風の払暁 満州国演義一 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (551ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101343204

作品紹介・あらすじ

霊南坂の名家に生を受けた敷島四兄弟は、異なる道を歩んだ。奉天総領事館に勤務する外交官、太郎。満蒙で馬賊を率いる、次郎。関東軍の策謀に関わる憲兵将校、三郎。左翼思想に共鳴する早大生、四郎。昭和三年六月、奉天軍閥の張作霖が謀殺された。そして時代の激流は彼ら四人を呑みこんでゆく。「王道楽土」満州国を主舞台に、日本と戦争を描き切る、著者畢生の大河オデッセイ

感想・レビュー・書評

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  • 膨大な資料をよくぞここまで調べ上げたと感服しています。
    歴史の本筋を見通す力がすごい、戦後最大の歴史小説だと思います。

  • 購入済み

  • 全九巻読了。ブックカバーにおさまらない分厚さのときもありました。

    慣れない描写も多く坂の上の雲読んだときより疲れたなぁ。
    四兄弟とその関わる人々を通して、国や人々の立場の違い、思想の違いがわかりやすくなっていた。
    だけどそれでもやっぱり複雑だった、、。この時代をこの方向から描いた作品のなんと少ないこと。

  • 人が、ではなく、時代が闇につつまれていたからだと思う。
    自分がこの日中戦争期に生きていたら、どんな人生を選んでいただろうと
    思ってしまう。
    半藤一利『昭和史』佐野眞一『甘粕正彦 乱心の曠野』が好きな人にはおすすめ。

    船戸与一がその余命を燃やし書き尽くした、渾身の遺作。全9巻。

  • 船戸与一って読んだことないし、全9巻だし、1巻目にしたってかなりの厚さだしと、何となく読み始められずにいたのに、読み始めてみたら面白くてあっという間に1巻目を読み終えた。
    一郎、次郎、三郎、四郎という手抜きで名付けた……のではなく名前にヘタに意味をもたせたくないという自由主義者でそこそこ高名な建築家の家に生まれた四兄弟の昭和3~4年頃の日々が描かれる。一郎は外交官、次郎は馬賊、三郎は軍人、四郎は早大生というバラエティ豊かで2巻目以降も面白そう。四郎が若さゆえかスキだらけで危なっかしく先が楽しみ。

  • 著者:船戸与一(1944-2015、下関市、小説家)

  • 一巻は単行本でも読んだのだが、本作が船戸さんの遺作になってしまったこともあり、もったいなくて途中で読みとどまっていた。よし、読むぞと意気込んで再読。場の情景がありありと浮かび、4兄弟それぞれがその時代の政治に巻き込まれていく序章の一巻。まだ何冊も続きがあるから、まだみんな動いてくれるはず。いろいろな視点で時代の狭間を覗く、しかもその視点は兄弟なので互いに異なる立場でありながらも、気にかけているのがいい。兄弟なので、がないと異なる他者の存在を自分に置き換えづらいのかもしれない。つまり船戸氏の戦略が成功している。完結しているんだということが嬉しくもあり悲しくもあるけれど、自分の中でもようやく完結に向けて動き出した。

  • 船戸与一の作品を読むのは初めてである。
    この大河小説は、全9巻になるようだ。
    しばらくの付き合いになりそう。

  • 4兄弟の4つの視点から描かれる昭和初期。闇に沈んで分かりにくい時代が立体的に浮かび上がる。平成の未来の頁をめくっていくような高揚感もあって、次巻が早く読みたくなる。

  • 1928年~1945年の17年間の満州の歴史。登場人物4兄弟の視点で語られる。満州事変から第二次世界大戦終結までの流のなかで、南京事件、張鼓峰事件、ノモンハン事件、葛根廟事件、通化事件と有名な事件が次々と起こり、4兄弟それぞれの立場で事件と向き合う様子が描かれる。満州の歴史を詳しく知らなかったので、勉強になった。何が正しくてなにが正しくないのかなんてだれにもわからないと感じた。

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