愛なんて嘘 (新潮文庫)

  • 新潮社 (2017年8月29日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784101340746

作品紹介・あらすじ

恋人の家に転がり込んできたのは、とっくの昔に離婚したはずの彼の元妻だった。ひとつの場所にとどまることのできない女の存在が二人の関係を変える(「夜を想う人」)。一度は別れを選び、それぞれが新しい伴侶を見つけ、子供も授かった元夫婦の約束とは(「二人のプール」)。裏切りに満ちたこの世界で、信じられるのは私だけ? 平穏で幸福な愛の“ ”に気づいてしま った男女を繊細な筆致で描く六篇。

感想・レビュー・書評

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  • 愛の嘘 と言うタイトルと好きな作家さんの作品だったので読んだ。短編はあまり好まないけれど。6組の男女間のお話はどれも面白く、冷めた見方で、あるなあと思った。

  • 6個におよぶ短編小説集。読みやすいが内容理解にはかなり苦しむ。

  • 5年ほど前買って1話だけ読んで離脱してしまって、
    ただせっかく買ったんだしと思って今更ながら
    読んでみましたが………やはり読み切るのが難しい。
    どこに共感すればいいか、納得すればいいか、
    読み切ってどういう気持ちになればいいのか、
    分からなかった。
    悪いとは言わないけど違う星の人間の話なんだなという
    感想しか持てませんでした。

  • あー自分以外をクズだと思うって厨二乙だけどそうでしか心の置き場がないんだよー。ただ、恋人にはその黒さをまざまざと見せつけるっていう。つかれる。

  • 夜を想う人
    孤独の先の先とはどんな場所なんだろうか…
    一見して分かるようなおかしな所はない。けれど本当は誰にも理解できない寂しさが自分自身を覆っていることを明確に感じ取っている。それは自分だけにしか分からない不治の病みたいなもの。ずっとずっと共生してきた分身…自分はとっくに壊れていることを知っているのに、別れのその時がくるまで自分を騙して生きてきた。でもね、最期は一人でいく…
    二人のプール
    出逢ったその瞬間に全ての運命を理解してしまうような話。白石先生のデビュー作「一瞬の光」に通じるような出逢った刹那、お互いの小指を結ぶ赤い糸が見えてしまったような運命の人。そんな人本当にいるのか?実は僕はいると思っている…と言うか僕にもいる。
    でも作中の二人のように自分と相手の他は何故か誰も愛せないし興味もない…そんな風に何かが壊れている訳ではないですよ(笑)
    五年の結婚生活を経て離婚、そして十数年間に及ぶ何不自由ない別の家族との暮らし…家族にも環境にも恵まれていて、本当はそのまま一生を過ごしても良かった筈なのにね。
    興味がない…満足出来ない…愛せない…
    この人だけが全てを与えてくれる…不思議な話だけど、羨ましいと感じる。そんなにも大事に思える相手がいて、そんなにも愛せる人に出逢っている事が羨ましい…
    川底の二人
    日常に支障を来すような特異な性格ではないが、何事からも一歩引いて生きている。夢中になれるようなモノが見つからないと言うか興味が無い…そんな彼女が唯一見つけた居場所は、他者に心を許し切ることのできない自分に似た男だった。唐突に捨てられてから幾数年、普通の人のように生きて暮らしてきた。一見幸せなゴール間近まで辿り着いたが心の奥底に蟠り渦を巻く醒めた思い…
    邂逅…再び出会った二人。強い感情を交わすわけではない、二人とも深い深い川の底。光も無いそこで揺ら揺らとたゆたうようにそっと生きていける。この物語は、この人じゃなきゃならない運命の人…それが白石文学…
    私のリッチ
    白石先生の作品では異色の短編かも…まぁここでも男女の切れそうできれない因縁みたいな話だから短くても白石先生らしいテイストは存分に発揮しているんだけど、ショートショートだからなんか軽さがある。新鮮な印象を受けた。
    傷痕
    突然の申し入れ…青天の霹靂と言っていいと思う。今この瞬間、平凡でまだ何も持っていない私の目の前に魔法使いが現れて、新しい世界への扉を開いてくれたら、貴方はどうしますか?このプロットは先生の他の作品にも見られますね。何の接点もなかった相手から「今から貴方をお姫様にしてあげる」みたいな誘惑の言葉を嘘偽りない真摯な姿勢で面と向かって提示されたら自分はどうするだろうな?そこに運命的な何かを感じるだろうか?僕は男だから、そんな嘘のようなホントの話を女性がどう感じ、どう考えるのかまるでわからない。ただ運命に身を任せる…それが魅惑的である事は分かる。でも作中の男性はこれまでの人生で幸せを感じた事がなかったのかも知れない。死に体のまま流れに身を任せてきたのかも知れない。それでもまだ生まれ変われると信じて行動に出た。生への執着が残っている事は救いがあって良かった。不安だが彼らの前途を応援したい気になった。
    星と泥棒
    お互い一目で運命の人だと分かったはずなのに添い遂げることの叶わぬ立ち位置、胸の内を隠したまま過ごして来て、やがてお互い誰かと結婚し子を成している。ある日突然に彼の親友であり、彼女の夫である男が急逝…そこから引き寄せあうように接近した二人。そんな二人の間に肉体関係はなく、あくまでも運命の人であるから収まるべき形に収まったような流れ…もしかして彼を追いやってしまったのではないかと二人には蟠る気持ちもあるが、これからの未来を想う心の方が強い。

    大事な誰かと離れてしまった事で自分の気持ちに気付いたり、そして再び出会う事で再認識したり、その相手との相性とか、ノリや間とかがしっくりくるような、ピタリと隙間なく合致するような、そんな存在がもたらす安心や平穏こそが生まれてからずっと探していた運命の人…見つけることも大変だけれど、そんな人と寄り添って生きて行ける環境を手に入れることはもっと大変…後先を考えるよりも二人が一緒にいる事こそが重要なんだろうって思う。白石先生の本はいつも、どの作品もそんなことを考えさせる。だから好きなんだろうと想う。








  • みんな闇かかえてる

    しれっといなくなる感じ怖い

  • 大人の恋愛小説

    男の人の方がロマンチストなんだろうか?
    お金や名誉や家柄よりも愛を選ぶ女
    何年も愛し続ける女
    現実では、そんな何年も会ってない男を思い続ける女は居ない
    でも、男は居たりする 現に私の周りでは居る

    そう、こういうのは憧れる
    濃くて深い愛
    この本はそんな話が六篇

    しみじみと考えさせられる

  • 登場人物たちの、目を背けられなかった根っこのところにある感情。わたしはきっと多くの人に同じものがあると思っている。

  •  みんな腹が立つくらい自由だと思った。腹が立つのは、その自由さに振り回されたから。


  • たしかにぜんぶ愛なんだけど
    私にはわからない
    というか、わかりたくない
    切り捨てられる側を想うと

  • しとしと、せつない短編集。
    たしかにそこにあるのは、愛だ。

    孤独を選んでも、誰かを傷つけても。


    それぞれの物語の終わり方が、じんわり沁み入る。笑顔いっぱいのハッピーエンドではなくて、失うものや傷つけるものも多いはずなのに、それでも進んでいく。

    でも私は俗っぽいので、とつぜん別れを告げられて孤独になってしまう方の心境にどうしても寄ってしまう…
    現実世界で、そんなに簡単に人の理想を優先させられないよなあ

  • 2020.3.9読了

    【夜を想う人】

    【二人のプール】

    【河底の人】
    ・「オサムさんも果穂も、誰かを熱烈に好きになったりすると、結構落ち込んじゃうタイプのような気がするんだよね。自分の相手への愛情をいまいち信じ切れないっていうか、どっかですごい醒めてる感じあるからね。そういう人間はさ、自分と似てる人と一緒にいるしかないんだよ」

    ・戻っちゃダメだとリッキーは言ったが、そういうことではない気がする。自分とオサムさんとは、戻るとか戻らないとか、双方のあいだの距離によって測られる関係ではないのではないか?

    ・この世界は何もかも全部、嘘で成り立っている。
    私たちは、自分や他人がついた嘘の中で生きていかなくてはならない。

    【わたしのリッチ】

    【傷痕】
    ・ただ、僕は、二人のことを誰も知らない街で、きみと一緒に暮らして、死んでいきたい。もう他に望むものは何もないんです。
    もしもきみが来てくれないときは、あきらめます。
    そのときは僕一人で東京を出て行く。
    とにかく、来年の今日、きみを羽田で待っています。

    【星と泥棒】

  • 確かに愛のカタチはいろいろ。そういう選択をする人もいるだろう、とは思うけど、「そう選ぶのか?」という話を並べられると、こんなタイトルを思いつくのかも。

  • 最初の短編が良かった。
    あらゆるものには、みんなが知っている『昼の時間』と誰にも見られない『夜の時間』がある。人も同じで我々はその人の片面しか見ることが出来ない。

  • 最初の短編、油断してたら涙出た

  • 白石ワールドが大好きな私にとっては、短編はちょっと物足りない気がした。
    解説にもあったが、「舵を切ったその先は描かれない」ため、一遍ごとに主人公たちの新たな道のりを大いに想像することを繰り返した、が、私は白石ワールドならどうなるのかが知りたかった。

    娘時代も、結婚後も、本当に自分は平凡で変化のない人生を送っているなと実感しつつ、だからと言って果たしてこの登場人物たちのような転身がしたいかと聞かれたら…?
    それでも、一つ一つ過去を振り返ると、本音を隠してきたこともあるし、余計なことを聞かないでやり過ごしたこともあったから、あの時…?と考えればもしかすると私にもドラマティックな人生があったのかもしれない。
    そんなことも考えた作品だった。
    知らない世界を知るのはとても興味深い。

  • 不思議なくらいあっさりした一歩、あっさりした別れ。ここにいる意味なんて、自分が勝手に思いこんでいるだけで。
    #白石一文 #愛なんて嘘

  • 今年15冊目。

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著者プロフィール

白石 一文(しらいし・かずふみ):1958年、福岡県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。文藝春秋勤務を経て、2000年『一瞬の光』でデビュー。09年『この胸に深々と突き刺さる矢を抜け』で第22回山本周五郎賞、10年『ほかならぬ人へ』で第一四二回直木賞を受賞。著書に『不自由な心』『すぐそばの彼方』『僕のなかの壊れていない部分』『草にすわる』『どれくらいの愛情』『この世の全部を敵に回して』『翼』『火口のふたり』『記憶の渚にて』『光のない海』『一億円のさようなら』『プラスチックの祈り』『ファウンテンブルーの魔人たち』『我が産声を聞きに』『道』『松雪先生は空を飛んだ』『投身』『かさなりあう人へ』『Timer 世界の秘密と光の見つけ方』等多数。

「2024年 『代替伴侶』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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