照柿 下 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
3.55
  • (18)
  • (31)
  • (32)
  • (13)
  • (1)
本棚登録 : 331
レビュー : 33
  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101347226

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 絵画的な色。大阪の街並み。炉。
    それぞれの描写が作品に重みを持たせて、
    高村薫ワールドに誘う。
    「照柿」の、タイトルが素敵。

  • 始まりから、少しずつ酸素が薄くなっていくような感覚。
    寒い冬に読んでいるというのに、自分のまわりだけ温度が上がっているかのように、息苦しいむっとする暑さを感じるオープニング。

    人が少しずつ壊れていく様を、事細かく丹念に書かれた文章で読み続けることの苦しみと魅惑。もうやめよう、何度もそう思ったのだが、結局最後まで読んでしまった。
    そして、この最後。

    上下巻にわたる長い小説だが、それがすべて最後の数十ページにつながる序章であったと思える終わり方。
    私が言うのもなんだが、見事だなぁと思う。

    人誰もが持っているであろう心に秘めたどす黒い感情の、その負の部分をこの作者の筆力で表現されると、読む際にはこちらにもそれなりの胆力が必要である。
    さらりと読めるタイプの作品ではない。
    が、言い過ぎかもしれないが、ひとつ違う人生を経験したぐらいの思いができるのではないだろうか。

  • これだけ毎日難しい事ばかり考えていたら大変だろうに。でも周りの皆もこんな感じで難しい事を考えてるのかと思うと、ちょっと自分もやばいな、などと思ったり。

  • 2018.12.14

    合田刑事2作目

    ホステス殺し 飛び込み事件 一目惚れ? 幼馴染みとの再開 熱処理工場 博打 嫉妬

    とりあえず時間かかった。。合わないのかな

  • 睡眠不足によって狂っていく感の描写がよかった。風邪でぶっ倒れている時に読んだので、余計にあーわかるわかる~ってなった。でも分かってしまうと殺人者になるからよくないんです。

  • この圧迫感、狂気は高村にしか描けない。

  • レディージョーカーで初めて出会った高村さん。あまりの面白さにマークスの山を読むと、更に更に惹き寄せられた。なんて素敵な作者を見つけたのだろうと心踊る。続いて読んだのが同じ合田シリーズの本作。下巻の途中まではダラダラと冗長な内容が続きどうかなと思っていたが、終わってみれば素晴らしくて、照柿が素晴らしくて、圧倒された。細部が細かすぎてしつこく感じるが、それもまた世界観が出ている。合田の狂気と変質が際立ってきて、他作とはまた違う人物像に変化してきた。そうだ、人は歪なのだ。一言で語れるほど簡単じゃない。登場人物のそれぞれが魅力的。

  • ほんの一瞬の邂逅。けれど常軌を逸してゆくには十分な時間だったのか。
    それぞれに10年以上前分かれたはずの人生が、再び交わってしまったのが間違いだったのか。
    頭の奥底に燃える業火が、腹の内奥にくすぶる燠火が、なにもかもを焼きつくし、最後に残るのは醜くも純粋な欲望。そしてその欲望は、人を壊す――。

    不条理、絶望、救いのない結末が待ち受ける長編ミステリ後編。
    加納さんの出番はあまりない。

  • おもしろかった。一気に読んだ記憶。

  • 前作のマークスの山ほどの衝撃は少ないがこれはこれですごい。工場のシーンはちょっと読むのが苦痛になる程の詳しさ。合田さんと加納さんの絡みとお蘭こと森さんの登場が少なすぎてがっかり。

全33件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

高村 薫(たかむら かおる)
1953年大阪市東住吉区生まれ、現在大阪府吹田市在住。国際基督教大学教養学部人文学科(フランス文学専攻)卒業。外資系商社の勤務を経て、作家活動に入る。
1990年『黄金を抱いて翔べ』で日本推理サスペンス大賞、1993年『マークスの山』で直木三十五賞、1998年『レディ・ジョーカー』で毎日出版文化賞、2016年刊行の『土の記』では大佛次郎賞、野間文芸賞、毎日芸術賞をそれぞれ受賞し、新たな代表作となった。
『レディ・ジョーカー』を境として、重厚な社会派ミステリーから純文学に転向。織田作之助賞選考委員を務める。

高村薫の作品

照柿 下 (新潮文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする