マークスの山(上) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 701
レビュー : 56
  • Amazon.co.jp ・本 (418ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101347196

作品紹介・あらすじ

「マークスさ。先生たちの大事なマ、ア、ク、ス!」。あの日、彼の心に一粒の種が播かれた。それは運命の名を得、枝を茂らせてゆく。南アルプスで発見された白骨死体。三年後に東京で発生した、アウトローと検事の連続殺人。"殺せ、殺せ"。都会の片隅で恋人と暮らす青年の裡には、もうひとりの男が潜んでいた。警視庁捜査一課・合田雄一郎警部補の眼前に立ちふさがる、黒一色の山。

感想・レビュー・書評

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  • 少し前にWOWOWで再放送していたのを観て面白かったので、原作を購入。ドラマは見やすい作りになっていたけれど原作は、高村さんらしく硬派で骨太。レディジョーカー、リビエラ〜を読んだ時もそうだったけれど、硬派で骨太。それが高村作品の真骨頂だと感じる。

    個人的にはレディ〜より、マークスの方が好み。私は登山が好きで山と山岳会、そして過去の事件とが濃密に絡まりあって楽しく読めた。

    結末はドラマを観て知ってはいるけれど、ドラマでは描かれていない細かい部分を含めて、原作では下どう展開していって結末を迎えるのか楽しみ。

  • 南アルプスで起こった単純な殺人事件、それから数年後に見つかった白骨死体、それからさらに三年後に発生した連続殺人事件の捜査の様子を描いた小説。

    警察ものらしく最初に起こる殺人事件の捜査の描き方は証言や、証拠に基づいた地味なもの。
    舞台が東京に移り連続殺人の捜査が始まる段からも、捜査自体は地味なものが続くのですが、それを感じさせない文体のパワーがあります。

    中でもそのパワーを感じさせられるのは捜査会議の場面。さまざまな個性的な人物が入り乱れる捜査会議はとてもリアルで、その場の刑事たちの息遣いさえもが感じられそう。ものすごい文章力です……

    刑事たちの中に女性刑事はいなくて、男性刑事ばかりなのですが、彼らのエゴやプライドがぶつかり合う描写も非常に巧い!著者の高村さんが女性なのが信じられないくらい(笑)

    精神的に不安定な犯人の描写も、それに負けず劣らずパワーがあります。だからついつい読み入ってしまう。

    捜査の様子も非常にリアル。中でも週刊誌への圧力をかける場面は実際に著者の高村さんがそこにいたのではないか、と思わされるほど。

    事件のピースはところどころ見えているのですが、全容となるとさっぱり……これは下巻が楽しみです!

    第109回直木賞
    第12回日本冒険小説協会大賞
    1994年版このミステリーがすごい!1位

  • 単行本が出た時にも読んだけど、文庫版になると“書き直し”と言えるくらい加筆されるというので、改めて読んでみた。

    確かに、ストーリーや登場人物の心裏のヒダヒダがくっきりして、ますます緊迫感が増した! 絶対お薦め的一冊(上下二冊だが)。

    重要な舞台として北岳(南アルプス)や穂高(北アルプス)などが出て来るんだが、まだ実物を見たことはないものの、前回読んだ時よりは知っているのでその分さらに興味も深い。実際に行ったことがある場所だったらもっと面白いんだろうなー。

  • 読了。レビューは最終巻で。

  • シンガポールのお供に。高村作品だったら、頁数に対する文字量が多いから、長期旅行にはうってつけかと思って。確かにそれはそれで間違いなかったんだけど、意外に移動中や現地で読書の時間を割けず、読了が今になってしまった。プラス、早めに読みたい情報誌とか、新年度異動に伴うバタバタとかが相俟って、ここ最近でいうと、久しぶりに一冊読むのにこんなに時間がかかった。更には、内容がいまひとつ好きじゃない、ってのもその理由。この分だと、後半に取り掛かるのがだいぶ先になってしまうかも…忘れてないか心配。

  • いつも思うことだけど、原作の方が心に響く!ドラマ見て失望する作品、骨太な内容と匂いが文体からほとばしってる!一気読みだわっ!

  • 2度目の再読。1度目で記憶に残らなかった部分などあり再読してよかった。

  •  この人気作家の作品を読むのは実は初めて。どういう作風なのかも全然知らないでどうせなら代表的なものをと直木賞受賞作の本書を手に取ってびっくり。タイトルや巻頭に挿入された南アルプスの地図から山岳小説なのかと思いきや、こんなバリバリの重厚長大な警察小説だとは。警察小説ならばまずは主人公の刑事の造型がなにより大事。そして周りを固める同僚たちとのチームプレーだな。この作品でいえば警視庁捜査一課七係合田警部補、そして森巡査部長。このコンビはなかなかいい。このキャストでシリーズ化されているらしいのでこれは楽しみだ。ただ、その他のいずれも一癖ある七係の面々が多少問題があるか。影の薄い係長はおくとしても、同じ警部補の吾妻はともかく、それ以外の面子のキャラが弱く出番も少ない。いたずらによくわからない愛称で呼ばれているのも効果を発揮していない。一方、犯人側も精神状態に問題があるとはいえ、冷静さと突飛さに飛躍がありすぎて無理っぽいし、また山登りチームの動機も発端が意外でなあんだというものだけに、あまりに大仰すぎる気がする。常識的にみればこんなに大ごとになるほどのプロットではないのだが、まあそこは小説だから。それはともかく不可解な山中の事件に端を発し、山での収束に終わる構成は見事だし、続発する事件を執拗に追いかける刑事たちの核心部の迫力と物語の推進力もすばらしく、文句なく作者の力量を示している。蛇足ながら、書きぐせなのかな、「端的」と「隠微」の多用がちょっと気になった。

  • ようやく、落ち着いて読書できる日々に戻ってきた…という事情に加えて…実は別の本にチャレンジしていたのだけれど、どうにもページを進めることができず、フラストレーションが溜まってしまったので、鞍替え療法!?で、先輩から面白いと教えてもらったこちらを読んでみることに。

    一気に読み終えた前編。謎が深まるばかりで先が見えない。とりあえず、すぐに後編に着手します。

  • 名作です。

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著者プロフィール

高村 薫(たかむら かおる)
1953年大阪市東住吉区生まれ、現在大阪府吹田市在住。国際基督教大学教養学部人文学科(フランス文学専攻)卒業。外資系商社の勤務を経て、作家活動に入る。
1990年『黄金を抱いて翔べ』で日本推理サスペンス大賞、1993年『マークスの山』で直木三十五賞、1998年『レディ・ジョーカー』で毎日出版文化賞、2016年刊行の『土の記』では大佛次郎賞、野間文芸賞、毎日芸術賞をそれぞれ受賞し、新たな代表作となった。
『レディ・ジョーカー』を境として、重厚な社会派ミステリーから純文学に転向。織田作之助賞選考委員を務める。

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