罪の轍 (新潮文庫 お 72-3)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 249
感想 : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (848ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101344737

作品紹介・あらすじ

昭和三十八年十月、東京浅草で男児誘拐事件が発生。日本は震撼した。警視庁捜査一課の若手刑事、落合昌夫は、近隣に現れた北国訛りの青年が気になって仕方なかった。一刻も早い解決を目指す警察はやがて致命的な失態を演じる。憔悴する父母。公開された肉声。鉄道に残された“鍵”。凍りつくような孤独と逮捕にかける熱情が青い火花を散らす──。ミステリ史にその名を刻む、犯罪・捜査小説。

感想・レビュー・書評

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  • 奥田英朗『罪の轍』新潮文庫。

    以前から面白いと評判だったので文庫化を待ち望んでいた。

    昭和38年に起きた『吉展ちゃん誘拐事件』をモデルにした長編犯罪小説。

    しっかりした時代背景をベースに当時は変革途上であった警察組織が犯人に翻弄される姿が見事に描かれている。幾つかの事件が複雑に絡み合う800ページ超のボリュームも展開が非常に面白く、読み応えは充分だ。

    冒頭に描かれる北海道の礼文島で番屋に暮らす少し頭の弱い20歳の宇野寛治の物語。昆布漁で奴隷のようにこき使われていた宇野は空き巣を繰返すうちに同僚の策略に嵌まり、雇い主の番屋に放火して、家の金庫から金品を盗み、漁船で本島に渡る。

    昭和38年、1年後に東京オリンピック開催を控え、好景気に沸く日本。警視庁捜査一課の若手刑事である落合昌夫は元時計商の老人が殺害されて金品が盗まれた事件の捜査に加わる。

    事件現場の周辺で目撃された北国訛りの青年が気になった落合昌夫は北海道まで渡り、青年が宇野寛治であることを突き止めるが、宇野の行方は分からなかった。

    そんな中、東京の浅草で豆腐店の長男が誘拐され、身代金50万円を要求される事件が発生する。落合昌夫はこの誘拐事件の捜査にも加わり、身代金の受け渡し現場を監視するが、ふとした隙に犯人に身代金を持ち去られてしまう。

    この誘拐事件の背後にも宇野寛治の影がちらつくが、どのように関与していたのか。明らかになる宇野の過酷な生い立ちと事件の詳細。本当に宇野が犯人なのか。そして、事件の行方は……

    本体価格1,100円
    ★★★★★

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著者プロフィール

おくだ・ひでお
1959年岐阜県生まれ。プランナー、コピーライターなどを経て1997年『ウランバーナの森』でデビュー。2002年『邪魔』で大藪春彦賞受賞。2004年『空中ブランコ』で直木賞、2007年『家日和』で柴田錬三郎賞、2009年『オリンピックの身代金』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『最悪』、『イン・ザ・プール』、『マドンナ』、『ガール』、『サウスバウンド』、『無理』、『噂の女』、『我が家のヒミツ』、『ナオミとカナコ』、『向田理髪店』など。映像化作品も多数あり、コミカルな短篇から社会派長編までさまざまな作風で人気を博している。近著に『罪の轍』。

「2021年 『邪魔(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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