1000の小説とバックベアード (新潮文庫)

著者 : 佐藤友哉
  • 新潮社 (2009年12月24日発売)
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  • レビュー :99
  • Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101345529

作品紹介

二十七歳の誕生日に仕事をクビになるのは悲劇だ。僕は四年間勤めた片説家集団を離れ、途方に暮れていた。(片説は特定の依頼人を恢復させるための文章で小説とは異なる。)おまけに解雇された途端、読み書きの能力を失う始末だ。謎めく配川姉妹、地下に広がる異界、全身黒ずくめの男・バックベアード。古今東西の物語をめぐるアドヴェンチャーが、ここに始まる。三島由紀夫賞受賞作。

1000の小説とバックベアード (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 小説をめぐる小説、奇想天外な冒険小説。映画で言うと『ニュー・シネマ・パラダイス』。確かに現代において《純文学》を書くような人が読むとそこそこショックを受けるだろうし怒るかもしれないが僕はこれでいい。小説はもっともっと壊れていけばいい。どんな形にでもなればいい。そもそも僕がどう望むかにも寄らず、小説の形はきっと《そうなる形》になってゆく。なにせ『言葉は残る』のだ。

  •  小説を書くことが自分の趣味と感じたことがある人間のなかで、いったい死ぬまで小説を書き続ける人はどのくらいいるのだろう。

     暇を持て余していた大学時代、わたしは小説の新人賞に応募してみようかな、と思ったことがある。しかし、応募要項を読むのがめんどくさくて、あっさりやめた。当然応募作なんて一文字も書かなかったどころか、頭の中にさえ影も形もなかった。
     プロデビューできても、作家専業で一生食べていける人は多くないだろう。プロにならなかった、なれなかった人は、いくら書いたって何の見返りもない。
     他人に読んでもらう機会も、そうそうない。最近なら簡単にウェブで公開することもできるけど、それでもやっぱり無名の素人の作品を多くの人に読んでもらうのはとても難しい。読んでもらえたところで、その人に好意的な感想を抱いてもらえるとも限らない。
     しかも、世の中には小説があふれていて、まったく新しいものなんてたぶん存在しない。
     文学史に燦然と輝く名作はあまたある。人生は短く、そういう小説をすべて読むほどの時間は与えられていない。

     だが。しかし。
     たとえそうだとしても、小説を書くのを辞めなければならないというわけじゃないはずだ。
     だから、書けばいいとおもうよ。
     書きたくなくなるまで書けばいい。
     書きたくなくなったら、この小説を開いてみたらいい。

     そんな、作家を目指している人、小説を書いてみたい人におすすめな一作。私の、とても好きな作品のひとつ。

    (以前単行本で読了済。再読)

  • 初読:2006年11月7日(『新潮』2006年12月号)
    再読:2017年12月27日(文庫)

    『こどおこ』に続いてこちらも再読。なんとなく、今の色々つらい自分には丁度良い感じの読み応え。
    「文字だけで書かれたドタバタコミック」とは宮本輝の評だけれども、改めて読み返すと当たらずも遠からじという感じがする。
    ただ、やはり当時のいわゆる『ファウスト』勢が担っていた、ある種の若年層向け純文学というか、サブカルチャー的リタラチャーというのは、結局十分開拓されないまま終わってしまった感じがして、非常にもったいないなと思う(あの当時のテンションのまま活動を続けているのは舞城くらいだけど、やはりペースが落ちてしまった)。ユヤタンもすっかり寡作になってしまった…。最近新作出たけど。

  • 相性が悪いのか、佐藤友哉の小説を読んでも、ただただ出来が悪いとしか思えないのを忘れていた。

    文章は基本的に平易で読みやすいけど、所々危なっかしいし、同音異義語の反復を多用するレトリックの引き出しの少なさがダサい、とかは実はどうでも良く、単に迫力に欠ける。

    片説家という設定だけは面白かった。
    固有名詞に惹きつけられても期待が不意にされるような展開は、まあそれはそれでもいいんだけど、小説の循環、言葉は残る、という作品に込められた祈りにしてみたら、この作品自体の強度があまりに足りていない。

  • イッキ読み。
    おもしろかった。
    が、ややこしかった。

    非現実的な中に真理を放り込んで
    爆発させている印象。
    難しいことはわからないけど
    小説を愛している、ということでしょうか。

  • 最初は読みにくいと思ったものの、見た目にも音にもリズムのいい文体に、次第に慣れた
    読後はさっぱり
    小説とは何かを問うテーマ
    いらないモブがいないのが好感触

  •  小説を書くことに対する著者の決意表明のような小説である。小説を書くということを巡るファンタジーであり、設定こそ非日常的だけど、著者の日本文学に対する構えや心意気が勢いのある文章からびしびしと伝わってくるようだった。そのパワフルさに圧倒されながら読むのがとっても楽しい作品。

  • いまいち物語のなかの片説家が必要性がわからなかった。あと、バックベアードはタイトルに使いたかっただけじゃなかと・・・。

  • 「言葉は残ります」

    言葉通り残したい言葉の数々でした。

    感想をうまく言葉にできずくやしいな、、、。

  • シャレオツ感とコンプレックスと自虐の入り混じった,いつも通りヤマもなければオチもない話。

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