群狼の舞 満州国演義三 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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感想 : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (597ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101343228

作品紹介・あらすじ

昭和七年三月、満州国建国。面積約百三十万km、人口約三千万、新京を国都とし、最後の皇帝溥儀を執政に迎えた。国の建設に胸を躍らせる太郎。金銭で請け負った荒仕事をこなす次郎。「憲兵隊の誇り」と称えられ、妻をも得た三郎。さらなる殺人を犯し、彷徨する四郎。日本人は新天地にどのような夢を託したのか。産声を上げたばかりの新国家の実相、そして熱河侵攻を描く、第三巻。

感想・レビュー・書評

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  • 1928年~1945年の17年間の満州の歴史。登場人物4兄弟の視点で語られる。満州事変から第二次世界大戦終結までの流のなかで、南京事件、張鼓峰事件、ノモンハン事件、葛根廟事件、通化事件と有名な事件が次々と起こり、4兄弟それぞれの立場で事件と向き合う様子が描かれる。満州の歴史を詳しく知らなかったので、勉強になった。何が正しくてなにが正しくないのかなんてだれにもわからないと感じた。

  • 北の残光
    黄色い宴のあと
    炎立ちつづき
    氷点下の町
    凍える銃弾

    著者:船戸与一(1944-2015、下関市、小説家)
    解説:北方謙三(1947-、唐津市、小説家)

  • 新天地、新国家…いまから見れば歴史の闇がうねりをあげるなか、当時の人には果たしてどんな夢だったんだろう。

  • シリーズ第3作目。

    タイトル通り“狼”達が、大陸各地で本格的に獲物を漁り始めた・・・といった様相か?



    ・・・肩で風を切って街を練り歩き、わざと相手にぶつかっておきながら「痛ぇじゃねえか、この野郎っ!」と因縁つけて喧嘩に持ち込む……、

    まるで昭和の漫画・ドラマ・映画で描かれるヤクザやチンピラ、不良少年たちのような、関東軍の所業の数々…、気が滅入ってきそう(苦笑)。こんなもんがまかり通ってしまうあたり、やはり狂気の時代だったのだろう。

    謎の工作員、間垣徳蔵の背景がチラりと見えかけたのが、史実と創作のハーモニーによって織り成されるこの物語の、フィクションパートの重要ポイントか?


    ★4つ、8ポイント半。
    2017.01.22.古。

  • 不況を脱しきれない日本が騒がしくなる。その目を外に向けようと満州国建設に走る軍部と政府。
    しかし先立つものはなく、国民の夢と実相がかけ離れる。

    敷島四兄弟が満州の各地で、それぞれの立場で満州に関わり、その中で満州に住む各民族の感情も明らかになってゆく。

    いろいろな立場の人が混じり合い、せめぎ合う。混乱の満州。これから話はどう展開していくのだろう?

  • シリーズ3作目。二・二六事件が起き満州国ができて関東軍の無手勝流が高まり、どんどん戻れない破滅に向かっていく感じがぷんぷん。しかも日本という国・国民自ら望んでそっちの方向へ向かっていく感じ。戦いの場面も多くなりいまいち興味がもてず流し読み。戦いや軍関係じゃない場面のほうが面白く読める。敷島四兄弟の継母で四郎と危険な仲になっていた真沙子の衝撃の死に方。
    四兄弟のなかで唯一安定かつ堅実で誠実に生きていた感じの敷島太郎も満州国ができた頃を境に、国を興す男の夢らしきものにとらわれだし、その代償であるかのように本巻末で明日の満州への希望を込めて隣人に名づけられた長男・明満が夭折した。

  • 2016年3月13日読了。

  •  満州国演技3巻目にして、船戸節ついにさく裂。
    満州国建国と敷島4兄弟の運命が複雑にからむ
    おもしろい、4巻目が楽しみ

  • 船戸与一の遺作にして、最高傑作の第三巻。第三巻に入り、血の匂いと動乱の風が強くなって来た。これぞ、船戸与一の冒険小説なのだ。

    昭和七年の満州国建国を契機に日本国の内外に大きなうねりが生まれ、時代の波と運命に翻弄される敷島四兄弟。四人の兄弟はその信義も、職業も、身分も異なるのだが、間宮徳蔵という謎の人物に操られるかのように満州国に深く関わっていく。ここにこの壮大な物語の面白さがある。

    外交官の太郎は満州国建国に男の浪漫を抱きながらも少しずつ道を踏み外していく。馬賊の頭目だった次郎は仲間を失い、たった独りになりながらも己れの信念を貫く道を歩む。憲兵中尉の三郎は妻を迎えてもなお信念と正義を失わず、日本国のために満州国の未来に関わる。そして、四郎はさらなる罪を犯し、大陸を流浪する。

    北方謙三の解説も非常に良い。船戸与一の想い出ながら、本作誕生の経緯を紹介し、自らの決意を述べた男らしい解説になっている。

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