エイジ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 621
  • Amazon.co.jp ・本 (463ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101349169

作品紹介・あらすじ

ぼくの名はエイジ。東京郊外・桜ヶ丘ニュータウンにある中学の二年生。その夏、町には連続通り魔事件が発生して、犯行は次第にエスカレートし、ついに捕まった犯人は、同級生だった-。その日から、何かがわからなくなった。ぼくもいつか「キレて」しまうんだろうか?…家族や友だち、好きになった女子への思いに揺られながら成長する少年のリアルな日常。山本周五郎賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 主人公が住む桜ヶ丘ニュータウンで通り魔事件が発生した。その犯人は主人公と同じクラスの男子だった。その日から僕が家族友達好きになった女子の思いに揺れながら成長していく物語

  • やっぱり重松清はめちゃくちゃいい。
    以前に読んだことあるはずで、
    でももう一回と思って読んだ。
    ほとんど忘れてたし。

    ツカちゃんとプチトマト&レタスのくだりがすき。

    重松清はどうしてこんなに心情描写がうまいんだろう。
    中学二年生の心の動きがとってもリアルに感じられる。
    ぜったいこの頃だったらこんな風に思ってるだろう、って思える。

    嫌な世の中になっちゃった、とか、この子達が大人になる頃はどんな世の中になるんだろう、とか書いてあったけど、当時からもう20年経っちゃってるんだよね。それもなんか信じられないけど、
    当時と今はそんなに変わっていない気もするし、大きく変わった気もするし。
    自分も歳とったなぁとは思うけど。

    キレる、は周りとの関係を断ち切りたい、というのも、納得というか、言い得て妙。
    重松清さんはすごい。
    そればっかり。

    エイジの、言葉にしにくいけれど、色々と思うことがあって、ちょっと想像力が豊かで生々しく想像してしまう場面も、きっとこういう生徒もいるんだろうなと思うし、精神優良児というのも、確かにと思って、やっぱり、いいなぁ、家族を肯定できるのも。
    私の息子もまっすぐ育ってほしいなぁ。
    やっぱ家庭の力と、友達の影響と、色々とあ?んだろうけれど。

    エイジのバスケみたいに、とことん好きになれることが一つでも見つかるといいなあ

  • 主人公は中学2年生の少年。
    大人でもなく子供でもない、でも大人でもあり子供でもある時期。
    今の若者の言葉使いや考え方など理解しがたいものがありますが、この作品には現代の少年の心理がとてもリアルに描かれています。
    この作品は本当にすごい!!と思いました。
    思春期の子供を持つ親におすすめの作品でした。

  • 中学二年生の少年エイジを主人公に、二学期開始からの三カ月を描く。登場人物はどこにでもいそうな普通の男子中学生とその家族、同級生たちである。そこに発生する、連続通り魔事件の犯人がエイジたちの同級生だったことが、彼らの日常生活に波紋を投げかける。

    神戸連続児童殺傷事件(酒鬼薔薇事件)の翌年である1998年の新聞連載小説で、おそらく事件に影響を受けて書かれた作品だろう。あとがきでは、テレビなどで報道される少年犯罪のニュースから、同級生として事件を体験した少年少女たちがどのような心境だったかを想像したことが創作の動機として明かされている。作品内に登場するゲームソフトタイトル(『XI』)などからも、連載当時の時代を舞台としていることがわかる。

    家族、学校、友だち、恋愛、部活、勉強、性、イジメなど、中学生らしいテーマが一通り盛り込まれている。通り魔を扱ってはいるが、前述の神戸連続児童殺傷事件のような残虐性は低く、サスペンス的な要素も薄い。学校内で起こるイジメも極端に陰湿なものではなく、基本的には平和な中学校生活がベースになっている。主人公と家族との関係性も非常に良好で、両親とテレビゲームに興じるような温かい家庭生活が描かれている。このように総じて微温的で、小中学生も含めて多くの読者が読んで支障のないソフトな小説になっている。一方、心の闇に深く切り込み考察するといった、踏み込んだ内容ではない。

    例えるなら、『中学生日記』に連続通り魔事件を織り込み、教師の活躍を削いだぐらいか。作品の時代的に、「キレる」「うざい」といった言葉がまだ新鮮だった頃を思い返す。本作が当時、どのように受け取られたかわからないが、20年後の今読んでかなり長閑に感じた。

  • 主人公は思春期真っ只中、中学2年生のエイジ。
    14歳の夏に起きた通り魔事件。犯人は、同級生だった─。

    一線を超えて”向こう側”に行った少年の心を見つめようとする、”こちら側”の少年達。

    いつか”向こう側”に共鳴し同化してしまいそうな、あやうくて脆い心の動きが巧みに描かれている。
    そんな少年達の心の葛藤や怯えは読んでいて少し苦しくなったが、何とかして乗り越えようともがく様子はそれぞれを応援したくなる。

    重いテーマながら、読了後は不思議と晴れやかにもなった。

  • これも誰かの書評を読んで読んでみた本。
    自分のクラスメートが通り魔で捕まった中学生のお話。
    読んでる間は中学生ならではの苛立ちとかに共感してたけど、あとがきを読みながら「自分の中学生時代にこんな苛立ちとか感じてたっけ?」と思ってしまった。
    最後までフルネームな相沢志穂は実写版の映画になればどんなイメージなんだろう?とか、ひとりひとりの登場人物描写もよかった。

  • 山本周五郎賞受賞作というのを見て買った一冊。

    中学生の日常を書かれた話だった。

    主人公の心情が細かく書かれていた。
    共感できる部分もあれは、理解できない考えなんかもあったが、この主人公は同級生の事を深く考えてるなと思った。

    この話しを読んでいてなにかちょっとイライラする
    所があったが、それは多分おっさんになった自分が中学時代の事を忘れているか、自分も主人公と同じような行動をとっていたからイライラするんじゃないかと思った。

    世間でいう「難しい年頃」の中学生をリアルに書いているなと感じた小説でした。

  • 通り魔事件で同級生が逮捕された...。
    そんな中学二年生の主人公エイジの心の変化を描いた。少年犯罪、友情、恋愛を経て子供から大人へ成長する少年の心が上手く表現されている。
    自分にもこんな心の成長があったっけ?子供から大人になるってどういうことなんだろう。もっと子供の時に読みたかった。

  • 私が今まで読んだ本にない設定。中学生の通り魔がいて、その周りの中学生の心の葛藤が上手く描いていて成る程なーと思う。家庭環境に左右される事がこの本で読むと理解できるかな。
    それぞれの立場からアイデンティティを確立する様は、私達社会人にも通じるもの。今の私には感慨深い本になった。また自分の信念を確認できた。ツカちゃんいいわ!

  • 巷を賑わせていた連続通り魔の犯人が、クラスメイトの中にいた。

    「キレる十代」という言葉が、ニュースでしばしば見られるようになったのは、いつ頃だったか。多感で敏感、その時期特有で、独特な感情を持つ14歳の少年少女たちが、「クラスメイトが通り魔だった」という衝撃的な事実を前に、何を思うのか、どう行動するのか。

    クールかつ客観的に物事を捉える、成績トップのタモツくん。
    被害者のことを考えてパンク寸前の、お調子者だけど優しいツカちゃん。
    そして「少年A」である、タカやんのことを考えるエイジ。

    それまでのエイジには、通り魔の気持ちなんて1ミリも理解できなかった。テレビやニュースを見ても、遠い世界の話のように感じていたものが、今は隣に佇んでいる感覚。
    そして、エイジにも「その気」は存在した。

    見えないナイフを振り下ろすことで、根っこは繋がっているのだと実感し、
    同じなのだと噛みしめることで、同じにはならないのではないか。

    じわりじわりと描かれる主人公の成長と、思わず
    ふふっと笑ってしまうような表現が面白かったです。
    題材自体は重いものではあるけど、たいへん爽やかでした。
    ツカちゃんはほんといいキャラしてる。

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著者プロフィール

1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。出版社勤務を経て、執筆活動に入る。1999年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木賞、2010年『十字架』で吉川英治文学賞、2014年に『ゼツメツ少年』で毎日出版文化賞をそれぞれ受賞。小説作品に『流星ワゴン』『愛妻日記』『カシオペアの丘で』『赤ヘル1975』など多数。

「2022年 『旧友再会』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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