照柿〈下〉 (新潮文庫)

著者 : 高村薫
  • 新潮社 (2011年8月28日発売)
3.55
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  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101347226

照柿〈下〉 (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

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  • この圧迫感、狂気は高村にしか描けない。

  • 始まりから、少しずつ酸素が薄くなっていくような感覚。
    寒い冬に読んでいるというのに、自分のまわりだけ温度が上がっているかのように、息苦しいむっとする暑さを感じるオープニング。

    人が少しずつ壊れていく様を、事細かく丹念に書かれた文章で読み続けることの苦しみと魅惑。もうやめよう、何度もそう思ったのだが、結局最後まで読んでしまった。
    そして、この最後。

    上下巻にわたる長い小説だが、それがすべて最後の数十ページにつながる序章であったと思える終わり方。
    私が言うのもなんだが、見事だなぁと思う。

    人誰もが持っているであろう心に秘めたどす黒い感情の、その負の部分をこの作者の筆力で表現されると、読む際にはこちらにもそれなりの胆力が必要である。
    さらりと読めるタイプの作品ではない。
    が、言い過ぎかもしれないが、ひとつ違う人生を経験したぐらいの思いができるのではないだろうか。

  • レディージョーカーで初めて出会った高村さん。あまりの面白さにマークスの山を読むと、更に更に惹き寄せられた。なんて素敵な作者を見つけたのだろうと心踊る。続いて読んだのが同じ合田シリーズの本作。下巻の途中まではダラダラと冗長な内容が続きどうかなと思っていたが、終わってみれば素晴らしくて、照柿が素晴らしくて、圧倒された。細部が細かすぎてしつこく感じるが、それもまた世界観が出ている。合田の狂気と変質が際立ってきて、他作とはまた違う人物像に変化してきた。そうだ、人は歪なのだ。一言で語れるほど簡単じゃない。登場人物全てが魅力的。

  • これだけ毎日難しい事ばかり考えていたら大変だろうに。でも周りの皆もこんな感じで難しい事を考えてるのかと思うと、ちょっと自分もやばいな、などと思ったり。

  • ほんの一瞬の邂逅。けれど常軌を逸してゆくには十分な時間だったのか。
    それぞれに10年以上前分かれたはずの人生が、再び交わってしまったのが間違いだったのか。
    頭の奥底に燃える業火が、腹の内奥にくすぶる燠火が、なにもかもを焼きつくし、最後に残るのは醜くも純粋な欲望。そしてその欲望は、人を壊す――。

    不条理、絶望、救いのない結末が待ち受ける長編ミステリ後編。
    加納さんの出番はあまりない。

  • おもしろかった。一気に読んだ記憶。

  • 前作のマークスの山ほどの衝撃は少ないがこれはこれですごい。工場のシーンはちょっと読むのが苦痛になる程の詳しさ。合田さんと加納さんの絡みとお蘭こと森さんの登場が少なすぎてがっかり。

  • 高村薫作品にはいつも圧倒される。しかし、今回の作品の大人の男二人の突然の脱落、妄執には共感することもなくなかなか読み進まなかった。しかし、最後のさすがでぴりっとしまったと思う。

  • 読み応えがあった。目が赤くなったらしい。泣いてはいないんだけど。

  • 暑い夏
    燃える熱処理ライン
    轟音は脳まで響き頭痛を起こさせる
    読んでいると、春先なのにじっとりとした暑さが…


    細かく描かれた工場の熱処理シーンは、下巻に進むにつれ、野田の体調や感情が壊れていく様子を現しているようだった。

    「息ができない」

    この一言に尽きる

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