レディ・ジョーカー 中 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 1667
レビュー : 112
  • Amazon.co.jp ・本 (574ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101347172

作品紹介・あらすじ

城山は、五十六時間ぶりに解放された。だが、その眼は鉛色に沈んだままだ。レディ・ジョーカーを名乗る犯行グループが三百五十万キロリットルのビールを"人質"に取っているのだ。裏取引を懸念する捜査一課長に送り込まれた合田は、城山社長に影のごとく付き従う。事件が加速してゆく中、ふたりの新聞記者は二匹の猟犬と化して苦い臭跡を追う。-カオスに渦巻く男たちの思念。

感想・レビュー・書評

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  •  上巻の段階で犯人の正体も動機もすべて明示されちゃってるわけだけど、いよいよ計画が実行されるとやっぱりグイグイ読ませるね( ´ ▽ ` )ノ
     犯行グループ視点の描写がまったくなくなっちゃうとこが、うまい( ´ ▽ ` )ノ
     その局面局面での彼らの心理を、読者の想像に委ねてる( ´ ▽ ` )ノ

     ああいう事態が出来したときの企業・警察・マスコミの対応、ほんとうにああなるのかどうか分からないけど、とにかく微に入り細を穿つ書き込みで 有無を言わさずリアル( ´ ▽ ` )ノ
     大まかなあらすじだけ見ると、まあありがちといえばありがちな設定ではあるんだけど、この緻密さが他作と一線を画してる( ´ ▽ ` )ノ

     にしても、相変わらずカオルちゃんの作品では異常なまでに女性が活躍しないね(>_<)
     女刑事も出ないし、犯行グループは男ばっかだし、日之出幹部も新聞記者も 男ばっか(´ェ`)ン-…
     数少ない有台詞女性キャラである城山夫人も秘書さんも、まるで小津映画みたいな古臭いテンプレ造形だし……(´ェ`)ン-…
     ここまで徹底してると、なんか作為なり悪意なりあるんじゃないか?、と勘ぐっちゃうね( ´ ▽ ` )ノ

     作中何の説明もなかったけど「バンをかける」なんて、知らない人が読んだら車のバンと混同しちゃうかもね( ´ ▽ ` )ノ
     職務質問のことだよ( ´ ▽ ` )ノ
    「新宿鮫」で覚えたものだった( ´ ▽ ` )ノ
    (「ものだった」って表現、なぜかカオルちゃん大好きだよね( ´ ▽ ` )ノ)

     どんなオチをつけるのか、ワクワクしつつ下巻に手をのばしたものだった( ´ ▽ ` )ノ

    2019/01/31

     

  •  城山と誘拐グループ「レディ・ジョーカー」の裏取引を疑う警察は合田を城山の警護役と称し、身辺調査の命令を下す。一方で城山はレディ・ジョーカーとの取引を着々と進める。その匂いを嗅ぎつけた新聞記者たちも徹底した取材を進めていくがそのさなかでレディ・ジョーカーは攻撃を開始する。

     中巻まで読み終えてふーっと大きく息をつき、ああ、まだ下巻があるんだな、とまだこの重厚な小説が読めるといううれしさと、この重厚な小説をまだ読まないといけないのか、という一種のうんざりという感情が混ざった複雑な気分になりました。

     書き込みの量の多さはやはり圧巻の一言! 警察、企業、マスコミそれぞれの論理を余すところなく書き込むという高村さんの姿勢が読んでいて感じられます。なんでこんなにもそれぞれの立場や思惑をリアルに書けるのか不思議でしょうがないです。

     そして警察や企業の論理と個人の論理の相克もまた読んでいて凄まじい…。合田や城山の苦悩や葛藤というものが文章を通して伝わってきます。文章自体がまるで呼吸をしているかのよう、と言っても言い過ぎじゃないのではないでしょうか。

     記者たちの活動というのも非常にリアルで読みごたえがあります。そして読み進めるごとにこの小説は単なる誘拐小説なのではなく、そこからさらに深いさまざまな闇を見せようとしているのが分かります。それがこの小説がまだ続くことがうれしくもあり、うんざりしている理由なのかもしれません。

     いよいよ下巻に突入。中巻はちょっと読むのに時間をかけてしまったので、下巻は一気に読んでしまいたいところです。

    第52回毎日出版文化賞
    1999年版このミステリーがすごい!1位
    このミステリーがすごい!ベストオブベスト9位

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    城山は、五十六時間ぶりに解放された。だが、その眼は鉛色に沈んだままだ。レディ・ジョーカーを名乗る犯行グループが三百五十万キロリットルのビールを“人質”に取っているのだ。裏取引を懸念する捜査一課長に送り込まれた合田は、城山社長に影のごとく付き従う。事件が加速してゆく中、ふたりの新聞記者は二匹の猟犬と化して苦い臭跡を追う。―カオスに渦巻く男たちの思念。



    上巻に続き、読み応えがあります。
    映像化を観ていなかったら 頭がごちゃごちゃしそうです。下巻が楽しみです。

  • (上巻より)

    しかし、個人的にはかなり忍耐力が必要な作品であることに変わりはない。
    新聞記者のウエイトを軽くした方が
    バランスがとれたのではないか。
    とにかうく、独白をする人物が多すぎる。

    合田刑事が誘拐された社長の、
    警護という名の間諜を務めたのは面白かったが、
    犯人を追い詰めるのに脅迫状を送るという手段はいかがなものか。

    そして最後の対決でどう追い詰め、追い詰められるのかと思えば、
    ナイフで刺すという暴力的な解決。
    しかも、何も日の下には明らかにされない。

    (下巻へ)

  • 2019/08/12

  • 男くさい男たちがいろいろと動いて場面が変わっていく、なかなか重厚な雰囲気。
    下巻がどういう結末になるのか気になってずいずい読めそう。

  • 感想は下巻で

  • ギリギリと音を立てて回る歯車は、ときに人を挟み込み破裂させる。

    (以下抜粋)
    ○日ノ出の古い体質のなかでは、人事面での評価はむしろ低かった。
     早くから、業務上のトラブルやクレームの対応に率先して当たってきた経歴が、
     不当に作用した面もあっただろう。(P.71)
    ○もちろん、そうは言っても今日の利益をあげる者がいなければ、明日の変革もない(P.72)

  • 誘拐された城山が解放された事を受けた東邦新聞の編集部から。

    新聞の「知る権利」ってどこまで追求していいものなんだろう。
    てゆうか誰のためにやってるの?と考えてしまったり。
    早ければ早い程価値はあるのかもしれないけど、一般的な生活を押してまで仕事をしたり、情報収集したり、やり過ぎという概念はないのか。
    新聞が売れれば何でもいいのか。

    物語はレディ・ジョーカー達は出てこなくなったので、細かい意図は分からないけど、新聞の方からだったり、合田だったりが犯人に掠っていく感じが上手いなぁ!と思っていつの間にか読み終えていました。
    上巻は1ヶ月かかったけど、中は半月で読めました。
    このまま一気に下巻まで読み切りたいです!

    面白い!

  • 城山は、五十六時間ぶりに解放された。だが、その眼は鉛色に沈んだままだ。レディ・ジョーカーを名乗る犯行グループが三百五十万キロリットルのビールを“人質”に取っているのだ。裏取引を懸念する捜査一課長に送り込まれた合田は、城山社長に影のごとく付き従う。事件が加速してゆく中、ふたりの新聞記者は二匹の猟犬と化して苦い臭跡を追う。

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著者プロフィール

高村 薫(たかむら かおる)
1953年大阪市東住吉区生まれ、現在大阪府吹田市在住。国際基督教大学教養学部人文学科(フランス文学専攻)卒業。外資系商社の勤務を経て、作家活動に入る。
1990年『黄金を抱いて翔べ』で日本推理サスペンス大賞、1993年『マークスの山』で直木三十五賞、1998年『レディ・ジョーカー』で毎日出版文化賞、2016年刊行の『土の記』では大佛次郎賞、野間文芸賞、毎日芸術賞をそれぞれ受賞し、新たな代表作となった。
『レディ・ジョーカー』を境として、重厚な社会派ミステリーから純文学に転向。織田作之助賞選考委員を務める。

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