レディ・ジョーカー 上 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.82
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本棚登録 : 2201
レビュー : 177
  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101347165

作品紹介・あらすじ

空虚な日常、目を凝らせど見えぬ未来。五人の男は競馬場へと吹き寄せられた。未曾有の犯罪の前奏曲が響く-。その夜、合田警部補は日之出ビール社長・城山の誘拐を知る。彼の一報により、警視庁という名の冷たい機械が動き始めた。事件に昏い興奮を覚えた新聞記者たち。巨大企業は闇に浸食されているのだ。ジャンルを超え屹立する、唯一無二の長篇小説。毎日出版文化賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • まだ上巻だが、高村薫の最高傑作だと思う。
    グイグイ引き込まれていく。

    登場人物の個性をきめ細かく描き、まるでこの時代に生きているかのような世界観。

    登場人物も多いのはこの物語なら当然。

    奇想天外なストーリー。

    最高!

  • かなり重厚なもののようで、
    これからの展開もひっしについていけたらなと。

  • 毎朝の短い通勤時間で読むと、とにかく登場人物が多くて思い出すだけで時間がかかり、ほとんど頭の中に入らないで終わってしまった。
    これから読む方はぜひ腰を据えてじっくり時間を確保してから読むことをお勧めします。

  •  読んでる途中でグリコ・森永事件がモトと気づき びっくり(゚д゚)!

     とにかく、カオルちゃん特有の濃厚な文章にくらくら……( ゚ q ゚ )ボー…
     警察や新聞社はともかく、競馬場や歯医者まで、いったいどれだけ取材したことやら……気が遠くなる……( ゚ q ゚ )ボー…

     にしても、これほんとに映画・ドラマ化したの!?(゚д゚)!
     ○○問題が正面から取り上げられてるじゃん(゚д゚)!
     ウィキで見てみたら、やっぱり「一部で上映自粛の動きも見られた」だって……(´ェ`)ン-…
     日之出ビールのモデルはキリン? 新商品は一番搾りのことかな?( ´ ▽ ` )ノ
     

     ともあれ、物語はまだ始まったばかり( ´ ▽ ` )ノ
     どきどきしながら中巻へ( ´ ▽ ` )ノ

    2019/01/23

  • 上巻のみ登録
    グリコ・森永事件を題材に、差別問題や経済、社会の闇などを描いた長篇推理小説。
    城山社長や倉田副社長の言わんとしている事の半分も理解できなかったように思う。
    一生懸命に読んだが難しくてとても疲れた。これだけの疲労感を覚える作品は他にない。
    申し訳ないが正直、会社の話も新聞記者の取材もどうだっていいと思ってしまった。
    犯人グループと、合田と、加納。私が読みたいのはそこだけなんだよ!とヤキモキして
    それでも誰かが亡くなれば茫然とし、必死に物語に食らい付き、何とか読み終えました。
    まず「面白かった」と頭に浮かんだ。こんなに苦労したのに一から読み返したいとすら思う。
    「難しかった~、疲れた~」と言いつつもニコニコ。読了後に帳消しになっちゃいます。

  •  日本有数のビール会社”日之出ビール”の社長、城山恭介が誘拐される。犯人グループは城山とある取引を結び彼を解放、事件は日之出ビールに警察、マスコミを巻き込み、裏社会の人間たちも暗躍する様子を見せ、静かに波紋を広げていく。

     高村さんの作品を読んでいて圧倒されるのが、文章に込められた力です。その力というものは他の作家さんの作品と比べても突出していると思います。

     その力の根底にあるものは作者の高村さんの一種の情念にあるように思います。この本で描かれる問題は自身の闇を隠し通そうとする企業の姿に、被差別部落、政治と権力のつながりとどれも複雑なものばかり。しかしそれでもそうした問題を組み伏せ、話を作り上げる情念が感じられるからこそそう感じるのではないか、と思います。

     そして、この本を読んでいてもう一つ感じるのは犯人グループが感じる閉塞感。犯人グループのメンバーはそれぞれ自らの人生に対し、何らかの言葉にできない感情を抱えています。それがこの誘拐につながっていくわけですが、その閉塞感の描き方がとにかく巧い!

    この本の単行本版が出版されたのは1997年だそうです。現代の日本も”希望のない社会”や”格差社会”と言われるように一種の閉塞感があるように思います。そうした閉塞感の芽生えをいち早く察知し、個人の言い知れない感情すらも描き切ったからこそ、この本の厚みはさらに増したように思います。

     まだ上巻ですが今後の事件をめぐりどのような人間模様が繰り広げられるのか、非常に楽しみです。

    第52回毎日出版文化賞
    1999年版このミステリーがすごい!1位
    このミステリーがすごい!ベストオブベスト9位

  • 言わずと知れた高村薫の長編小説。
    上巻ではレディー・ジョーカーの生まれる経緯から、巨大ビール会社社長の城山恭介の誘拐劇、新聞記者の奮闘など最初から盛りだくさんの内容。

    久しぶりの合田との対面に、思わず内臓が震えまくった。
    それから、「ああこれだこれ、合田のこの刑事にしてはあまりにも繊細で壊れやすいギリギリさと、それに絡み合うようにして彼を支える加納の、こちらもまた張り詰めんばかりの緊張感が高村薫なんだよ…!」と一人興奮しているうちに上巻を一気に読み終えてしまった。


    本当に久々の高村作品で、訛っていた脳が彼女の独特の筆致の難解さによじれねじれしたが、それも一瞬で、グリコ・森永事件を髣髴とさせる不気味さと、とても一個人では敵わない大きなものの存在に翻弄されていく合田たち個人たちの息遣いに、すぐに引き込まれていった。

    個人的には、物井のおっちゃんの中に潜む鬼の部分が、殆ど記憶さえない兄の清二という人間一人が怪文書の中に籠めた心情と呼応するようにして、フッと物井を突き動かすあたりが好き。

  • とある事情で最新刊を読みたいと思ったので。

    三作目にして、多少面白くなってきた。
    作風に慣れてきたのもあると思うが、
    感情移入する対象があったせいだろう。

    といってもコージーミステリーの主人公の境遇に
    一喜一憂するのとは異なる。
    大企業の役員たちや、
    刑事や新聞記者といった大きな傘の下にいる面々ではなく、
    競馬場に吹き寄せられたレディー・ジョーカーたちに
    肩入れしたくなるのは、
    判官びいきの日本人の習いと言うべきなのか。
    いや、作者にうまく導かれているだけなのか。

    (中巻へ)

  • 説明 (Amazonより)
    内容紹介
    空虚な日常、目を凝らせど見えぬ未来。五人の男は競馬場へと吹き寄せられた。未曾有の犯罪の前奏曲が響く――。その夜、合田警部補は日之出ビール社長・城山の誘拐を知る。彼の一報により、警視庁という名の冷たい機械が動き始めた。事件に昏い興奮を覚えた新聞記者たち。巨大企業は闇に浸食されているのだ。ジャンルを超え屹立する、唯一無二の長篇小説。毎日出版文化賞受賞作。


    WOWOWのドラマ化を観て 内容がとても良かったので原作を読んでみようと思いました。
    冒頭の手紙の部分はとても読みづらく 頭に入ってこなくてこの時点ですでに諦めかけましたが その後の内容は登場人物の多さに頭を抱えますが 人間関係が入り組んでいてとても読み応えがあると思いました。
    ドラマを観ていたので その時の俳優さんが頭に浮かんでいました。

  • 2019/08/10

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著者プロフィール

高村 薫(たかむら かおる)
1953年大阪市東住吉区生まれ、現在大阪府吹田市在住。国際基督教大学教養学部人文学科(フランス文学専攻)卒業。外資系商社の勤務を経て、作家活動に入る。
1990年『黄金を抱いて翔べ』で日本推理サスペンス大賞、1993年『マークスの山』で直木三十五賞、1998年『レディ・ジョーカー』で毎日出版文化賞、2016年刊行の『土の記』では大佛次郎賞、野間文芸賞、毎日芸術賞をそれぞれ受賞し、新たな代表作となった。
『レディ・ジョーカー』を境として、重厚な社会派ミステリーから純文学に転向。織田作之助賞選考委員を務める。

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