- Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101349114
感想・レビュー・書評
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主人公は高校教師。その男の家族、生徒の話。自殺志願者のタレントが世間に大きな影響を与える。『ラストシーンは、もう始まっているのかもしれない。』と、教師は書いた。この言葉がすべてだった。「死ぬな」とか、「死んではいけない」という言葉を使わないところがすき。
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死を目標に生きる人がいたっていいじゃないか。
なんて、どーなの?
って思ったけど、お年寄りになって「だれにも迷惑かけずにころっと死にたいわ」と
そんな風に言うのは確かにあるし、
自分の人生は自分にしか決められないのだから、
自殺をするのが正しいか正しくないかの問題ではなく
自ら死を選びとるという自由、権利は生きている人それぞれに与えられているのではないか。
自殺の是非を問えば、答えを出す個々の数だけ異なる回答が返ってくるかもしれない。
それは全く個人に任された「意見」であり、絶対的な「善」とか「悪」とかに
分けることのできないものだと思う。
今後自分が自殺する可能性はあるかもしれないし、その時はそれを悪だと思わないかもしれない。
自分のことならば、許せてしまう。
それでも、誰かが死んでしまおうと思っていたら、私は絶対に止めると思う。
「死なないでくれ、としか言えないんですよね、人は人に」
この台詞が凄く印象的。 -
「ラストシーンはもう始まっているのかもしれない。」
すべての事柄は不確実であるが、最後に死が訪れることだけは分かっている。ハッピーエンドなんて存在しないのではないだろうか。しかし、それでもなお人間は生きていく。辛いことのほうが、楽しいことよりも圧倒的に多いにもかかわらず。
別段、他の人に生きてほしいとは思わないし、生きる価値のある人生なんてあるのかどうか断定する自信はない。ただ、急がなくったって確実に一歩一歩その日は近付いている。
散る桜 残る桜も 散る桜 -
女子高の教師の話。あと自殺問題とか。長編。
なんかすごく捕らえどころの無い話だった……。日本って、案外宗教にすぐホイホイされる国だと思う。悪いほうの意味で。
あと舞姫通信ってなんか一定してないなと思ったらそういうことか -
ラストシーンはもう始まっているのかもしれない――
みんなが憧れる舞姫 -
レビューはブログにて。
http://tempo.seesaa.net/article/106508907.html -
もっともらしい理由なんてない。
けど、君に生きていてほしいんだ。
君が大切なんだ。
だから、生きていてほしい。 -
「ラストシーンはもう始まっているかもしれない」っていう言葉が頭を離れません。なかなか深い小説ですね。
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双子の兄を自殺で亡くし,兄の恋人と微妙な関係を続ける主人公。
彼は女子校の教師として働くことになったが,
そこでは過去の自殺者が秘かに皆の憧れの存在となっていた。
年に何回か誰かが全校生徒に配布する舞姫通信。
兄の恋人がプロデュースした自殺志願を売りにするタレント。
自殺に憧れる若者と自殺を単純に正論で否定する大人との対比。
親友を自殺で亡くした著者が自殺をテーマに描いた作品。
単純な否定ではなく,生と死について淡々と描かれる部分に,
ある意味で答えを突きつけるのではない著者の優しさを感じる。
「なぜ自殺してはいけないのか」との子供の問いに,
自分なりに答えられるように考えておくことが大切かもしれない。
ただ,長編でやや間延びした印象を受けるのが残念。 -
青さのみなぎってる頃の重松清な印象。
テーマは自殺。人はいつでも死ねる。それを常に頭のどっかに置きつつも生きる方を選ぶ。
ちょっと泣いた。