卒業 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 343
  • Amazon.co.jp ・本 (404ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101349190

作品紹介・あらすじ

「わたしの父親ってどんなひとだったんですか」ある日突然、十四年前に自ら命を絶った親友の娘が僕を訪ねてきた。中学生の彼女もまた、生と死を巡る深刻な悩みを抱えていた。僕は彼女を死から引き離そうと、亡き親友との青春時代の思い出を語り始めたのだが-。悲しみを乗り越え、新たな旅立ちを迎えるために、それぞれの「卒業」を経験する家族を描いた四編。著者の新たなる原点。

感想・レビュー・書評

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  • 題名通りに「卒業」を題材にした短編集となります。

    といっても、学校や会社などに限った話ではなく、
    自分を“良くも悪くも”縛るものから、な感じですが。

    何かの転機でもあれば、逃げ出したようなこともある、、
    重松さん、本質的に優しい方なのだろうなと、そう感じます。

    不思議と、同世代の物語が集まっていました。
    そこがまた、グッと引き寄せられた理由かもしれません。

    自分の“こころ”に正直でいる、、どこまで出来ているのかと、悩ましく。

  • 本当の親子関係はもっと複雑だし、人の命はとてつもなく重い。ここに書いてあることはある意味おとぎ話。現実は冷徹で厳しい。だからこそ最後に救いがあるおとぎ話には救われる気がする。

  • ‪短編が4つあります。心が揺さぶられました。自身は20代ですが、40代ぐらいの方に良いのかな…。40代で親になった自分が、親の死により昔を振り返ったり、なにかの卒業をしていきます。生活感というかリアリティがあって、ジーンとくるお話しです。‬

    東京に出て、仕事で忙しくて戻って無い人とかいると思うんですよね。自分が親になったり、仕事で苦労して、親父も大変だったんだなぁって気付いたり、子供に対して厳しく当たった時に親父やおふくろだったらどうしたかなぁとか。4つの短編全てがなにかを感じさせてくれます。

  • 2004年の本、たまに重松清さんを読みたくなる。この短編4編も相も変わらず重松さんらしい作品が盛られていた。様々な意味合いの卒業が書かれていて いつものように要所要所で読者の涙腺を緩ませてくれる。父との死別 母との死別 親友との死別をキーにしての各章の語り手たちのそれぞれの卒業が意味深い。

  • 目次より
    ・まゆみのマーチ
    ・あおげば尊し
    ・卒業
    ・追伸

    一歩を踏み出すために、とどまっている位置から卒業をする。
    確執のある親の死をきっかけに。
    四編とも話の骨格は同じ。

    じれったいほど妹に甘い母。
    その母の死を看取りながら自分の息子との向き合い方を考える『まゆみのマーチ』

    厳格な教師だった父は、それゆえに生徒たちから慕われることがなかった。
    同じく教師となった息子は、死に向かっていく父の命を使って一人の生徒の死へのこだわりをときほぐす『あおげば尊し』

    自殺した親友の娘が突然訪ねてくる。
    一人の男が生きて死ぬということは、一体何をこの世に残すのか『卒業』

    子どもの頃に亡くなった生母への思い。
    嫌いなわけではないのに上手くいかない継母との関係。
    不器用な二人の思いがすれ違い、そして…『追伸』

    『卒業』以外はどれも大人になった主人公が、子どもの立場で親を見ている話だが、私は親目線で読んでしまう。
    そして、達観できていない自分にがっかりしてしまう。
    まだまだ生臭いのよ、私の人生は。
    そして子供の立場で親を見るとき…やっぱり生臭いんだわ。
    死ぬときはもうちょっとモヤモヤを削ぎ落としてすっきりと逝きたいと思うのだけど。

    『まゆみのマーチ』が一番好き。
    重松清とは同世代だから、『悟空の大冒険』も知っているし、歌もちゃんと覚えてました。
    絶対的に子どもの味方であり続けることって難しい。
    躾との兼ね合いも、世間の目との戦いも。
    でも、絶対的に子どもの味方でありたいと母は思っているのだよ。

    • シャクナゲとエビネさん
      うんうん、なるほどその通りです!
      うんうん、なるほどその通りです!
      2016/10/28
  • 「まゆみのマーチ」と「追伸」で重松ワールドの虜になりました。4作に渡る数々の人生の卒業シーン・・・心温まる物語です。是非読んでもらいたいと思います。

  • 親の大切さ、親と話し合うことの大切さと難しさがよく分かる。ただ、学生の時の読んだ時とくらべて、重松氏の感性は今の自分の生活からは少し離れていってしまっているように感じた。

  • 一つ一つの話がすごく泣けます。普段はあまり短編は読まないのですが、重松清さんの短編は心地よい感動と適度な長さが、すーっとくる感じで、好きです。

  • 人の生死と向き合う短編集。
    海外出張のお供に。

    この歳になって身近な人が亡くなることも増え、死ということがどういうことなのか、ようやく分かってきた気がします。

    以前に読んだ『流星ワゴン』もそうですが、登場人物が世代くらいで、どれも他人事ではないし、自分の周りでも十分起こることなので、現実的な視点で読みました。

    人生つらいことも多いけど、前を向いていくしかないんだと思える一冊でした。

  • 誰かの死を前にしての変化。
    短編集。
    どの話も最後は希望がある。
    死をテーマにしてるけど、きちんと救われる一冊。

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著者プロフィール

重松 清(しげまつ きよし)。1963年、岡山県生まれの小説家。早稲田大学教育学部卒業。
出版社勤務を経て、フリーライターとして独立。ドラマ・映画のノベライズなどを手がけたのち、1991年『ビフォア・ラン』で小説家デビュー。
1999年『エイジ』で山本周五郎賞、2000年『ビタミンF』で直木賞、2002年『流星ワゴン』で「本の雑誌年間ベスト1」、2010年『十字架』で吉川英治文学賞、2014年『ゼツメツ少年』で毎日出版文化賞をそれぞれ受賞。
山本周五郎賞、講談社ノンフィクション賞選考委員を務める。2017年、早稲田大学文化構想学部客員教授に就任。
『とんび』、『青い鳥』、『流星ワゴン』をはじめ、多くの代表作がドラマ化、映画化されている。

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