虫眼とアニ眼 (新潮文庫)

  • 新潮社
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本棚登録 : 1905
レビュー : 227
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101340517

作品紹介・あらすじ

小さな虫の動きも逃さず捉えて感動できる「虫眼の人」養老孟司と、日本を代表する「アニメ(眼)の人」宮崎駿が、宮崎作品を通して自然と人間のことを考え、若者や子供への思いを語る。自分を好きになろう、人間を好きになろう、自然と生きるものすべてを好きになろうという前向きで感動的な言葉の数々は、時代に流されがちな私たちの胸に真摯に響く。カラーイラスト多数掲載。

感想・レビュー・書評

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  • この二人の対談はオモシロい!
    こういう考えもあるのかと感じて生きやすくなる!
    イラスト集だけでも読む価値あり!

  • 対談が好き。好きな人同士ならもっと好き。

  • なんか変な題名だと思いましたが、解剖学者養老孟司と、アニメーション作家宮崎駿の3度にわたる対談集で、それぞれの持つ目を表現した意味になっています。
    自然との共存、未来ある子どもたちについて、お互いがそれぞれの目線から必要性を解き、現在への警鐘を鳴らしています。

    「トトロ」を何十回も観るのは危険だという宮崎氏。
    外で遊んでいないで、TVを観ているだけなのは、実際の経験値が上がらないからだとのこと。
    ビデオの箱に「見るのは年1回にして」と書きたいとまで言っていました。
    ハッとしました。確かに、アニメで夢を膨らませるのは必要ですが、やはり実際に外に飛び出していかないと、豊かな感性の子供には育たないのでしょうね。

    養老氏の話では、蝶は好きな場所を飛んでいるわけではなくて「蝶道」と呼ばれるルートにそってひらひら飛んでいる、という話が印象的でした。
    以前、家を増築したら、それだけで蝶の飛ぶ場所が変わったそうです。
    つまり、蝶は周囲の環境を把握しているとのこと。すごい能力ですね。

    ほかに、筑波の学園都市に、19cのイギリスの田園風景を再現していこうという計画が持ち上がったそうですが、そもそも19cのイギリスの田園風景は、山形県の農村を手本にしたものなんだそうです。
    つまり100年たって、ぐるっと回ったとのこと。おもしろいですね。

    薄い本ですが、学ぶところの多い、いろいろと考えさせられる一冊です。

  • 養老孟司さんと宮崎駿監督の対談本。

    何かこう、ものすごいことが語られていて興奮しちゃうって本ではありません。
    戦前に生まれ、戦後の日本社会の変化を体感してきた二人の老人(この本が出されたころはまだお若いですけれども)が、軒下に出された縁台の上で団扇片手に世間話しているのを、横で黙って聞いているような感覚。
    つまりなんだか「懐かしい」のです(懐かしさは本書で語られるテーマの一つです)。

    誰しも経験ありませんか?
    あるいは本当に経験したかどうかは怪しいけれど原風景として刻まれていませんか?

    大人たちの話を訳も分からないままにぼんやりと聞いていた記憶。
    何を話しているのかはよく分からないのだけれど、なぜだか安心感だけはあって、ずっと聞き続けていられる、そんな風景。

    そういう感覚で僕はこの本を読んでいました。
    こんなおじいちゃんたちが娘の側にいてほしい。
    親戚付き合いするのは少し面倒臭そうな気がしないでもないですけれど(笑)

  • 人生の大先輩な二人であり、その一人はクリエイターとして雲の上にいる存在。そんな二人の対談が面白くないわけがない。最初から最後まで好奇心を刺激される内容だった。
    これから先の人生、こういう素敵な本を一冊、また一冊と本棚に並べていく喜びを味わいたいものです。

  • 同年代のこのお二方の対談集、実に興味深く読めました。
    共通しているのは現代の世の中や子育て環境への憂慮。何かが違う、何かが変だ、と感じる感性が失われつつあることへの警鐘。
    しかしけして深刻ではなく、むしろ淡々と飄々と語られている。

    読めば、感じるものの多い本だと思いました。

    それぞれによる後書きがなんとも良いです。

  • 2017.2.23 読了

  • 20170213読了
    2008年発行。虫好きな養老さんとアニメ作りの宮崎さん、3回にわたる対談を収めたもの。●表紙に続き巻頭20ページほどにわたって宮崎さんが理想とする街のイラストを掲載。生活が変わって街や家を変えるならこんな感じならのびのび暮らせそう、というイメージ。●P159 千と千尋、電車のシーンについて。暴れるカオナシをハクと千が鎮めて大団円だったら、たしかにただのエンターテイメントになりそう。電車に乗るシーンがあってこその奥行き。

  • 本を読むとは、他人の視界を通して物事を観ることだ。
    昔から言われてることなのかもしれないけど、初めて自分の中で言語化できた気がする。

    地球の裏側に住んでる人の視界を通したり、存在しない空想の世界の住人の視界を通したりすることができるという意味でもあるし、同じ景色を観ていても、他人の視界を通したら違うものに観える、という意味でもある。

    「虫眼とアニ眼」というタイトルはまさにそれ。
    二人とも面白い視界を持ってるなと思いました。

  • どうにも賛成はできないんですね。少なくとも宮崎監督が自覚している通り、人間は移り変わるものだし、世界だって移り変わっていくもので、私には、これはある種の不適応なのではないか、と思えてしまったといいますか。

    自然の中で人々は生きているし、同時に、人の営みの中でも人は生きていて、自然といったって宮崎監督ご自身がおっしゃるとおり、完全な自然の中にいて平気な人間などいない。人間のいう自然というのはせいぜいその程度の自然でしかないことはよく解っておられる方々だと思います。そんな中にあって、スペインですらシエスタの習慣を失いつつある中、日本だけこの方向に舵を切れるわけもないし、仮に舵を切ったところで、それはそれで別の懐古趣味が蔓延ってくると思うのですよね。あらゆるハイテク技術に囲まれた社会へのノスタルジーが生まれてくるのではないか。

    SF作品もハイテク社会に警鐘を鳴らしますし、一方の宮崎アニメもそういうところがあるわけですが、そういう社会への恐怖を「過去へ戻れ、田舎へ帰れ」という方向で打ち消そうとするのは何にもならないのではないか、と思えてしまうのです。もう帰れない場所へ帰れといったって帰れないし、それを再現しようとしたって、まったく同じものは再現できないし、やっぱり共存を前提にしていくしかできないし、何のために共存していくのかと言われて、たとえば人間性の回復だのなんだの言われて、それに素直に頷けるだろうか、と思えてしまうのです。人間性は環境によって与えられるものだったか、と思いますし、言葉にできないけれども確かにそういうものがある、というのは、私にはどうしても逃げに思える。言葉にできないのは語彙力だの文章力だのの問題であって、その壁によって言葉にできていないだけで、何かの観測技法を使えば観測できてしまうかもしれない。観測できて初めて、実は同じだと思われていたAさんの考える人間性とBさんの考える人間性とは異なっていることが判明して、人間性の定義を再考する必要がでてきたぞ、となるのかもしれないし、私にはそれが間違っているとは思えない。神秘的なものを残しておきたい、情緒を残しておきたい気持ちはわかる、けれども、そういう気持ちの有無とは別に、明らかにしうるものもあって、そこに夢を見る見ないは各人の自由だろう、と私は思ってしまうのですね。ご両人から見ればつまらない人間でしょうが、私はやっぱり、ノスタルジーはノスタルジーでしかないと思ってしまう。適応の問題だと思ってしまう。懐古しつつ共存するしかないじゃない、などというのは、最適解ではない気がするのですよね。

    あとね、これは余談ですが、宮崎監督の表紙や幼稚園の構想図なんかは宮崎テイスト全開で、まあこの監督ならさもありなん、と思いながら眺めるのですが、文庫の裏表紙に書かれた本の中身の要約が荒っぽい。「前向きで感動的な言葉の数々は、時代に流されがちな私たちの胸に真摯に響く」て。誰ですかこれ書いた人は。まとめるのに困ってとりあえず万能ワードを万能雰囲気の中にぶちこんでおきました系の要約じゃないですか! もっと! 読み応えのある要約を! 読みたかった!

  • 16/5/2読了

  • 2015.2.21 読了

  • 151103
    扉の絵を読んでいるだけでも楽しい。こんな理想があったら良いなと思う。「脳化社会」に対する警鐘、ということに集約されるんだろうなと思う。
    本の説明文は違う感じがする。そんなに前向きなこと書いていない。

  • フィジカルな感覚を持つ二人の対話。

    ・細部の観察
    ・人間関係以外への関心
    ・世界の余裕

  • 小さい頃当たり前のようにしていた遊びは宝物だったのだと、そんな環境にいたことに感謝。
    宮崎さんの映画のコンセプト「子供たちにこの世は生きるに値すると伝えること」(だったかな)を思いながら読むと途中でぽろぽろ涙が止まらないです。

    宮崎監督作品ではないですが「かぐや姫の物語」を見た後に読み返したらまたぐっときました。

  • 最初の10ページが、ひたすら面白くて。
    あとは読まなくても良い。

  • 対談もおもしろかったが、何よりカラーイラストの監督理想の保育園のデザインが素敵だった。
    日本の町づくりに関して、目指すべきモデルがないまま少欲とコストばかりをめぐって堂々めぐりをしている…との指摘はごもっともだと思う。

  • 二人の力の抜け加減がすごくいい。

    ずっと思っていたことを代弁してもらった感じ。
    子どもの育ちに手や口を出しすぎないで、
    あれこれ先回りせず、
    子どもの持っている力を信じて待つ。

    そうそう。
    この、
    待つ、っていうのができなくなっているのね~現代人。

    多分、私も含めて
    携帯が普及してから
    「あれこれ思いをめぐらせながら、待つ」ということが
    出来なくなっている。

    深く共感しました。

  • まちづくりのプランニングの仕事をしています。頭が固くなった時はこの本をめくって発想をやわらかくしています。

  • 二人のコンビが気になって。

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著者プロフィール

解剖学者。1937年、神奈川県生まれ。著書に『バカの壁』『遺言。』(ともに新潮社)など。

「2018年 『「農業を株式会社化する」という無理 これからの農業論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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