きみの友だち (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (436ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101349220

作品紹介・あらすじ

わたしは「みんな」を信じない、だからあんたと一緒にいる-。足の不自由な恵美ちゃんと病気がちな由香ちゃんは、ある事件がきっかけでクラスのだれとも付き合わなくなった。学校の人気者、ブンちゃんは、デキる転校生、モトくんのことが何となく面白くない…。優等生にひねた奴。弱虫に八方美人。それぞれの物語がちりばめられた、「友だち」のほんとうの意味をさがす連作長編。

感想・レビュー・書評

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  • 由香ちゃんの「中学に入ってからも、一緒にいてもいい?」「わたし、途中でいなくなっちゃうかもしれないけど、一緒にいてくれる?」「思い出がたくさん残って、死んじゃうと、嫌かもしれないけど…いい?」という言葉。
    こんな言葉を友達にかけなければいけない由香ちゃんの気持ちを想像するだけで辛い。自分達より早く死ぬと分かっている由香ちゃんの親の気持ちも苦しくなるほどよく分かる。
    足の悪い恵美ちゃんを救う由香ちゃんの優しさが胸に染みた。

    この本すごいいいでと娘に言ったら、「そうそう、小学生の時に読んでむっちゃ感動した」と言われた。

    • yhyby940さん
      著者の本は、読後感の良いものが多いように思います。読みたい本に空白が生まれたら著者の本を読みます。まず外れない。すごいと思ってます。
      著者の本は、読後感の良いものが多いように思います。読みたい本に空白が生まれたら著者の本を読みます。まず外れない。すごいと思ってます。
      2023/05/07
    • raindropsさん
      yhyby940さん、コメントありがとうございます。

      確かにそうですね。
      私にとっても重松清さんは読みたい本に空白が生まれた時に無条件で選...
      yhyby940さん、コメントありがとうございます。

      確かにそうですね。
      私にとっても重松清さんは読みたい本に空白が生まれた時に無条件で選ぶ作者の1人です。
      著作はだいぶ読んでしまいましたので、また外れない作者を探さなければいけません。
      2023/05/07
    • yhyby940さん
      ご返信ありがとうございます。胸をざわつかせる作家さんは結構いますが、著者のような作家さんはあまりいないような気がしますね。
      ご返信ありがとうございます。胸をざわつかせる作家さんは結構いますが、著者のような作家さんはあまりいないような気がしますね。
      2023/05/07
  • 交通事故で片足が不自由になってしまった少女。生まれつき腎臓が悪く入退院を繰り返している少女。二人の寄り添う様な信じ合う友だちを中心に、小学校高学年から中学校あたりの、複雑で理不尽な、逃げ場の無い人間関係を10話の連作短篇で、本当の友だちを考えさせてくれる。
    ストレートに表現してくるので、過去のいろんな気持ちをえぐられますね。
    と、思ったりしますが、読み易く、理解し易く、答えは自分で探すというスタンスは、今を学校というコミュニティで過ごしている子供達に大切なことを届けてくれると思います。

    • yhyby940さん
      いつも思うのですが、著者は紛れもなくおじさんだと思うのですが、忘れかけている子供の頃の気持ちを描けるのでしょうか。
      いつも思うのですが、著者は紛れもなくおじさんだと思うのですが、忘れかけている子供の頃の気持ちを描けるのでしょうか。
      2023/05/05
    • おびのりさん
      重松さんは、立派なおじさんですね。しかも、その子供の年齢ごとの気持ちを書き分けていらっしゃると思います。
      フォローありがとうございます。私も...
      重松さんは、立派なおじさんですね。しかも、その子供の年齢ごとの気持ちを書き分けていらっしゃると思います。
      フォローありがとうございます。私もフォローさせていただきました。よろしくお願いします。
      2023/05/05
    • yhyby940さん
      ありがとうございます。著者の作品は、ほぼ温かい読後感の良いものが多いので、たくさんの著作を読んでいるように思います。
      ありがとうございます。著者の作品は、ほぼ温かい読後感の良いものが多いので、たくさんの著作を読んでいるように思います。
      2023/05/05
  • 電車の中で読む小説ではなかったな。笑


    自分の過去を振り返る。
    私自身が「みんな」であり「きみ」であった。

    友達を増やそう、作ろうとしていた自分に
    そうじゃないよと伝えたい。

    今日そう思えたから、
    今日からまた新しい自分に出会える様に、
    ゆっくり少しずつ変わっていきたいな。

  • 『友だち』とは?『親友』とは?
    一体なんなんだろうと、悩みながら本当の意味を探す短編連作集。

    問いかけられる文章表現に、本当の友だちの意味をとても深く考えさせられる作品です。

    出会えて良かったと思える相手を『友だち』って呼ぶのかな?
    何でも話せる相手を『友だち』って呼ぶのかな?
    信頼できる相手を『友だち』って呼ぶのかな?

    併せて、本当の意味の『優しさ』ってなんなんだろうと思わされる作品でした。

  • 重松清さんの作品は初めて読みましたが、1話目の「あいあい傘」を読んだ時点で、★5を確信しました。

    こちら短編連作で、物語は学生目線の友人にまつわる内容ですが、大人が読んでも、心の柔らかい部分が刺激される内容だと思います。
    読むと、泣き笑ったり、モヤモヤしたり、痛いほど突き刺さる心情になるというか…
    読者は主人公たちの誰かの部分に共感して、きっと周りの人たち(特に若い子)にも勧めたくなる小説です。
    読んで良かった。

    「ねじれの位置」
    平行でもなくて、交わりもしない線。
    ジャングルジムでのブンとモトは近すぎず、遠すぎず、ねじれの位置という表現はずるいと思うほど、ぴったりハマります。
    「友達になる5分前」って言葉も最高。

    「ふらふら」
    堀田ちゃんに対して、「自分がつまんないんだったら、やめちゃえばいいのに」という言葉が、私にも刺さりました。でも、こういうピエロみたいなことする時もあったなぁと。
    もっと優しくなりたいとか、人の気持ちを推しはかりたいとか、そういうことを物語を通じて強く思わせてくれます。私はこの話特に好きです。

    「ぐりこ」
    「みんな」という本書のキーワードが出てきます。
    「みんな」って、特に学校という閉鎖的なコミュニティにいると意識せざるを得ない怖い言葉だと思います。
    「みんな」=「友達」ではない、ということに気づかせてくれる話。

  • 私が小説を読み始めるきっかけになった作品。
    当時小学生だった私に本を読む楽しさを教えてくれたのがこの本。
    とても心を揺すぶられ心に刺さった記憶がある。
    この作品に小学生の頃に出会えた自分を褒めたい。

    • NO Book & Coffee  NO LIFEさん
      miyuさん、こんばんは♪ 本とコ です。
      小説を読み始めたきっかけが重松清さんって、
      いいですねー(^^) わかる気がしますぅ
      miyuさん、こんばんは♪ 本とコ です。
      小説を読み始めたきっかけが重松清さんって、
      いいですねー(^^) わかる気がしますぅ
      2024/02/12
  • 他の本を読んで知った作品。
    この作者の本はいままでも何冊か読みましたが、この本が1番になりました。
    子供達それぞれが主人公になる、連作長編です。
    中でも、自分で自分を励ますシーンにこちらも胸がどくどくします。明日、学校へ行くだけなのに。
    子供達の現実の世界が見えます。
    誰もが自分も同じだったと思う子供達に出会うのではないかと思う。
    友達のほんとうの意味、大人になっても分かるかな。

  • すごい感動した。もう、なみだ止まらなかった。一番最初に読んだ重松清さんの本だったのでそれからかな重松清さんの本を読むようになったの。

    • マメムさん
      初コメです。
      私も泣いた好きな1冊です^_^
      心の奥底を優しく撫でられる温かさがありますよね♪
      初コメです。
      私も泣いた好きな1冊です^_^
      心の奥底を優しく撫でられる温かさがありますよね♪
      2023/11/10
  • 魔法の薬屋 魔法の小瓶さんの紹介です。ありがとうございます。

    最初は、中学高校生の学生生活を綴ったものかな、若いな、と思って読む進めていました。

    若いころ、学生だったころ、誰でもおなじような思いで青春時代を過ごしたこととと思います。いまではそのころを思い出すと、なぜかじりじりと暑かった夏の日を匂いと音が蘇るだけなのですが。。。

    それぞれみんなに思い出もあるでしょうが、実は一瞬なんですね。
    思い出はその人にとってはかけがえのないものです。
    一瞬一瞬、そのときしかないからいいのでしょうね。

    そんなときを共有していたともだち。
    ともだちが集まります。

    +++

    読後感は、「にじいろガーデン」にどことなく似ています。
    (そう感じました。他人からどう見えるかは関係なく、とにかく本人たちはそれぞれとてもかけがえのないもの、そう思っている、そんな感じですね。)

  • 友だち100人出来なくなったって構わない。一生の友だちが一人でもいれば、それは幸せなこと。

    事故で松葉杖を使うことになった女の子は、その日を境に周りの友達であった子達と距離ができ、とある友だちとの巡り逢いで、自分の友だち観が変わっていく。きみの物語の語り手を知った瞬間と結末に号泣必至。

    • ikkeiさん
      私もこの本好きです。いいねありがとうございます。
      私もこの本好きです。いいねありがとうございます。
      2023/03/05
    • マメムさん
      ikkeiさん、こちらこそコメントありがとうございます♪

      ikkeiさんの本棚拝見しましたが、すごい読書量ですね。羨ましいです!!
      ikkeiさん、こちらこそコメントありがとうございます♪

      ikkeiさんの本棚拝見しましたが、すごい読書量ですね。羨ましいです!!
      2023/03/05
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著者プロフィール

重松清
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木三十五賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『カシオペアの丘で』『とんび』『ステップ』『きみ去りしのち』『峠うどん物語』など多数。

「2023年 『カモナマイハウス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

重松清の作品

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