がらくた (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 374
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  • Amazon.co.jp ・本 (339ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101339269

感想・レビュー・書評

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  • 江國さんの恋愛感がエロい。

  • さらさらと流れていくようなお話でした。
    恋愛でもないような…原さんと柊子の夫婦に、出会っては通りすぎていく、そのある一時を垣間見たような。
    あまり好きな登場人物もいなかったのですが、桐子さんはとても好きです。気難しそうだけれど話してみたいです。

  • 「がらくた」ってなんだ?

    絹のような優しい文体で綴られるハードボイルドな恋愛小説。

    女だったら美海に嫉妬するほど憧れるのだろうか ?
    男だったら柊子の夫に軽蔑と同時に深く感情移入をするのだろうか ?
    しかしこの物語の主人公はやはり柊子だろう。
    人を愛しすぎることはどれほど自分を傷つけてしまう。
    自傷愛とも言えるストーリーが江國香織の上質の言葉たちによって綴られる。

  • 濃い大人のトーンに透明に近い少女が混ざり合った感じ。

    ファンキーなおばあさんが素敵。
    ゆったりと観光なしの旅行がしたくなる。

  • 思ったことを好きな人に素直に言える可愛い美海ちゃんがとっても良かった。小説だからすんなり入ってくるけど実際に居たら理解不能な柊子さん。

  • 乾いて硬くなった足の裏みたいな大人の世界に、瑞々しい少女の存在。あの一瞬しかない生命力ままの10代の頃に、外見的美しさまで持っていたら最強だわね。
    するするっと読めてしまう楽しい小説でした。

  • いつまでもこんな恋愛至上主義の作品を書ける作者はすごい。子育てしているとそういったことが遥か昔のことに感じられ、自分とは程遠いことのように思えてくる。それでも恋愛のドキドキは楽しめた。野ばらの解説に納得。彼の本も読んでみたくなった。

  • あらすじを一言で表すのが本当に難しい作品ですが、ざっくりいうと「女の影(堂々としすぎて影ですらない)がつきない魅力的な夫と、その『女ったらしの部分』を含めて愛している主人公・柊子、そして旅先のビーチで出会ったうつくしく透明なもう一人の主人公・ミミ。柊子とミミは帰国後も接点を持ち、ミミは夫をも魅了する」……みたいな……

    実は思わず途中で読むのをやめてしまった本。
    ミミの奔放さがなんともかわいらしくてそのキャラクターに引き込まれたものの、先にオチを知ってしまい「えええ」と(はっきりいうと「がっかり」と)してしまい、読むのをやめた……のですが江國さんの美しい言葉づかいが恋しくなってついつい少しずつ読み進めてしまいました。

    オチを「がっかり」だと思ったのは、柊子に感情移入をしてしまっていたせいだと思います。途中の柊子さんにまつわる描写をしっかり読み、終盤のミミのパートを読んでいるとと少しもがっかりではないし後味も悪くなかった。
    柊子に入れ込むよりはどちらかといえばミミに入れ込むほうが物語を楽しめるのかなと思いました。柊子から見ても納得できるエンディングだったけれど。
    柊子とミミ、ダブルヒロインでしたがどちらにも理解できて、しかしどちらもわかりかねる部分がありました。おもしろかったです。

    柊子と夫・原さんの関係はとっても奇妙で、相手が他人と交わることで自分が相手を所有していることを理解するというか…「女の影ごと許容する」というのはすごくよくわかるんだけど一歩離れて見てみるととんでもなく狂的だなと思った。

  • 大人の女の駆引きや、大人っぽい女の子目線の。

    海外で生活したことがあるとか、長期海外いたことがある人なら共感できる描写が多々あり。

    ゆったりとした話の流れなのに読み終わるのが早く感じる本。


    ひとりの女性のそれぞれの年齢を描写しているように感じられた。
    わたしもそんなことあったなぁ。
    みたいな。

  • ミミ(美海)は私が高校生だった頃に憧れた女子高生の象徴。人目を引くほど美しく帰国女子にありがちなオーラ、豊かさ、自由さ、奔放さ、を持って青山、広尾、恵比寿、代官山を何の迷いもなく闊歩(北千住や、湘南さえも!)する美海に、自分の青春を重ね合わせてやるせない思いに浸った。

    柊子さんと原さんは狂おしいまでの愛憎劇を繰り広げておられるけれど、いったいあの方達はおいくつなのかしら。

    非 現実的なストーリー、官能の世界に浸る事はできなかった。

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著者プロフィール

1964年、東京都生まれ。1987年「草之丞の話」で毎日新聞主催「小さな童話」大賞を受賞。2002年『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞、2010年「真昼なのに昏い部屋」で中央公論文芸賞、2012年「犬とハモニカ」で川端康成文学賞、2015年に「ヤモリ、カエル、シジミチョウ」で谷崎潤一郎賞を受賞。

「2023年 『去年の雪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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