聞き上手は一日にしてならず (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.39
  • (7)
  • (16)
  • (26)
  • (6)
  • (1)
本棚登録 : 163
感想 : 22
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101345710

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  自らも『インタビュー術!』という著書をもつ人気ライターが、各分野の名だたる「聞き上手」に「話の聞き方」を語ってもらったインタビュー集。単行本『話を聞く技術!』の改題文庫化である。

     登場するのは、黒柳徹子、田原総一朗、ジョン・カビラ、糸井重里、吉田豪、故・河合隼雄、小松成美、石山修武、松永真理、匿名の元刑事の10人。

     インタビューの出来にバラツキがあるものの、全体としてはよい本。含蓄深い話がたくさんちりばめられている。
     とくに、黒柳徹子へのインタビューや、小松成美がノンフィクション作品の舞台裏を明かすくだりは、感動的ですらある。河合隼雄が語るカウンセリングの極意も示唆に富む内容で、メモしておきたい言葉がいっぱい。

     総じて、小手先のテクニックよりも人に話を聞く「心構え」にウエイトが置かれている。聞き上手になるには、小手先のテクニックをいくら覚えてもそれだけではダメで、根底の心構えにこそ肝があるのだろう。
     そして、その心構えを一語に集約するなら、「誠実さ」ということになる。陳腐な言い方に聞こえるかもしれないが、話し手に対して誠実であることこそ、いかなる技術にも勝る「聞き上手の極意」なのである。

     取材時の話の流れをそのまま残した一問一答式で書かれているので、この本自体がインタビューの進め方のお手本集にもなっている。

     人に話を聞く仕事(むろん、ライターにかぎらない)の人にオススメ。

  • 「たかがインタビュー…」とはもう言えない!
    事前準備に相当な時間をかけている点に驚いた!「徹子の部屋」が見たくなった!

  • 大多数の対談がつまらなかった。
    が、
    糸井重里の回。
    P102)「言うねえ!」と言い合えている時は会話としていちばん面白い。

    というのは、痛いところを突かれた!と感じている時は、素直な感情になれるからだと思う。
    この人の話は面白かった!

    最後の刑事の話も、容疑者が自供したり容疑を告白させるには信頼関係が大切というのも、納得。
    アリバイ崩しのための膨大な捜査と取り調べ。警官の仕事は多種多様なのだなぁ。

  • 文学

  • 永江朗さんと、著名人の方々の対談集。
    河合隼雄さんが、圧倒的におもしろい。さすがは、聴くことを生業としてきたひとです。
    ほとんどのひとに共通しているのは、「目の前の相手を好きになること」。たしかに、そのとおりやなぁと思う。
    でもそれ以外は、みんなばらばらのことをいっていて、いかにひとの話を聞いて、それを深めていくことがむずかしいか、そんなことを示してくれる本。

  • ほぼ日の対談を読んで、なぜ糸井さんはこんなにも対談上手で、相手から上手く話を聞き出せるのかずっとずっと解りたいと思っていた。そのヒントが分かるかも?と思って読んだのだが、ヒントらしきものは見つからず、逆に糸井さんのすごさをまた感じた。笑
    吉田豪さんのインタビューも面白かった。
    とても参考になった一冊。

  • 著者が10名の「聞き上手」と対談をしたものをまとめたもの。

    心理学大家の河合隼雄さんの対談もあります。
    「聞くことに始まり、聞くことにおわる」

  • 聞き上手が聞き上手に聞いた本・・・
    「聞き上手って、相手が話したいことを話させて気持ち良くさせる人」って思っている人が多いと思いますけど、全然違いますよ!
    「聞き上手とは、相手が話したいことを話させて、それをしっかり自分の成長に繋げられる人」です。
    そのためには、相手が話したいことの直前のレベルまでは知っておかなければなりません。話し好きで、なおかつ、他の人に価値ある情報を持っているような人は、まさに今考えているレベルのことを話したがるからです。
    基礎からレクチャーしてあげようなんて気持ちは、これっぽっちもありません。「聞き上手は一日にしてならず」それは、聞き上手になるためには、知識も知恵も、並はずれた広さと高さが求められるからです。

  • 黒柳徹子、田原総一朗、吉田豪や刑事などが語る「聞き上手」の方法

  • 2008年53冊目

全22件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1958年生まれ。ライター。書籍輸入販売会社のニューアート西武(アールヴィヴァン)を経て、フリーの編集者兼ライターに。90~93年、「宝島」「別冊宝島」編集部に在籍。その後はライター専業。「アサヒ芸能」「週刊朝日」「週刊エコノミスト」などで連載をもつ。ラジオ「ナルミッツ!!! 永江朗ニューブックワールド」(HBC)、「ラジオ深夜便 やっぱり本が好き」(NHK第一)に出演。
おもな著書に『インタビュー術!』(講談社現代新書)、『本を読むということ』(河出文庫)、『筑摩書房 それからの40年』(筑摩選書)、『「本が売れない」というけれど』(ポプラ新書)、『小さな出版社のつくり方』(猿江商会)など。

「2019年 『私は本屋が好きでした』 で使われていた紹介文から引用しています。」

永江朗の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×