ぬばたま (新潮文庫)

  • 新潮社
3.12
  • (14)
  • (33)
  • (58)
  • (32)
  • (6)
本棚登録 : 400
レビュー : 64
  • Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101340319

作品紹介・あらすじ

ときどき、こんな人がいるのです。山に入ったまま、帰って来られなくなってしまった人が-。仕事も家族も失い、絶望のうちに山を彷徨う男が見た恐ろしい幻影。少女の頃に恋した少年を山で失った女の、凄絶な復讐。山で見たおぞましい光景が狂わせた、幼なじみ三人の運命。死者の姿が見える男女の、不思議な出会い。闇と光、生と死、恐怖と陶酔が混じり合う、四つの幻想的な物語。

感想・レビュー・書評

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  • 読み終わった後に、ふぅっと目を閉じると瞼の裏に色が明滅しています。
    それは、深紅・黄金色に白もありますが
    圧倒的に、黒に見まごうほどの緑が圧倒的な濃さを持って迫ってくる一冊です。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「黒に見まごうほどの緑が」
      凄いイメージですね!
      「黒に見まごうほどの緑が」
      凄いイメージですね!
      2012/05/10
  • 山に近い村に生まれた人たちの死にまつわる話4編。

    登山とかもしたことないけれど、夜の山は怖いとかよく聞くので、山の恐ろしさは伝わってきた。

    ぼんやりした話が多い。

    1話目がいきなり大人向けな話でびっくりした。
    官能的??な。
    意味はよく分からなかったけど。

    4つ目の話の男性が語ったおばあさんが最終話のおばあさんなのかなぁ。
    それだと時系列おかしいけど、状況は似ている。
    そういう境遇もたまにあるのかもだけど。
    あとはおばあさんが語ったことだから、男性のセリフとして勝手に入れたとか??

  • 話がつながって最後にネタ明かしがあるのかと思いきや、結局よくわからず少し残念。ただただ山が人を狂わせた、というだけなのか。

    1. 蜥蜴の尻尾切りで長年勤めた銀行を首になり、家族をも失った男が深い恨みと絶望を抱えながら山に迷い込むと、不思議な舞を踊る女たちの集団に出会う。気が付くと男は、その中の一人の女に看病されているのだが、女の様子も、至る所から蛇が這い出てくる屋敷の様子もなんだか変。男は牛の頭を食らい、女を食らい・・・。

    2. 小学校の時に恋心を抱いていた少年が自分のせいで山に取り込まれて帰ってこれなくなってしまった。時が経ち、小学生の娘を持つ彼女は、未だに山から出られない少年からの電話を受ける。現在の生活の大切さを冷静に見つめる一方で、しごく当たり前に復讐を成し遂げる。

    3. 仲の良い3人の少年グループ。ゲーム感覚で山で行方不明になった老人を探しに出かけた三人は、縊死した老人、黄色い蝶の幻影に生涯悩まされ続けることとなる。しかし、一番恐ろしいのは・・・。

    4. 死んだ人が見える少女。幼い頃から、そのことは人に言わないように、そして、普通にしているようにときつく言い含められている。部屋の隅に座る縊死した叔父。彼に鏡を見せると・・・。
    そして彼女は街で自分と同じ能力を持った軽薄そうな男に出会う。二人は死んだことに気づかない者を山に返してまわるのだが・・・。

    終話 この物語の”作者”のつぶやき。

    終話を読んだとき、ああ、皆川博子っぽいなーと思って久しぶりに読みたくなった。
    それにしても、人は死んだら山に帰るのだろうか?山というもの自体にあまり馴染みがない私としては、なぜみんながみんなそんな恐ろしい場所へ帰らねばならないのだろう、という違和感。

  • 雰囲気はあるのですが、私には合わなかったです。

  •  あさのあつこさんは本当にたまたまって言っていいほどワタシの手には引っかかってこない作家さんで、いろいろ本は読みますが今までに読んだのは「グリーングリーン」「桜舞う」の2作だけでした。
     この文庫も、古書店で108円で購入したものの中の一冊です。ワタシにはドスン!というインパクトはなく不思議な話だなあ…って感じでした。しかも、読み終えるまで宮部みゆきさんの作品だと勘違いしていて、「この作品、宮部さんらしくないな~」なんて思っていました。
     山にまつわる、生と死の境界のお話4話です。昔でいう「神隠し」のような出来事についての物語でした。

  • 「バッテリー」系統の著作しか読んでいなかったので、読んでみたが、なかなかどうして!楽しめました。

  • はいはい、楽しい☆1つのクソ本のお時間です。これでも金だして買ってますからね(古本ですが)。

    地方の、死者が集まる山と、その山に関わった人たちの人生の悲哀を連作に。人を食う鬼(?)になっていく元サラリーマン、子供の頃に神隠しにあった友達を探して死ぬ女など、テーマはそれなりのホラー風味の作品だが、読んでいて「はあ?」となることが数度ではすまない。

    というのも、ほぼすべての作品で過去(サラリーマン時代、子供時代など)と現在を行ったり来たりするのだが、何の断りも無い上に、書き出しでぼかしてわかりにくくしている。さらに、情景や行動の説明に主語がほとんどないため、誰がどうしたのかを把握が出来ない。

    また、他の文章では「闇の重みに」だの「青い焰」だの「紅蓮に染まる」だの、中二病的な言語センスに辟易させられる。いろんな人が「惨い」をやたらつかったりねえ。語彙力が無さ過ぎ。

    さらに気になるのが「うぇっ、うぇっ」「カナカナカナカナ」など、ここから怖くなりますよーみたいな擬音類の繰り返しでげんなり。2chで怪談を書いている素人と同じレベルの言語感覚だ。

    そういう中二病的な言葉が "刺さる人"向けに、同人誌として売るのは良いが、こんなものを金を出して買うもんじゃない。

    本筋はわかるので、丁寧な言葉、文章で書きなおせば、それなりに読める話になるのだろう。それを文体でぶち壊しにしたという良い例である。

  • 20/160

  • ときどき、こんな人がいるのです。
    山に入ったまま、帰ってこられなくなってしまった人が。

    これはとてもすき。
    自然って癒しとか優しいだけではない。不気味でおそろしい場所でもある。だけどその自然をただ忌避するのではなく、自然が畏敬の対象であることを改めて感じさせてくれる幻想的なはなし。

    一番すきだったのは「四」。
    そこでの朝の光についての文章がなるほどと思った。
    わたしはそれまで朝の光と聞くと元気さだとか温かさを思い浮かべていたけれど、ここでは刺すような光だと表現されていた。それを自分で常に感じるほど山を近い存在として感じていたわけではなかったけど、なんとなくわかる。

    不気味だけど美しい本だと思います。ぞわぞわする。
    自分は現実と夢の間をみたことがない?

  • 山にまつわる四篇のストーリー。
    山に畏敬とも畏怖ともわからない境界があやふやな異界と捉えたもの。
    怖いと云うよりエロかった1話から始まるのが少しとっかかり辛いけれど。
    シックスセンス的な叙述トリックミステリは面白かった。
    閉鎖空間に色々な想いを巡らせるのは楽しいものだ。

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著者プロフィール

あさの あつこ
1954年生まれの小説家、児童文学作家。岡山県英田郡美作町(現:美作市)湯郷出身。幼少の頃から本に親しみ、中学の頃から創作日記をつけはじめ、中学2、3年生の頃から作家を志す。青山学院大学文学部入学後、児童文学サークルに入り活動。卒業後小学校の臨時教諭を2年間務め、結婚。日本同人協会「季節風」同人となり、そこに連載した『ほたる館物語』で作家デビュー。
代表作に、1996年から執筆を続ける『バッテリー』。97年野間児童文芸賞受賞、99年『バッテリー2』で日本児童文学者協会賞、2005年『バッテリー』全6巻で小学館児童出版文化賞をそれぞれ受賞。シリーズ1000万部超の大ベストセラーとなり、映画化・アニメ化された。

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