リヴィエラを撃て〈下〉 新潮文庫

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  • Amazon.co.jp ・本 (414ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101347158

感想・レビュー・書評

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  • 現時点で、一番読むのに苦労したけども、一番おもしろかった作品。
    下巻の中盤ぐらいから、ぐわーってなんか沸いてきました。
    ケリー(伝書鳩)が別れ際にジャックの頭をなでるシーンがとても好きでした。

  • もちろん、結末なんて想像がつかなかったけれども、
    色んな意味で“何も残らない”。
    それは読了感がない、という意味ではないが……。

    本作の主人公はノーマン・シンクレアだと思う。
    シンクレアが語る場面というのは実に少ないのだけれども。

  • (2010/07/28購入)(2010/08/12読了)

    終盤のコンサートシーンの描写が凄かった。緊迫感と演奏の美しさがよく伝わってきた。

    だが、相変わらず女史の描く美形が苦手だ。『李歐』の李歐も苦手だったが、今回のシンクレアもなあ。

    ━━そのピアノの打鍵の重さ、激しさは、今は血を流しているのかと思うほどだった。これはピアニストの魂の声だろう。《リヴィエラ》に向けて発せられた激情だろう。これでもかと地の底から叩き出す音の重さは、二十年の歳月と怒りの重さに違いなかった。またその音の深さ鋭さは、悲しみのそれに違いなかった。ピアニストは眩しい氷の笑みをたたえて、怒り狂い、号泣していた。(232頁)

  • おもしろかった!!!!
    もうーめっちゃおもしろかったですよ!
    高村さんのは4つ読みましたけど、4つだけで決めるのも何ですけど、今のとここれがダントツ!
    出る人出る人がみんなステキでした。ギリアムにすらときめきます(笑)。(私が老人好きだからというだけではなく!)
    最初ややこしくてどうしようかと思ったのですけど、読んでいくうちにそのややこしさが逆に効いてくるんですよー。
    前に書いたような人間関係の唐突さがなくて、スムーズです。
    前まではなんかイマイチ飲み込めない部分があって、こないだの「神の火」でも島田と日野(名前をすでに忘れてるので間違えてる可能性大)の関係が、幼なじみとはいえなんだかしっくり来ないように思えて仕方なかったんですけど、これにはそういうもやもやがなかった!
    伝書鳩とジャックとか、手島とキムとか、どっちもそんなに長い付き合いじゃなくて、それこそ手島たちなんか3日くらいしか一緒にいてないのに、でも絆が深まって特別な友達になった、ていうのがすごーくよく分かった。
    で、だからこそ泣けるんですよ!!(涙)
    伝書鳩は泣いたよー。イヤ。もうサラの時から泣いたよ。サラなんかちょっぴりしか出てないのに!
    キムも切ない!
    キムはあとから出るエピソードでも泣けるんですよー。
    キムのツラい過去とか絨毯とかが、結果として手島を助けることにもなったりして(涙)。
    せっかくいったん治まってたのにそういうエピソードが出るたんびにガーッときて非常にツラかったです。(人目が)
    数多いお年寄り軍団の中でもM・Gがステキでした。
    かっこいいじいさんなんですよー。

  • コードネーム「リヴィエラ」をめぐる陰謀と複雑な関係が渦巻く、スリリングな作品。核心に近づくにつれ消されて行く登場人物たち。最後の一節で包み込まれるような感覚を感じた。

  • 撃たんのかい

  • ジャックも伝書鳩もシンクレアも登場人物がみんな大好きです。

  • 2006/5/10読了

  • 2003年8月8日

  • 11月13日読了。日本にて大学教授として生活する「リヴィエラ」を巡り英国・日本・中国の外務省・諜報機関の思惑と自らの暗い情念に基づき行動する男女たちの行為が交錯する・・・。「高村薫は女流作家という肩書きを無意味なものとした」と言うが、確かにこのスケール感は女流とか国産ミステリとか、そういうカテゴリを超えているものだ。しかし前半で思い入れタップリに語られてきた、それぞれの過去と優秀な能力を持つ登場人物たちがバタバタと死んでいくこの展開はちょっと読む側にはキツイ。信念を持った個人の行為は、志半ばに倒れたとしても別の個人につながるもの。国益の前にそれが費えたとしてもそれは意味のあること、なのだろうか。

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著者プロフィール

●高村薫……1953年、大阪に生まれ。国際基督教大学を卒業。商社勤務をへて、1990年『黄金を抱いて翔べ』で第3回日本推理サスペンス大賞を受賞。93年『リヴィエラを撃て』(新潮文庫)で日本推理作家協会賞、『マークスの山』(講談社文庫)で直木賞を受賞。著書に『レディ・ジョーカー』『神の火』『照柿』(以上、新潮文庫)などがある。

「2014年 『日本人の度量 3・11で「生まれ直す」ための覚悟』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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