを交わしていた。決して侵害できない縛り。それでも想い焦がれ、ひたすらに求める。 終わり方は胸が詰まるような切なさがあった。

    作者の情景や心情を繊細に拾い上げ表現している文体がすごく素敵で、ひたすらに世界観に浸っていた。
    主人公の感情を理解しきれないところもあった。

    特に好きだったお話は
    ラブ·ミー·テンダー
    放物線
    災難の顛末
    清水夫妻

  • ノミの話だけ苦手
    江國さんの独特の雰囲気が溢れててよかった

  • 本の内容はタイトル通りの温度感で、まったり読むことができた。

  • きらきらひかるを思わず買い直した。あの世界がまた違った視点で繰り広げられてて、なんだかとても落ち着く
    他には表題作と、清水夫妻の話が好き

著者プロフィール

1964年、東京都生まれ。1987年「草之丞の話」で毎日新聞主催「小さな童話」大賞を受賞。2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞、2010年「真昼なのに昏い部屋」で中央公論文芸賞、2012年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、2015年に「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」で谷崎潤一郎賞を受賞。

「2023年 『去年の雪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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