ビタミンF (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 6011
レビュー : 637
  • Amazon.co.jp ・本 (362ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101349152

感想・レビュー・書評

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  • どこにでもありそうな家族のちょっとした悩みや行き違いを描いていて、ああそうだよなあと思わされる。家族のありがたみや大事さに気づかせてくれる一冊。

  •  「ビタミン」のA,B,C,Dはあるが、「ビタミンF」はない。このFは、著者・重松清の造語で、彼の小説のテーマがそのままあてはめられている。すなわちFamily(家族)、Friend(友人)、Fight(争い)、Fragile(人間関係はもろい)、Fortune(運命には抗えない)…etc。
     7つの短いストーリーには、ごく普通のおじさんが登場し、複数の「F」について悩む。「あ~、そうそう。自分もそうだった」と共感しながら読み進めることができる。各ストーリーとも必ずしもハッピーエンドではないが、「こんなもんだよね」と納得できる。これらが重松作品が広く支持を得ている理由だろう。

  • 40歳前後の人生でいうと中途半端な頃に差し掛かっている主人公が、家族と向き合う物語。
    それぞれのお話で、あるきっかけが家族と向き合う契機となるのだが、それを経て家族というものを考え直させていく。
    はっきりとは描かれないが、そこには希望の光を感じさせる。
    中学生の女の子がいじめにあうお話の「セッちゃん」が、同じ年頃の娘を持つ自分としては、胸に迫って秀逸だ。

  • 面白かった。

    中年、に差し掛かってきた36歳はうん。うん。と、ついつい頷いてしまうような他人の日常を垣間見るような一冊。

    なんかこうね、わかるよ。それ。

    っていう。自分の子供、妻、夫、過去、未来、どれのどこをとっても、わかるよ。その気持ち。っていう話が全編通して語られており、36歳の私でそうなんだから多分、若い人はいつかあーって思うから読んだ方がいいし、もっと上の人は、あったなーそういうこと。って思うんじゃないかなー

    そして、人生と一緒で色々あるけど死ぬまで結果なんかわからない。

    っていうどんな結論も結局出し切らないそんな重松清の短編にどうしても自分を寄り添わせたくなるような本でした。

    多分私にもありそうだなこれ。って全編通して思えるからすごいよ。ほんと。

  • 「家族」について思い悩んでしまったとき、そのビタミン不足を補う短編集。正解のない問いであるからこそ、物語中の救いが、直接傷を塞ぐのではなく、栄養素としてじんわりと染み渡るのだろう。

  • おすすめしてくださった方曰く、噛みしめて読んで、と。
    噛みしめる前に、深く響いてくる物語。

    この世代のフツーの男性、家庭を持ったお父さんたちの日常の中の心の機微を通じて、家庭って?家族ってとひっきりなしに問いかけられる。
    主人公に移入するのはもちろんだけれど、彼らの子ども、昔の恋人、同僚など十人十色の境遇にも思いを馳せる。
    そして、もちろん配偶者にも・・。その立場だったら・・・想像すると苦しいような楽しいような・・。
    このままでも日々は波風たてずに続いていくけれど、もっと・・・という想いがリンクする。

    果たして家庭は帰るところなんだろうか。
    それともそこを基地として出ていく所なのだろうか。

  • 父親目線の短編小説。どれも話が終わると、いい意味で胸がきゅうってしめつけられる。私のお父さんも、こんな風に思ってたのかなとか、父親って実際は母親よりも強くなくて、不器用だけど一家の柱じゃなきゃいけなくて、苦悩するその生き様がすごく切ないし、私は好き。この小説大好き。

  • 結婚して夫婦になって親になって。
    キラキラばかりしていない、未来の日々をちょっと想像できるような短編集。
    親になってから読み直したら、元気になれそう。

  • 様々な家族の亀裂とか、しこり、違和感に心のビタミンを与えてくれる本でした。

    37.38歳父親、男性から見た家族の様子

    幸せって人それぞれで、子供がいるから幸せだと思ったけども
    大変なこともたくさんある

    全ての話がラスト心がほっこりするもので、自分の家族を改めて大切に思うことができる作品でした。

  • なんてタイムリーに読めたのか。図書館の長期休館のため冊数確保のために手に取った、と言うのが本当の所なんですが、抜群のタイミングで手に取る本、というのもまた読書の醍醐味と再認識。男性側目線だけれど、私にも当てはまる事が多かった。今に追いかけられると、本当の所が見えなくなってしまう。頭では分かっているのに、気が付くとそうなってる。色々経験して、僅かながら人生って・・・と思うことが出てくるこの頃。こういう時に限って自分の根っこを忘れてしまう。当たり前に存在し過ぎて。心がまるくなる読後でした。明日からも頑張ろう。

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著者プロフィール

重松 清(しげまつ きよし)。1963年、岡山県生まれの小説家。早稲田大学教育学部卒業。
出版社勤務を経て、フリーライターとして独立。ドラマ・映画のノベライズなどを手がけたのち、1991年『ビフォア・ラン』で小説家デビュー。
1999年『エイジ』で山本周五郎賞、2000年『ビタミンF』で直木賞、2002年『流星ワゴン』で「本の雑誌年間ベスト1」、2010年『十字架』で吉川英治文学賞、2014年『ゼツメツ少年』で毎日出版文化賞をそれぞれ受賞。
山本周五郎賞、講談社ノンフィクション賞選考委員を務める。2017年、早稲田大学文化構想学部客員教授に就任。
『とんび』、『青い鳥』、『流星ワゴン』をはじめ、多くの代表作がドラマ化、映画化されている。

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