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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784101339290
作品紹介・あらすじ
いい匂い。あの街の夕方の匂い――。些細なきっかけで、記憶は鮮明に甦る。雛子は「架空の妹」と昔話に興じ、そんな記憶で日常を満たしている。それ以外のすべて――たとえば穿鑿好きの隣人、たとえば息子たち、たとえば「現実の妹」――が心に入り込み、そして心を損なうことを慎重に避けながら。雛子の謎と人々の秘密が重なるとき、浮かぶものとは。心震わす<記憶と愛>の物語。
AIがまとめたこの本の要点
この本を表す言葉
みんなの感想まとめ
記憶や思い出がテーマのこの作品は、日常の中で感じる懐かしさや現実からの逃避欲を描いています。主人公の雛子は、架空の妹との昔話を通じて、自身の過去や周囲の人々との関わりを再考し、心の内面を探ります。作品...
感想・レビュー・書評
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失踪したいと思ったことがあります。
自分を知るすべての人から、自分の存在を消したいと。もしそうしたら、家族は、周りの人たちはどうするのか。
現実から逃避するのは簡単なようで、案外また引き戻されてしまうものなのでしょうか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
好きな作品でした。
記憶、思い出、空想。現実が1番大事ではなくて、人はそういうものに支えられながら生きていると思っている。
だから、この作品は暖かく感じられて、共感できる部分もたくさんあった。
「『きょう見た布、素敵だったわね。』
雛子が話題を変えたのは、何か、なつかしくない話をする必要があると感じたからだ。そうしないと、今いる場所に、戻ってこられなくなりそうでおそろしかった。」
時々、子どもの頃の思い出や記憶をふっと思い出すことがあって、それは懐かしい場所だったり、匂いだったりがきっかけになったりするけれど、そういう時、現実に戻ってこられなくなりそうなかんじが一瞬する。
でも将来年老いた時に、「幸せな人生だった?」と誰かに聞かれたときに、
涙が出るほど懐かしい思い出があればあるだけ、幸せな人生だったと思えるのかなと思った。
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よくわからない、という感想多いのだろうけど、自分はこういう雰囲気好きだな。雰囲気小説と言われようとも。
大きくドラマチックにストーリーが動くわけではないのだけど、人の心の儚さやもの悲しさ、寂しさや無常感が良いです。
架空の妹、という部分で、雛子が老齢のため壊れかけているのかと思ったのですが、予想していたのとまた違った展開で良かったと思う。
すべての問題点がきれいに解決する人生なんて、ないよね。
自分の思い通りにすべて行くような人生って面白くないよね。
だからこそ、人生は儚く美しいのかもしれません。 -
《図書館本》久しぶりの江國香織さんの本。装丁が綺麗で、「きらきらひかる」や「ホリー・ガーデン」のような雰囲気を期待していたけど、ちょっと違った。でも、おもしろかった。長編と帯に書いてあったけど、個人的には連作短編のように思いました。
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面白かったです。
生きている感じが希薄な女性が主人公でした。
50代で高齢者用の施設に入っているとこも、本当は失踪している架空の妹とだけ過ごす日々も、彼女の生活は余生ということが伝わってきました。
わたしは架空でも妹と過ごしたくないですが、雛子が生きることをどうでもいいと思って過ごせているのは羨ましいです。
でも飴子みたいに失踪するのも憧れます。外国にいるので会おうと思っても容易ではないし。
江國作品は、恋愛色の強いものも、家族色の強いものも、食べることは大事なようです。
食べることは生きてるってこと、みたいな言葉はあれは孤独のグルメだったか……。
過去に生きているとか、夢の中に生きているとか。ぼんやりと、良い本でした。 -
起承転結もなく、オチもなく、ただただ日常が綴られている小説だけれど現実とは少しかけ離れているもの。江國香織さんワールドで好きだった。
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大人になると、傷つくこと、
失うことを事前に避けたくなりせんか?
大切な人を失うって、
人生の中で一番て言っていいくらい悲しい。
楽しかった記憶の中で生き続けることができるなら、
もう誰かを失うことはない。
悲しい現実より、
楽しかった記憶を優先して生きてる。
妹を失ったことが、
雛子さんにそうさせているのかと思うと
胸が締め付けられる。
自分一人で生きていくだけの人生なら、
現実は投げやりでいい。他人なんてどうでもいい。
そんな感じ。
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あるなあ…
故人を思い目の前に居るかの様に
会話してみたり
なかなか会えない人を思い
目の前に居るかの様に
都合よく会話してみたり
思い出の記憶を走馬灯の様に… -
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伏線回収が下手くそな私は最後の章に入ってから全ての意味が繋がった面白い小説。
江國香織さんは外さないよね。 -
読んだことのない江國香織。正直新しめのものについては読んだか読んでないか忘れてしまっていて、ブクログで自分の本棚を検索してみないと読んだかどうか判断できない。今回の話は、ウエハースの椅子に似ている気がした。ずっと死の匂いがする。
江國香織の描く物語を読む時、ストーリーはあまり気にしない。誰が死んでも生きてても離婚しててもあんまり関係ない。村上春樹や吉本ばななもそうだけど、ただその人の世界に入ることが必要な作家というのがいる。だからストーリーはどうなってもいい気がする。
亜美ちゃんの「普通の男の子は珍しい」というの、とてもわかる。
江國香織に出てくる「良心枠」の男の人、現実にはなかなかいない。深町直人と結婚するのが一番いいのはわかっているんだけど。 -
江國さんの書くゆったりと気怠い毎日が好き。これを読んだらチョイスをミルクティーに浸さずにはいられない。架空の妹ってすごく切ないのに幻想的で美しい。
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江國香織さんの他の作品とはひと味違う、小説らしい小説。
エピソードはあるもののオチはなく、それが日常らしさを演出していく。
52/100 -
時の流れが止まってた。いろんな人生があるんだな
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不思議な愛の物語。
記憶によって愛が表現されるのか、それとも愛によって記憶が作られるのか?
静かな日常の中で謎を持った人と人とが交差する。愛のかたちは人それぞれ。 -
このラストの、止まっちゃった感。物足りなくなってしまうんだなぁ
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ちょうちんそでって懐かしい言葉。小学生の頃の憧れ、みたいな。姉妹の遊びがふっと自分のその頃を思い出させる。
なんでだったんだろ、どうして家庭を、家族を捨てた?って説明は全くなくて、その後の生き方。過去に生きていても悲しいだけなのに。
でも久しぶりに江國ワールド。このところエッセイばかり続いたから。小説もよいね。
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