灰塵の暦 満州国演義五 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (669ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101343242

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  • 戦慄の南京事件。
    日本軍の鬼畜ぶりに驚愕と嫌悪。
    御大層な大義名分と実際にやっていることとの解離が凄まじ過ぎる。

    日本史知識は中学校教科書と小学校教科書との中間くらいしか無い身としては、目を背けたくなる描写のオンパレード。

    裏の世界から足を洗おうとしてる次兄の前に再び間垣徳蔵が現れ、さらにあちこちから「もう一度仕事をしないか」との声がかけられる・・彼の行く末が気になる一冊。

    ★4つ、8ポイント。
    2017.12.12.新。
    ※日本史知識は無いわりにここ数年の歴史小説プチマイブームによってその都度wikiってきたところによると、世間では(?)「京事件は無かったとする派」が一定数以上いるとのこと・・・

    ・・・南京事件を描いた小説家がネットで炎上したり、漫画の南京事件描写編が単行本から削除され、かつ連載中断に追い込まれたりした事例があるのだとか・・・

    そんな中でのこの描写とは・・・。
    船戸さん、強気だな。

    どちらの説が正しいかは知るよしも無いが・・・

    今までに見たいくつかのフィクション作品中の描写や、ルポ、無かった派の記事等からの現時点での感想は・・

    南京大虐殺30万人、とかはさすがにかの国の誇大主張かもしれないが、数の違いはともかく虐殺自体はあったのかも・・

    そして、程度の違いは大小あれども、指揮官の統率から外れた場での虐殺事件は、日中間だけでなく世のあらゆる“戦争”“紛争”“事変”と呼ばれる事象の中ではたくさん行われてきたのだろう、と。

  • 1928年~1945年の17年間の満州の歴史。登場人物4兄弟の視点で語られる。満州事変から第二次世界大戦終結までの流のなかで、南京事件、張鼓峰事件、ノモンハン事件、葛根廟事件、通化事件と有名な事件が次々と起こり、4兄弟それぞれの立場で事件と向き合う様子が描かれる。満州の歴史を詳しく知らなかったので、勉強になった。何が正しくてなにが正しくないのかなんてだれにもわからないと感じた。

  • 関東軍の暴走により、戦火は、上海、南京に広がる。
    歴史を目撃する役目を負った敷島四兄弟は、それぞれに転機を迎えつつある。
    四兄弟の目は、これから満州の歴史に何を見るのだろう?満州を見つめる目がどの様に変わっていくのだろう?

  • 満州国演義ももう五巻まで来ました。
    船戸与一のハードボイルドを読みながら歴史の勉強もできる、なんとも贅沢なシリーズです(笑)
    ついつい没頭して読み進めてしまいたくなるところを、じっくりゆっくり楽しんでます。
    満州国建国からわずか5年、日中はついに全面戦争に突入していく。
    時代が動く時のスピード感に驚きを覚えると同時に、現在の日本の情勢にあらためて危機感を強くした。

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