ナイフ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 9751
感想 : 824
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  • Amazon.co.jp ・本 (403ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101349138

感想・レビュー・書評

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  • いじめに関する5つの物語を収録した短編集。読んでいて胸が苦しくなりましたが、目を背けるわけにはいかないと読了しました。名著ですが、心が弱っているときにはおすすめしません。

  • イジメをテーマに子供にも親にも焦点が当てられた短編集。

    本当に読み進めるのが辛いほど、リアルで酷いいじめの内容だった。
    その中でもこの子はどうなっちゃうのか?このまま親はどうしていくのか?を考えながらでどんどん読み進めることができた。

    この本の登場人物たちは自殺はしなかったが、こんな状態だったら自殺したくなるよなと思ってしまった。ニュースでも子供の自殺報道は度々報じられているが、それと重ねるくらいリアルな描写だったと思う。

    虐めている側はどんな気持ちなのだろうと、そちらの気持ちを示した小説もあれば読んでみたい。

  • すごい。
    小学生の子を持つ親として、とても苦しく辛い内容ばかりでしたが、しっかり読ませていただきました。

    小中学生のいじめの短編集。
    無視の標的にされる女の子や、ひどいいじめをされるが父親に負けるなと無理矢理登校させられる男の子など。
    いじめに関わる子供達、親達の心の弱さや葛藤、闘った末の自分の在り方など、涙なしには読めません。
    最後だけ母親達VS若い女教師の話だけど、こちらもなかなか感慨深い。

    特に【キャッチボール日和】【エビスくん】
    いじめの描写も特に激しい。
    変にぼかしたりせず生々しいが、決して美化などされるべきではない事実がしっかりと書かれている。
    本気で心が沈むので、影響されやすい私は朝からズシっときてしまう…
    でも、どの作品も読後は前向き。

    あとがきも納得。

  • 中学生時代塾の先生に読めといわれて借りたけど当時面白さが分からなくてほとんど読まずに返してしまった。それから10年程経ち偶然古本屋で見つけ偶然題名を思えていて購入した。
    いじめって不思議なもので1人をターゲットにすることで他の人は団結しているように錯覚してしまう。ただのゲームだからいつ何が発端で自分がターゲットになりうるか分からない。大人になっても胸糞悪く共感してしまう不思議な一冊。

  • とにかく刺さる。親、子供どちらが読んでも刺さる。気分は良くないけど、読む手が止まらん。

  • ヤダこれもうステキ大好き。

    な感じの、大人向けのこども話。まぁ現役のガキやら子どものいない大人やらには伝わるまいよ、この気持ち。要するに酸いも甘いも噛み分ける大人が子どもに対して持つ感傷やら苦痛やらやるせなさやら何やかんやと思う気持ちをすべてぶつけるような、要するにマスターベーションに他ならないのであって、そういうセンチメンタルに夢見がちなオッサンこそが読むべきではないか。オッサンのはそういうのが必要なわけですよ。分かってチョンマゲ。

  • 父親として何をすべきか

  • いじめを題材としているが読み易い。

    中高生はもちろん、小学生でも読めると思う。すぐには消化しきれないかもしれないけれど、感じるものはあるんじゃないかな。

    私は『ナイフ』を中学生の時に読んでいたかった。もっと早くに出会いたかった。

  • 本当にリアルだなあ
    けど、今とは少し違うところがあるんではないかな?とまずは言っておきますね。

    しかし、本当に道徳とは。哲学とは。と考えさせられる本でした。27歳になった今でさえ本の内容の答えは何が正解かはでません。
    おそらく正解はないのではないでしょうか。

    親も、子供も友達も、先生もみんな人間で、完成された人はおらず自分自身の正解は、己の経験が信じられるものとなる。
    特に大人は多いのではないでしょうか。
    自分が親になった時。先生になった時。自分の子供時代の子供目線になれるのかなと不安になったり、強い力をもつ子供を育ててみたいと思える作品だったと、私個人は思いました

  • 名作!!人生のベスト5に入るんじゃなかろうか。どれもイジメを題材にした短編集で、中には痛々しい描写もあるけれど、語り手が飄々と語るのでそこまで苦しい気持ちにならず読める。そしてどの話もボロボロ泣いた。
    自分が思春期のときに読んでいたかったと思うが、心が抉られて読めてなかった気もする。なので大人になった今だからこそ読めると思う反面、自分の娘にも読ませたいとも思う。そんな1冊。
    図書館で借りて読んだが、家に置いておきたい。

著者プロフィール

重松清
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木三十五賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『カシオペアの丘で』『とんび』『ステップ』『きみ去りしのち』『峠うどん物語』など多数。

「2023年 『カモナマイハウス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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