黄金を抱いて翔べ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.48
  • (259)
  • (406)
  • (637)
  • (137)
  • (39)
本棚登録 : 3657
感想 : 424
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101347110

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 1990年初版。著者の作品は「マークスの山」「レディ・ジョーカー」を読みました。登場人物たちを俯瞰で見て冷静にストーリーを展開させる感じを受けます。いろんな知識を綿密に調べて書いているなあと思わせます。公安やスパイなども絡んできます。もっと読み込めば矛盾する部分もあるかなあと思いますが、計画を実行するまでが細かく描写されています。

  • ちょっと古めの本
    高村さんのデビュー作です

    さすが、デビュー作から緻密な描写や、考証、作品の熱量は圧倒的です
    しかし、冷静に読めば荒唐無稽なお話
    学生運動の爪痕がかすかに残る、時代を感じる小説でしたが粗もあるように感じます

    50kg入れたバッグって・・・
    それを7階から落として無事だった?
    周到に計画を立てた割に、行き当たりばったりの上、逃走は警官の前を突っ切って捕まらなかった・・・?

    もっとも、作品の主題は強盗犯罪そのものにあるわけではありませんが

  • 友人のお勧めで読みました。髙村作品は「李歐」以来2作目。
    銀行から金塊強奪をたくらむ男達の、犯行に至るまでの綿密な計画と、各個人をめぐる人間模様を描いた作品。公安だの暴走族だの右翼だの北だの南だのが首を突っ込んできてややこしかった。さらに、立地が分かりづらく読むのに時間がかかりましたが、ラストの犯行シーンのスピード感は圧巻でした。また、犯行前の教会のシーンなど、静と動の対比もよかった。それにしても、爆弾や電気回線の知識がすごい。

  • 井筒監督で映画化された作品の原作。映画自体が良く出来ていて、面白かったので、これは原作も面白いに違いないと読み始めた。
    大阪の銀行の地下金庫に眠る金塊を盗み出すために集まった男たち。まるで“オーシャンズ11”の様な話だが、舞台が大阪だけあってスマートさよりは、蒸し暑い夏の泥臭さに溢れたクライムサスペンス。
    裏切りと罪に満ちた過去や身内を犠牲にしても後戻りできず金塊目指して突き進む男たち。
    確かに面白かった。しかし、前半の準備期間の方が面白くて、いざ盗みに入ると、展開が少しあっさり進んでしまった。
    映画の方が、原作ではあっさり終わった部分をちゃんと拾って描いていた。些細な事だが、そういう部分は大事だと思う。
    因みに映画はほぼ原作に忠実だ。原作付きの映画が面白い時は、大抵原作を改変して、少し違うものにしていて、まぁ映画ならそれもありかなって思わせる面白さのパターンが多い。原作への忠実度が増すと、忠実だけど面白くなかったり…。でも、これは原作にとても忠実でそれでいて面白さを損なわずに映画化していてびっくりした。

    • hs19501112さん
      原作も面白く、映画も面白い・・・・。
      そんな作品なのですね。原作は最近読んで割と気に入っていたので・・・・・、

      このレビューを読んで...
      原作も面白く、映画も面白い・・・・。
      そんな作品なのですね。原作は最近読んで割と気に入っていたので・・・・・、

      このレビューを読んで、映画も観たくなりました。DVD化されているなら、正月休みにでも借りてこようか・・・と。
      2012/12/25
  • 読んだはず。が、記憶なし。なんでかな?

  • 高村薫のデビュー作。
    昨今のような重苦しい感じはなくて、割とカラっとした筆致の犯罪小説。
    しかも「完全犯罪」が成ってめでたしめでたしという筋になっている。面白かったけど、あれっ? へぇーっ? という読後感。

  • 19
    難解でもあるが、ある意味中毒症状に近い感覚で読み進めてしまうのは著者の特徴か。
    テーマはありがちな金庫破りだが、登場人物はクセ多く、独特。
    とにかく一癖どころか10クセある本著だが一読の価値はある。

  • 面白かったと思う。

    映画化されたが、見ていない。
    見たいと思っていたが、まずは原作からと思って。

    程よいボリューム。
    場所が大阪だったので少しでも土地勘があればもっと面白かったか。
    まぁモモのスーパープレイとモルヒネに助けられているような感じ。

    なんで金塊なのかの説明はあったっけ?
    あとホモのくだりはいるの?

    ★は3。

  • 読んだ本 黄金を抱いて翔べ 髙村薫 20240408

     髙村薫のデビュー作。5人の男が金塊を強奪する過程を描く。髙村薫らしく登場する男たちはかなり屈折していて、それぞれがそれぞれの形で社会に不適合。重苦しくて個々の業がトラブルを招く。「レディジョーカー」の原型を感じたかな。
     でも、「レディジョーカー」や「マークスの山」より複雑ではないはずなんだけど、なんか読みづらいような、素直に文章が入ってこないような感じだったな。体調のせいかもしれませんが。
     デビュー作なのに瑞々しさが全く感じられないのが面目躍如って感じ。このどす黒いマグマが洗練されて、「レディジョーカー」なんかに続いていくんですね。

  • まーまー

著者プロフィール

●高村薫……1953年、大阪に生まれ。国際基督教大学を卒業。商社勤務をへて、1990年『黄金を抱いて翔べ』で第3回日本推理サスペンス大賞を受賞。93年『リヴィエラを撃て』(新潮文庫)で日本推理作家協会賞、『マークスの山』(講談社文庫)で直木賞を受賞。著書に『レディ・ジョーカー』『神の火』『照柿』(以上、新潮文庫)などがある。

「2014年 『日本人の度量 3・11で「生まれ直す」ための覚悟』 で使われていた紹介文から引用しています。」

高村薫の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
宮部みゆき
高村 薫
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×