マークスの山(下) (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 565
レビュー : 57
  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101347202

作品紹介・あらすじ

勤務先の病院を出た高木真知子が拳銃で撃たれた!やがて明らかになってゆく、水沢裕之の孤独な半生。合田はかつて、強盗致傷事件を起こした彼と対面していたのだった。獣のように捜査網をすり抜ける水沢に、刑事たちは焦燥感を募らせる…。アイゼンの音。荒い息づかい。山岳サークルで五人の大学生によって結ばれた、グロテスクな盟約。山とは何だ-マークス、お前は誰だ?-。

感想・レビュー・書評

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  • 父の本棚で見つけて手に取ったのが出会いで、
    一気に高村薫氏の虜になりました。
    私にとっての最初の作品です。

  • 上下巻読了。

    アガサ・クリスティのような、エラリー・クイーンのような読後感。ミステリーでありながらも、登場人物それぞれの重厚な人間ドラマを楽しめる本でした。

    読者には、犯人が最初から明かされているのに、主人公の一人である警視庁刑事と同じように犯人の動きに翻弄され、組織の息苦しさの中で奥底にある重苦しい犯罪を解き明かそうと頭を悩ますことになるので、本読みが止まりませんでした。
    特に下巻の後半、重要な人物への事情聴取の駆け引きや、冬山への突入は目が離せず、一気に読み終えました。
    キャラクターの中では、警視庁刑事の「元義兄」の検事さんがいい感じかと。あの人を主人公にしたカッコいい小説を読んでみたい。

    それにしても、組織内あるいは組織間の競争やらプライドやら足の引っ張り合いやら…リアルに描かれていたけれども、まさかここまでえげつなくはなかろうと思いたい。

    • kawabatatさん
      高村薫さん、いいですね~ 合田刑事シリーズでは、故郷の大阪を流謫する「照柿」もいいですし、グリコ・森永事件に想を得た「レディ・ジョーカー」も...
      高村薫さん、いいですね~ 合田刑事シリーズでは、故郷の大阪を流謫する「照柿」もいいですし、グリコ・森永事件に想を得た「レディ・ジョーカー」もおすすめです♪
      1年間お疲れさまでした。レビューを拝見するのを楽しみにしてました♪
      また来る年、いい本に出会えるといいですね♪
      よいお年を。
      2017/12/28
    • M's Bookshelfさん
      ありがとうございます。実は…高村薫さん、初チャレンジでした。読んでみたいと思いながらなかなか手が伸びなくて。でも、読んでみたら重厚で読み応え...
      ありがとうございます。実は…高村薫さん、初チャレンジでした。読んでみたいと思いながらなかなか手が伸びなくて。でも、読んでみたら重厚で読み応えがあり、とても良かったです。合田刑事さんシリーズになってるんですね。おすすめいただいた本にも、チャレンジしてみます!
      いつもありがとうございます。
      来年も、よろしくお願いいたします!よいお年を〜^ ^
      2017/12/29
  • WOWOWで観たドラマでは描かれなかった細部に関しては、なるほどこういう事だったのか〜!と思いながら読み進めた。

    上巻もそうだけれど、下巻も字数が多く(一行あたりの)て読むのは少し大変だったのは確かで(苦笑)途中、少しだけ中だるみした。
    それでも根気よく読んでいったら半分を過ぎたあたりから一気に物語が加速しだして、結末知っているのにのめり込んだし面白かった!

    にしても水沢の人生の報われなさと彼の末路には、寂しさと悲しみしか感じない。読み終えると、その人生の大半が暗い山と暗い影しかなかったんじゃないだろうか。
    唯一、高木真知子という存在がその暗い影の中を照らした一筋の光、温もりになっていたのかな?と本人に聞きたくてたまらないのである。

  • 警察側の犯人の追走の様子と事件の全容が見えてくる下巻。

    文章が硬質という評判だったので、読み始めるまではその文章が自分に合うか不安だったのですが、どうやら肌に合ったみたいです(笑)

    でも、かなり歯ごたえのある文章であることは間違いないです。結構読んだなあ、と思ってページ数を数えてみると思った以上にページ数が消化できてなくて驚く、ということが何度あったか(苦笑)

    犯人との追走劇は非常に読みごたえあり! それと同時に彼の脅迫のネタはなんだったのか、という謎の解決のために、脅迫の被害者と警察側である合田たちの対決の場面も読んでいて息が詰まる思いでした。それと同時に合田の過去の事件の捜査に対する遺恨の感情の描き方も巧い!

    ただ不満点もちらほら。犯人の半生や動機についてもっと詳しく書き込んでほしかったのと、具体的になぜ警察の上層部や、霞が関が捜査に圧力をかけたのかが描かれなかった点です。

    ただ高村さんの話だと、自身の書いている小説はミステリーではないと公言されているそうで、それを聞くと圧力のくだりは納得がいきます。たぶん高村さんは事件の全面解決より事件に関わることになった組織の人物を描きたかったのかなあ、と思います。そうだとすると確かに一刑事には圧力の根源まで遡るのは無理そうな感じもしますし、そういう個人の限界を書きたかったのかと思います。

    ラストもまた圧巻。合田が冬の山を登る描写なのですがその描き方が何とも素晴らしいの一言に尽きる!高村さんの筆力の高さを最後まで感じながら、読書を終えることになりました。

    第109回直木賞
    第12回日本冒険小説協会大賞
    1994年版このミステリーがすごい!1位

  • 朝日新聞平成の30冊の1冊。昔読んだはずだが覚えていないなぁ。山好きだしもう一度詠んでみようと手に取る。

    山で起こった殺人事件、それと前後して発生した子供1人を残しての両親心中、別の殺人事件。
    十数年後、殺人事件が起き最初はわからなかった関係が少しずつ明かになり過去の時間と繋がってく話。警官と犯人の目線から書かれる。警官小説だが、警察の上層部の政治もからみ操作は進みづらく複雑になっていく点と犯人の特異性は目を引くが、昔の小説だなと感じてしまう。

  • 上巻からだいぶ時間が空いてしまった… それ即ち、自分的にはそれだけ求心力に欠けるってことで、それを押して取り掛かるのには、馬力が必要だった訳で。でもまあ、比較的下巻の方が勢いがあって、それに乗って読み進められた分、印象は良かった。ただいかんせん、いまひとつ理解が追い付かん。ネットで解説みたいなのを探して見てみたけど、文庫版の方がより分かりにくくなった、的なことが書かれていて、やれやれって感じ。かといってじゃあ、分かりやすい単行本の方でも読み返してみようか、ってほどの思い入れもなく。そんなうやむやな作品でした。

  • 【作品紹介】
    「このミステリーがすごい! 」(1994)第1位、直木賞受賞作。エリートの闇。狂気の果て。この連続殺人をそんな言葉で片付けられるのか?

    勤務先の病院を出た高木真知子が拳銃で撃たれた! やがて明らかになってゆく、水沢裕之の孤独な半生。合田はかつて、強盗致傷事件を起こした彼と対面していたのだった。獣のように捜査網をすり抜ける水沢に、刑事たちは焦燥感を募らせる……。アイゼンの音。荒い息づかい。山岳サークルで五人の大学生によって結ばれた、グロテスクな盟約。山とは何だ──マークス、お前は誰だ?

    【感想】
    苦手な作品。
    そして複数の疑問が残るストレス。
    水沢と山岳サークルとの関係は、岩田との関係は繋がりは?
    エリートの闇?
    トップのもみ消し?
    何だかもう・・・

  • ラストシーンとも言える、山頂のシーンが印象的。また、エリートたち犯人が互いにかばい合うが、糸がほつれて、真相が次第に明るみになって行くのは引き込まれる。虚しい最後ではあるが読み応えあります。

  • 終始くらい雰囲気だった。むむむむ。

  • 水沢の尻ポケットに入っていた覚え書きに涙溢れる。

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著者プロフィール

高村 薫(たかむら かおる)
1953年大阪市東住吉区生まれ、現在大阪府吹田市在住。国際基督教大学教養学部人文学科(フランス文学専攻)卒業。外資系商社の勤務を経て、作家活動に入る。
1990年『黄金を抱いて翔べ』で日本推理サスペンス大賞、1993年『マークスの山』で直木三十五賞、1998年『レディ・ジョーカー』で毎日出版文化賞、2016年刊行の『土の記』では大佛次郎賞、野間文芸賞、毎日芸術賞をそれぞれ受賞し、新たな代表作となった。
『レディ・ジョーカー』を境として、重厚な社会派ミステリーから純文学に転向。織田作之助賞選考委員を務める。

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