ビタミンF (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 616
  • Amazon.co.jp ・本 (362ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101349152

感想・レビュー・書評

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  • おすすめしてくださった方曰く、噛みしめて読んで、と。
    噛みしめる前に、深く響いてくる物語。

    この世代のフツーの男性、家庭を持ったお父さんたちの日常の中の心の機微を通じて、家庭って?家族ってとひっきりなしに問いかけられる。
    主人公に移入するのはもちろんだけれど、彼らの子ども、昔の恋人、同僚など十人十色の境遇にも思いを馳せる。
    そして、もちろん配偶者にも・・。その立場だったら・・・想像すると苦しいような楽しいような・・。
    このままでも日々は波風たてずに続いていくけれど、もっと・・・という想いがリンクする。

    果たして家庭は帰るところなんだろうか。
    それともそこを基地として出ていく所なのだろうか。

  • 父親目線の短編小説。どれも話が終わると、いい意味で胸がきゅうってしめつけられる。私のお父さんも、こんな風に思ってたのかなとか、父親って実際は母親よりも強くなくて、不器用だけど一家の柱じゃなきゃいけなくて、苦悩するその生き様がすごく切ないし、私は好き。この小説大好き。

  • いやぁ〜うまいな。
    最近、人気の女流作家の短編をたて続けて読んだが、短編ではまだまだ重松清や浅田次郎には遠く及ばないのを感じた。
    大きな感動を期待した人には物足りないかもしれないが、子を育て成長させた親の目でみると身につまされる思いががあふれでた。
    特にセッちゃんは秀逸。いじめに対して、小説や映画のようにはスパッと解決することができず無力な自分を感じながらも、たとえ迷信でもそれにすがってでも子供の側に立っていようという親心は泣かせる。親世代のみならず子供世代にもお勧めの一冊。

  • 図書館で借りた本。
    さすが直木賞。さすが重松清さん。
    特に4話目の「セッちゃん」、予感はあったのに、薄々感じていたはずなのに、途中からべそをかきながら読んでしまいました。
    加奈子ちゃんのことも、架空のセッちゃんのことも抱きしめてあげたかった。

  • 父目線でみた7つの家族の話、テーマはFamily Father Friend Fight Fragile Future、セッちゃんは泣ける…泣いた。

  • たった10年まえの小説だけど、古い、あるいは懐かしい、と感じてしまった。10年くらい前は自分も社会も、これらの問題にはこういう感覚で臨んでたよな、という感じ。問題は今もなくなっていないけど、今はこういうアプローチではない気がする。時間が経っただけなのか、きっかけがあったのか。きっかけがあったとすれば、震災かも知れない、と思った。それはこの本が時代の空気をきちんと閉じ込めている証拠でもある。
    この作者の本をたくさん読んでいるわけではないけど、基本的にはテクニックの人なのかな、と思います。ということで、文体や感情表現ではなく筋書きに凝った「なぎさホテルにて」「かさぶたまぶた」が気に入りました。

  • 家族って血が繋がっていても、世代が異なる人間で構成されているだけに、色々な歪みを抱えていることが当たり前なんだと思えた。

  • あと1ヵ月程で37歳になる。
    独身だが。

    重松先生の作品は何冊か読んでいる。
    毎回書店で「次はどれを読もうか」と思案する。
    あらすじを読むと、どれも魅力的だから本当に困る。

    今回も迷った末、
    「直木賞受賞作」というフレーズに「お墨付き」をいただいたような気分になりチョイス。

    7編とも面白く、自分と同世代の「おとうさん」視点で物語が進む。

    個人的に心震わされたのは「セッちゃん」。
    読み手もすぐに「もしかしてセッちゃんて・・・」て気づくのだが、
    そこからがまたもどかしくやりきれない。

    重松作品の真骨頂ともいえる
    結局のところ解決には至らないのだが、希望とまではいかなくとも何らかの「光」は差す
    まさにそんな作品。

    「なぎさホテルにて」
    少しロマンティックな香のする作品。
    主人公が望む結末、読み手が望む結末、書き手が望む結末
    それぞれが違うと思うし、そこに落とし所が見えないスリルがあった。
    結果として読み手(自分)が望む結末ではなかったが、
    これはこれで良かったと思う。
    主人公の妻に対する不満理由がイマイチ弱い(分かり辛い)気がする。

    「母帰る」
    向田邦子のような匂いがした。

    本書は重松作品初心者向けだと思う。
    短編で読みやすいし、不幸はあっても絶望的な不幸ではない。
    そして必ず「光」は差す。

    最初の重松作品にいかが?

  • 「成長してきた息子や娘と、老いてゆく親の双方にはさまれ、妻との関係も若い頃のようにはかみあわなくなっている彼らは、とつぜん、自分の居場所はほんとうにここでいいのか、と自問するようになる」
    と、堀江敏幸氏の解説にはある。
    まさに僕自身と重なるところだし、だからこそ、この本全体が自分のことのように思えた。
    話のそれぞれで起きた事件が、スカッと明快に解決するわけではない。ただ、人生にはそういうことの方が多くて、明快に解決しないまま、中途半端な僕たちは、それでも生きていかねばならないのである……。

  • 重松さんなので読んでみた作品

    30~40代の父として生きる男性を主人公にした短編集
    思春期の子どもを持つお父さんってこんな感じなのかな…と自分の学生時代を思い出しながら読みました
    多分学生時代に読んでてもあまり響かなかったかも
    親側の気持ちが分かる歳だからじんわり心に響く

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著者プロフィール

重松 清(しげまつ きよし)。1963年、岡山県生まれの小説家。早稲田大学教育学部卒業。
出版社勤務を経て、フリーライターとして独立。ドラマ・映画のノベライズなどを手がけたのち、1991年『ビフォア・ラン』で小説家デビュー。
1999年『エイジ』で山本周五郎賞、2000年『ビタミンF』で直木賞、2002年『流星ワゴン』で「本の雑誌年間ベスト1」、2010年『十字架』で吉川英治文学賞、2014年『ゼツメツ少年』で毎日出版文化賞をそれぞれ受賞。
山本周五郎賞、講談社ノンフィクション賞選考委員を務める。2017年、早稲田大学文化構想学部客員教授に就任。
『とんび』、『青い鳥』、『流星ワゴン』をはじめ、多くの代表作がドラマ化、映画化されている。

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