砂のクロニクル〈下〉 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 235
レビュー : 21
  • Amazon.co.jp ・本 (515ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101343129

感想・レビュー・書評

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  • ★1992年度山本周五郎賞

    配置場所:2F文庫書架
    請求記号:913.6||F 89||2
    資料ID:C0017818

  • 再読にもかかわらず、夢中になって一気読み。勝者なき結末に無常感。

  • 船戸与一の一押し。単行本持っているのに文庫本も買ってしまった。

  • もうやめてくれ、忙しいのに!やることたくさんあるのに、通りすがりに買っただけなのに、どっぷりハマってしまいました。
    日本人、ロシア人、イラン人武器商人、クルドゲリラ、革命防衛隊、フェダイン・ハルク、全編では別々の舞台にいた人物たちの物語が、1989年正月休み明け、マハバードにへと集約していく。
    心情的には、クルドゲリラの束の間でもいいから、マハバード占拠が成功することを願いながら読み進めていくも、やはり空しく撤退する。巻末の年表が淡々とその後の史実を物語るところが、なんとも空しい。
    サミルの亡骸を抱きかかえ嗚咽する「ハジ」のくだり、ここに、宿命的にそれぞれの集団の中に生きることを強いられてきた個人が浮き彫りにされ、物語が完結する。
    本当に忙しいのに、満州国義演シリーズが読みたくなった。

  • クルド人という言葉を、イラク問題あたりで、なんとなく聞いていたけども、実際にどういったことが起きているのか、はっきりいって知らなかったわけで。クルド人に限らず国の中に複数の民族が暮らすという事の難しさは想像以上なんだろう。移民の受け入れも然りといったところだろうか。

  • 船戸与一氏の骨太サスペンス作品『砂のクロニクル』を読み終えた。権力を持った政権や統治者が紡いでいく正史とは別に、存在はするのだが表立って記録されていかない外史ともいうべきマイナーな人たちの行動や思いががあることあったことを忘れるな、そういわれた気がした。
    この作品はイラン、イラクに住んでいていつの時代も主流となりえず苦難の道を歩んでいるクルド人達の戦いの日々が描かれるとともに、そこに武器を供給すべく暗躍するハジといわれる日本人、また中東の地において革命を信じその身を投じてかの地にとどまる事となったもう一人ハジといわれる日本人などなど他にもいるのだがサイドストーリーの主役達の熱い話が絡み合っていて、本当に読み応えのあるサスペンスとなっている。いやー、面白かった。

  • 冒険小説というジャンルで初めて感動を覚えた作品。それぞれの登場人物の、善悪を超えた生きるための信義・信念に心を揺さぶられた。

  • 後半はあまり進まない展開と細かすぎる描写に、少々読みづらかった。二人の日本人があまり物語の中で効果的な役割をはたしておらず、日本人である必要性はなかったような気もする。終盤は登場人物がどんどん死んでいく。その陰にちらつく利権に群がる人間たちや武器商人。最近のシリアの内戦を見ていても、国家が本気でつぶしにかかるととんでもない死者が出てしまう。独立や革命を掲げて力を使うと、より大きな力でつぶされる。その繰り返しに意味があるのかとも思うが、その陰に莫大な利ざやを得ている人間が必ずいるということだけは間違いないのである。

  • …終盤の展開に入ってきて、やっぱり主要な登場人物達に死亡フラグが立ちまくっているw

    読了。歴史に名を残すことのない、しかしたくさんの人間の意志や情念や愚かしさがつまった一つの戦い。個人個人の強い意志が、世界の流れによってあっけなく翻弄されていく。何かが解決するわけでもなく、ただただ、生きていき死んでいった人々が描かれるのみである。

    世界史的な観点で、第二次大戦以降の「民族自決」のお話としても、また「イスラム革命」という他に類をみないイランの政治体制の実情が描かれたお話としても面白い。けれど、ここで描かれるのはあくまで、そこで生きている人間である。誰が良くて、悪いかではない。

    そしてふと我に返ってみると、今現在の日本に生きているということが、ふと不思議なことにも思えてくる。今ある常識なんて、今この場所でしか通用しないんだろうということも。少し不思議な気分である。

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