- Amazon.co.jp ・本 (446ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101345536
作品紹介・あらすじ
斎藤カユは見知らぬ場所で目醒めた。姥捨ての風習に従い、雪深い『お山』から極楽浄土へ旅立つつもりだったのだが。そこはデンデラ。『村』に棄てられた五十人以上の女により、三十年の歳月をかけて秘かに作りあげられた共同体だった。やがて老婆たちは、猛り狂った巨大な雌羆との対決を迫られる-。生と死が絡み合い、螺旋を描く。あなたが未だ見たことのないアナザーワールド。
感想・レビュー・書評
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クマもの好きとしては気になってた本ですが、なんとなく佐藤友哉さんの本て、とっつきにくそうで敬遠してました。
読んでみたらこれはとても読みやすかったです。
姥捨山に羆をプラスさせるなんてなかなか。
出てくるのはみんな老婆ばかりなのですが、私の脳内ではどうしても若い女性に変換されてました。
「羆嵐」を事前に読んでおいた方がおもしろさがより際立つと思います。 -
フルネームで呼び合うところが気になりはじめたらもうダメだ
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バトル・ロワイアルぽい…
いやーな話。
読み終わったあとも、読んでる間も、どんよりした気分になります。
生きるのも死ぬのも、辛くて怖いことが沢山、というやりきれなさが終始。 -
婆さん版「蝿の王」のような話が、少年探偵団シリーズにおける江戸川乱歩調の語りで進んでいく、そんな話だった。
間違っても「おばあちゃん」ではなく、「婆さん」もしくは「婆あ」と呼ぶのがふさわしいモノノケじみた女たちの物語は、たやすい感情移入を許さず、おぞましい感じもあり、決して読んでいて気持ちのいいものではない。
でも不思議と続きが気になって、読みはじめるとあっという間だった。他人にオススメするのは難しいが。。。 -
ふむ
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逃げるのか?留まるのか?諦めるのか?抗うのか?
そう、戦わなければ、明日はない。
五十人の老婆が、コミュニティを形成する現在の姥捨て山「デンデラ」
ある者は自分を捨てた村を恨み、ある者は生き永らえたことを喜び、ある者は穏やかな死を願う。様々な感情が渦巻く隠れ里は、一匹の巨大羆の襲来により、修羅場と化した。
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姥捨てと羆の来襲。題材としては面白そうだと思ったが、その設定が生かしきれなかった。文体がそぐわない。
また、老婆の名前がいちいち羅列されるのもどうかと思った。 -
姥捨て山に捨てられたはずの老婆達が生き残り、集まり、一つの共同体を作る。閉鎖された世界、派閥と微妙に異なる主義主張となかなか面白い世界観。唯月裕子「最後の証人」今回はトリック気づけた。ラストの持って行き方が良かった。そこでこの人出すのね!って感じで。