人生、成り行き―談志一代記 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101343358

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  • 立川流顧問 吉川潮が聞き手になり、立川談志が少年時代から2007年現在までの人生を10回に分けて振り返る。
    各回には時代時代の家元の写真が。
    芸に開眼した40代頃の家元の高座での写真(P.137)には実に色気が漂います。
    ウィスキー片手にステテコの小さん師匠と二人で写る若き日の写真(P.23)は、親子のような兄弟のような関係が伺えるいい写真です。
    国会議員時代の母親とのツーショットや、新婚時代の愛妻とのツーショットでは笑顔で親孝行、妻孝行しています。
    その当時のエピソードや心境を、立川談志が気心知れた吉川潮相手に自然体で語りながら人生を振り返ります。

    志ん生に憧れた永遠の落語マニア。
    フラ(独特で滑稽味のある話し方)や佇まいで笑わせる芸人になりたくて。なれなくて。
    センスと理論で芸を究める男。落語気違い。
    落語を「業の肯定」と定め「イリュージョン」に昇華させた落語家 立川談志の物語。

  • NHKのドラマを見ました。小出恵介熱演!立川談志さんの口調やくせを勉強して落語を勉強して…乗り移ったかのようでした。相当努力したんだろうなぁ感動。ドラマ前編とおして立川談志さんを尊敬してるのが伝わる。

  • 『談志最後の落語論』等、他の著書にも触れている人には、重複する内容が多くて退屈に感じるかもしれないです。

    ですが、聞き手が吉川潮さんだけあって、映像で見る談志とは違った談志の一面が見られるインタビューでした。

    本人が酔っているせいですかね。弟子の志の輔をこんなにもほめる談志はなかなか見られないです。

  • 落語には詳しくないのだが、それでも立川談志という稀代の落語家がいたということは知っている。
    わからないからといって敬遠するタチではないのだが、この本だけは、落語界の事情に詳しくなっから読むべきだったと思った。

    それでもすいすい読めたというのは、インタビューの書き起こしとはいえ、談志の語り口のリズミカルさのたまものなのだろう。

  • 落語に見せられた松岡少年が、入門し、政治家となり、立川流家元となり、そして晩年まで・・・を語る話。
    なんとなく随所に触れられているけれど、一昔前の落語家とか、芸人って、それこそ「人の道を外している」と受け止められていたから、それこそ突き詰めていくしかなかったのでは。で、己に忠実に突き詰めていったのが、「立川談志」、と語れるほど落語も何もまだわかっていないが・・・・。
    こういうキャラクターの人って、師匠や弟子にどう接しているのだろうかと思っていると、(かつての)師匠には「下手くそ」といってのけるし、弟子立川志の輔はべた褒めだし、それもまた突き詰めた結果なのか・・・。
    これから勉強します。

  • 長野の光風舎です。
    私がこんな風に生きるとこうなるという見本のようなものです。

  • 談志の歴史を知れた、という感じがした。新幹線の中で読み終えた。自分の中で、どんどん落語の興味が、落語の興味というよりか落語に関わる人達への興味が、芽生えている。(12/5/6)

  • 何冊か読んだ後だと、話が金太郎アメだ。そりゃ、同じ人だもん、あたりまえか。
    自分は自分、自分が一番(いい意味でね)、みたいな発想を持ちたいな、と思う。人からも「あいつだからしかたねぇ」って言われたら、なんだかんだいって、本望だよね。さすが談志師匠。

  • 談志の対談。気心の知れている聞き手なので、素が出ているように感じられ、楽しく読めた。

    政治家時代のエピソードもあり、落語家協会を出たときの話もあり、奥さんとのなれ初めもあり、読みごたえのある一冊。

  • 落語、見てみたくなりました。

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著者プロフィール

落語家、落語立川流創設者。1936年、東京に生まれる。本名、松岡克由。16歳で五代目柳家小さんに入門、前座名「小よし」を経て、18歳で二つ目となり「小ゑん」。27歳で真打ちに昇進し、「五代目立川談志」を襲名する。1971年、参議院議員選挙に出馬し、全国区で当選、1977年まで国会議員をつとめる。1983年、真打ち制度などをめぐって落語協会と対立し、脱会。落語立川流を創設し、家元となる。2011年11月逝去(享年75)。

著書には『現代落語論』(三一新書)、『談志百選』『談志人生全集』全3巻、『立川談志遺言大全集』全14巻(以上、講談社)、『談志絶倒 昭和落語家伝』(大和書房)、『談志 最後の落語論』『談志 最後の根多帳』『立川談志自伝 狂気ありて』(以上、ちくま文庫)、『談志が遺した落語論』『江戸の風』(以上、dZERO)などがある。

「2021年 『談志の日記1953 17歳の青春』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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