- Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101349176
感想・レビュー・書評
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吃音の少年のお話。少し苦しくてとってもあったかい。重松さん、子どもの心情を描くの本当に上手。あの頃わからないなりに考えてた世の中の難しさとか、わだかまりとか、やりきれなさ悔しさ嬉しさ、全部思い出しちゃう。
きよしの周りは優しい人が多かったけど、現実は優しいばかりではなくて、それでもきよしの根が優しいから、苦しさをたくさん体験してる分優しいから、いろんなこと諦めてきたから優しいのか、わかんないけど、きよしの視点が優しいから全編通してあったかかった。
「乗り換え案内」が一番好き。 -
ドラマも良かったなぁ
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伝えたいのに伝えられないもどかしさが、悲しいほどに伝わってくる。語彙が少ないのなら誰しもが子どものころに通る道だけど、言葉はあるのに伝えられないその思いは、いったい何で補っていたのか。しかも話が上手いから余計に切なくやるせなくなる。
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重松清の作品は、「流星ワゴン」以来、2作目。
とてととても面白かったし、多くの作品が高く評価されているのも知っている。
けれど、なぜか次の作品を手に取ることがなかった。それはたぶん、彼の平明で抑えの効いた文体が、なんとなく児童文学的に響くことと、その影響か、(完全に僕の穿ったモノの見方と歪んだ性格による偏見ですが、)物語自体が嘘っぽく感じたからだと思う。
その点、この「きよしこ」は、作者の自伝のように読めるので、嘘っぽさがなくなり、吃音の少年の辛かった思い出が、非常にリアリティをもって迫ってくる。
おかげで、ほとんど全てのエピソードで目に涙が滲んでしまった。
思えば、出だしの、手紙の部分でもう、術中にはまっていたんだな。 -
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#重松清
#新潮文庫
#読了
「おくることば」を読んでいて、この作品に重松さんの想いが込められていると感じたので読みたくなった。子どもから青年期まで、さまざまな気持ちと思い出が書き綴られていた。キラキラしていないが、土の中に根がしっかりと張っていくような、そんなお話だった。 -
吃音の話。著者の自伝的小説なのですごく心に来る
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吃音の苦しみは吃音の人しかわからない。伝える苦しみ辛さがわかる本。
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吃音ていうのは、当事者でしか苦しみがわからない。その辛さが経験者の重松さんが書いてるから、すごくリアルに書かれてる。吃音ていうのは、当事者でしか苦しみがわからない。その辛さが経験者の重松さんが書いてるから、すごくリアルに書かれてる。2023/03/24
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再読。重松清と出会った作品でもあり、重松清を好きになったきっかけの作品でもあります。
小学生の頃、吃音の同級生が居たけど、何に苦労してるとか、伝えたい事があるのに呑み込んでしまう辛さとか、言葉が上手く出てこない事のもどかしさとか考えた事もなかった。話したい事はたくさんあって、言葉もすぐそこまで出てるのに、上手く話せなかったら嫌だから話す事を諦めてしまう。話したい事が話せないのは苦しいよなあ。自分は当事者ではないけど「かわいそう」とか「気持ちの問題」とか、そんな言い方をする人達が嫌だった。
少しずつ大人になって、吃音との付き合い方も周りの反応も変わって、人間関係の暖かさと寂しさに何度も胸を締め付けられた。 -
NHKでドラマになっていたのを見て、いつか小説も読んでみたいなと思い、ようやく読んだ。
本当にいい小説だと思います。