黄金を抱いて翔べ (新潮文庫)

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レビュー : 395
  • Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101347110

感想・レビュー・書評

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  • 120403

  • エンタメだと思って読み進めたけど,やはり高村薫の雰囲気になるんだなぁと。もちろん面白かったのだけど。
    映画を観てみたくなる。妻夫木くんではかっこよすぎる気がするけど。

  • デビュー作から高村薫の彩りです

    昭和の世相を背景に屈折した人間関係と彼らが求める生

    何のために、何を求めて生きるのか

    お話の中心は金塊強奪そのものではなく、彼らの生き様です

    高度経済成長期から始まる格差社会や多様化する思想の中で生まれた人間たちの葛藤が描かれた濃厚な語り

    読了には時間がかかりました・・・・・・・

    眠気眼の通勤時に読む本ではないですねー

    じっくり腰を据えて読みたい物語であります

  • 冷血に続き高村薫2冊目。冷血とは違って熱いけど淡々とした感じは全体にある。面白かった〜映画みたい、と思ったら映画にもドラマにもなってたのか。登場人物が同年代でなんとも言えない気持ち。あと箱寿司と牛乳って食べ合わせ悪そう。

    大阪の土地勘がまったくないので思わずGoogleマップで色々調べてしまった。その分、少ししか出てこないけど長野や吉祥寺にワクワクした。ミエちゃんと国島の話はゾッとした。この人の、こういうゾッとさせるエピソードが、怖いんだけど好きだ。モモとか北川の弟の春樹とか、ジイちゃんとか、泥棒稼業とか、なんだかぼやっと伊坂幸太郎を思い出した。まったく色は違うけど何か彼女に影響受けてるのだろうか。

    この本で初めて飯場という言葉を知りました。他にもいくつかあったけど、飯場って一般人でも知ってる言葉なのか?意味の想像はつくが、小説家ってこういう言葉をどこで知るんだろう?いつか日常会話で飯場を使える日が来ないかと今から楽しみ。

  • なぜか物語に入り込めずに結末を迎えた。

  • これまで読んだ高村薫の作品は、「埃っぽくて、ある種の不快さを伴うような暑苦しさ」を感じさせるものが多かったけど、デビュー作の本書もそれを濃厚に感じさせる一冊だった。
    「マークすの山」や「照柿」と同じような暑苦しさを感じながら読んだ。

    銀行の地下に眠る金塊を奪う6人の男・・・。
    面白そうだなと思って手に取ったんだが、満足できなかった。
    まず、どうして紙幣じゃなくて金塊なのか?明らかに説明不足。そもそも6人の男たちの動機が書かれていない。単なる愉快犯でもなそうだし、この辺りがハッキリ描かれてないと自分的には物語に入り込めない。
    また、左翼団体やら公安やら出てくるけど、これも消化不良。目的もイマイチ明らかにされないし、「それでどうなった?」という疑問が最期まで解けず。
    冒頭の殺人事件や子供の頃の協会の放火事件など、本書に書かれる必然性が理解できない・・・。

    情景なんかの描写はホントに上手い(暑苦しさを感じるほど)だが、物語の核となる部分があやふやだから、最期まで楽しめなかった。

    B級のハリウッド映画じゃないんだから、6人もの男が集まって「銀行の金塊を獲ろうぜ!」、「OK!」みたいなノリで犯行を起こされても、読んでるこちらは「?」と言わざるを得ない。左翼や公安やら出てきても、最後に収束されてないのも不満。これなら出てこない方がマシ・・・。

    計画の準備段階なんか丁寧に描かれているのにもったいない。

    ☆3個

    読了後、本書の映画版を観たんだが、これ、あれだな。
    本を読んでなくて映画だけ観ても、それこそ意味不明じゃないのか?

    背表紙~
    大阪の街でしたたかに生きる6人の男たちが企んだ、大胆不敵な金塊強奪計画。ハイテクを駆使した鉄壁の防御システムは、果たして突破可能か?変電所が炎に包まれ、制御室は爆破され、世紀の奪取作戦の火蓋は切られた。
    日本推理サスペンス大賞受賞、圧倒的な迫力と正確無比ななディテイルで絶賛を浴びた、著者のデビュー作!

  • 途中まで、計画の描写が細かすぎてちょっと流し読み。実行のシーンがやっと始まって、そこははらはら読んでいたけど、あっという間に終わったなという印象。
    登場人物の人柄やその関係性は面白くはあったけど、こういう裏社会の話ってあまり気持ちが入り込めなくて苦手だな。
    色んな人がどんどん死んでいってしまって・・、そこまでしてなぜ実行するのか、北川含めそれぞれの理由や情熱はなんだったんだっけ?

  • 読む手が止まらなかったのを思い出す。
    ハラハラドキドキでエンターテインメント小説のお手本みたいな作品。

  • 舞台が大阪であったので地理的な部分がちょっと
    なじみずらかったですが
    金塊を盗み出すというテーマに躍動しました。

    ただ全体的にちょっとダークな感は否めませんが
    どうなっていくのだろう?と期待が膨らむ
    面白いお話です

  • 福沢諭吉だったら、やる気はない。金塊だから、やるのさ


    暴力と退廃の香りのする大阪の町を舞台に繰り広げられる男6人の強盗劇。狙うは金塊6t。鉄壁の守りを突破し、金塊6tを手にする事はできるのか!?

    か、かっこいい・・・

    高村薫のデビュー作にして、日本推理サスペンス大賞受賞作。これがデビュー作とは。

    くどいほどの情景描写が得意の高村薫作品、もちろんこのデビュー作も情景描写がタンマリと。このテの作品を読みなれていない人には辛かろう。

    それでも、1/3を過ぎるころになるとハイスピードで読み続ける事ができます。一度波に乗ってしまったらノンストップで読みきるしかない、手に汗握る作品です。

    男性側がどう思うかはわからないけど、女性が男性に夢見る全てのモノがここにあります。
    野望・欲望・暴力・仲間等。この点は作者が女性ならではなんだろうなぁと思いますが。
    同じ「男性への夢が込められている」作品で塩野七海がいるけれど、ちょっと赴きが違うかな。どちらかと言うと、高村薫のほうが欲望に近い、か。

    計画を実行に移すまでが長い長い。実行に至るまでの追いつ追われつの展開。この隙のない展開が情景描写と相まってリアリティを生み出す。ご都合主義はない、むしろ「強盗」に追い込まれていく主人公達。
    「福沢諭吉だったら、やる気はない。金塊だから、やるのさ」というセリフにあるように、目的にあるものは「達成感」。

    仲間も手に手を取るような青春時代の仲間ではなく、向くベクトルがそれぞれ異なるけれど、同じ目的の為に命を預けられる仲間。

    最後、荒涼とした世界の霧が晴れたとき、まるで音のない世界のような読後感が待っている・・・かもしれない(笑)

    オトコというものに憧れを抱いているアナタにおすすめですぞ。

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著者プロフィール

高村 薫(たかむら かおる)
1953年大阪市東住吉区生まれ、現在大阪府吹田市在住。国際基督教大学教養学部人文学科(フランス文学専攻)卒業。外資系商社の勤務を経て、作家活動に入る。
1990年『黄金を抱いて翔べ』で日本推理サスペンス大賞、1993年『マークスの山』で直木三十五賞、1998年『レディ・ジョーカー』で毎日出版文化賞、2016年刊行の『土の記』では大佛次郎賞、野間文芸賞、毎日芸術賞をそれぞれ受賞し、新たな代表作となった。
『レディ・ジョーカー』を境として、重厚な社会派ミステリーから純文学に転向。織田作之助賞選考委員を務める。

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