青い鳥 (新潮文庫)

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  • 新潮社 (2010年6月29日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (448ページ) / ISBN・EAN: 9784101349268

みんなの感想まとめ

心の孤独を抱える生徒たちに寄り添う中学の非常勤講師、村内先生の物語は、温かい感動と深い共感を呼び起こします。彼は教え諭すのではなく、ただそばにいて、生徒の心に寄り添うことで、彼らが抱える様々な背景や痛...

感想・レビュー・書評

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  • 2024.4.2 読了 ☆9.6/10.0



    主人公の村内先生は、中学の非常勤講師。
    先生は、様々な理由で“ひとりぼっち”の心を持つ生徒の前に現れ、教え諭すでもなく、ただそばにいて、生徒たちの気持ちに寄り添ってくれます。
    そして“大切なこと”しか喋りません。


    先生には、“ひとりぼっち”の生徒のそばにいる事という、授業より大切な仕事があるのです。


    登場する生徒たちは、学校で上手くしゃべれない子や、クラスでいじめにあった子、お父さんが自殺をしてしまった子、親に愛されなかった子、そんな背景を抱えた子たちです。


    そのひとりひとりに心を開かせてくれる先生。

    各話、温かい涙が胸の奥にとめどなく溢れてきます。


    村内先生の良さは、言葉では語りつくせない…
    村内先生に会えた子は、幸せです。


    「たいせつなこと」は「そばにいること」
    学校の先生は、みんなの味方でもないし、敵でもない。
    正しいことと、たいせつなことは違う。


    とても良い本に出会えました。
    いつまでも心に留めておきたいことばかりです。

    • 土瓶さん
      わーーーーーさん、こんばんは^^
      阿部寛さん主演で映画にもなりましたよね。
      最終話が一番好きです。涙腺が危険です。
      わーーーーーさん、こんばんは^^
      阿部寛さん主演で映画にもなりましたよね。
      最終話が一番好きです。涙腺が危険です。
      2024/04/02
  • 言葉やない心や〜
    を体現してるな。

    多分、自身も吃音という障害を持っているから、独りぼっちの気持ちが分かるのかもしれんな。
    やっぱり、自身で体験せんと分からんもん。
    何か、色んな学校を渡り歩いて、そこにいる独りの生徒に寄り添う。
    「助けに来たで!」とかいう恩義せがましい言葉やなく「間に合った〜」
    あとがきでは、ヒーローって書いてあったけど、まぁ、そういう名称が合ってるかは微妙やけど、そうかな…
    特命教員みたいなもんなんかな?生徒を救ってくれるけど、先生の事何も分からん。家も家族おるかとか、何にも…
    だからこそヒーローなんかもね。
    ずっと、みんなを救ってあげて〜!



    何故か、村内先生が、コロナウィルスで有名になった京大 M沢准教授とオーバーラップする。

  • 主人公の村内先生は、中学の非常勤講師。
    先生は、様々な理由で“ひとりぼっち”の心を持つ生徒の前に現れる。
    そして“大切なこと”しか喋らない。
    そして先生には、授業より大切な仕事がある。
    それは“ひとりぼっち”の生徒のそばにいる事…

    8編(8人)のストーリーだが、最初の「ハンカチ」は、卒業式絡みのお話で、いきなり涙腺がゆるむ。
    一度緩んだ涙腺は、次の話に進んでも元に戻ることはない(TT)

    最後の「カッコウの卵」だけは、先生の元教え子で22歳の青年のお話。
    今はもう“ひとりぼっち”じゃない。
    そばにいる家族が出来た。
    そう、未来は明るい!

    あとがきで著者が、この作品は“ヒーローを主人公にした物語”と書いている。
    本当に2話目、3話目、と読み進めていくと、村内先生がヒーローに見えてくる。
    ビジュアルはオジサンなんだけどね(^.^;

    この本をオススメしてくれた土瓶さん、ありがとうございます。
    素敵な作品でした。
    そして、完敗。瞬殺でした(笑)
    特に最終話はヤバいです(TT)

    • いるかさん
      aoi-soraさん 松子さん

      ありがとうございます。
      愛称 お任せしますよ~

      ブクログでつながっていくのが楽しいですね。。
      aoi-soraさん 松子さん

      ありがとうございます。
      愛称 お任せしますよ~

      ブクログでつながっていくのが楽しいですね。。
      2022/06/17
    • aoi-soraさん
      ひろさん、読みたい本が山積み♪
      私も同じく(笑)
      「青い鳥」、ひろさんも好きなやつですよ。きっと(^^)
      でも慌てず、読みたい本から順...
      ひろさん、読みたい本が山積み♪
      私も同じく(笑)
      「青い鳥」、ひろさんも好きなやつですよ。きっと(^^)
      でも慌てず、読みたい本から順に読んでいこうね(^^)
      2022/06/17
    • 松子さん
      こんばんは(^^)
      ふふ、いるかのいっちゃん♪ かわいいです。
      いっちゃん、ありがとうございます♡
      これからもどうぞお願いいたします。

      あ...
      こんばんは(^^)
      ふふ、いるかのいっちゃん♪ かわいいです。
      いっちゃん、ありがとうございます♡
      これからもどうぞお願いいたします。

      あおちゃん、コメント欄お借りしてごめんなさい。失礼しました(´ω`)
      2022/06/17
  • 吃音を抱える村内先生が、色々な学校の、色々な辛さと孤独を抱えているこどもに寄り添い、救っていく。

    こんなに優しい話を書けるなんて、作者の重松清さんの事をもっと知りたくなる、そんな小説でした。

    あとがきに、ご自身が教員免許を持ちながら自身の吃音のために教師になることを諦められた経緯が書かれていました。いわゆるみんなと異なる経験に裏打ちされた、とてもリアリティのある小説でした。

    一番印象に残った、おそらく村内先生の寄り添い方の核心かと思う、ある生徒とのやり取りです。
    「自分の思いが伝えられなくて、わかってもらえなくて、だれともつながっていないと思う子は、ひとりぼっちなんだよ、やっぱり。先生は、ひとりぼっちの子のそばにいる、もう一人の一人ぼっちになりたいんだ。だから先生は、先生をやっているんだ。」

  • 青い鳥を探す少年少女達を 一人の臨時国語教師が彼らに寄り添い、歪んだ心の形をそっと治そうとするオムニバス。8編・8人・8様の悩みと葛藤。
    村内先生は、突然、必然に現れる。吃音の為多くを語らず、大切な事は何かを教えてくれる。

    中学生くらいの人間関係は、本当に難しい。誰もが触れ方を間違えると、壊れてしまいそうな危ういバランスを保ちながら、教室に留まる。作者は、この息苦しさを描くのが本当に上手い。まるで、その教室に座っているかの様な、思春期の想い出をえぐられる様な気持ちになる。今、当事者である年代には、共感よりも辛い作品かもしれない。

    幾つになっても青い鳥を探して、何処へ行っても隣の芝生は青い。隣の花は赤いし、隣の糠味噌はなんとか。

    最後の「かっこうの卵」は、村内先生が「間に合って良かった。」教え子の未来像。自らの境遇を受け入れ、守るべきものを見つけ、自分の家を作った青年のお話。
    aoi-soraさん、一敗です。
    涙腺は辛い話よりも、最後のこんな幸福論に弱かったです。

    • おびのりさん
      お疲れ様です。薔薇の名前。

      そうです。最終話でやられました。
      涙腺緩んで良かったです。

      薔薇の名前は、映画を見ました。重っっもいですよね...
      お疲れ様です。薔薇の名前。

      そうです。最終話でやられました。
      涙腺緩んで良かったです。

      薔薇の名前は、映画を見ました。重っっもいですよね。上の娘が、何かの授業の課題が、映画視聴で、付き合いました。
      よくぞ、お読みになりました。
      2022/06/05
    • aoi-soraさん
      おびさん、土瓶さん、こんばんは。
      やっぱり“青い鳥”は泣けるんですね。
      おびさんの涙腺は、北風と太陽で言うと太陽の方でしょうか?

      ...
      おびさん、土瓶さん、こんばんは。
      やっぱり“青い鳥”は泣けるんですね。
      おびさんの涙腺は、北風と太陽で言うと太陽の方でしょうか?

      私の次回涙活は“ライオンのおやつ”か“青い鳥”にしようかと考えてます。

      阿部寛さん、ズルいですよね。
      大好きな俳優さんの一人です^_^
      2022/06/05
    • おびのりさん
      aoi-sora さん

      おはようございます。
      さすが、上手いことおっしゃいます。
      はい、そうでした。お日様に弱そうです。
      振り返ると、お日...
      aoi-sora さん

      おはようございます。
      さすが、上手いことおっしゃいます。
      はい、そうでした。お日様に弱そうです。
      振り返ると、お日様系読んでいないかもしれません。ありがとうございました。
      次は、椿山課長読んでます。
      2022/06/06
  • 中学の非常勤講師、村内先生は、うまくしゃべれないけれど、一所懸命生徒に寄り添ってくれる。
    学校でしゃべれない子や、クラスでいじめにあった子、お父さんが自殺をしてしまった子、親に愛されなかった子、そんなひとりひとりに心を開かせてくれる先生。
    温かい涙が胸の奥にとめどなく溢れてきます。
    草野心平の詩に、泣いてしまった。
    村内先生の良さは、言葉では語りつくせない。
    村内先生に会えた子は、幸せだ。

    「たいせつなこと」は「そばにいること」
    学校の先生は、みんなの味方でもないし、敵でもない。
    正しいことと、たいせつなことは違う。

    とても良い本に出会えました。
    いつまでも心に留めておきたいことばかりです。

  • ・カ行とサ行と濁音が苦手な吃音の中学の国語教師の村内先生が、臨時教師としていろんな学校を舞台とした連作短編小説。
    村内先生は大切なことしかしゃべらない。一人ぼっちの子の傍に居て、その子に「間に合って良かった。」と言ってくれる。様々な傷を抱えた多感な思春期の中学生達の傍に居る。その子の家庭環境や考え方、感じ方などをさりげなくリサーチしていたり、悩んでいるこの背中をそっと優しく押してくれるような言葉をかけてくれる。こんな先生に自分も出会いたかった。そう思うくらい良い作品でした。
    ・ストレスの多い現代社会にこそ村内先生のような存在は求められる気がする。

  • 非常勤で吃音の村内先生は上手く話すことができない。でも先生には授業よりも、もっともっと大切な仕事がある。ひとりぼっちの心にそっと寄り添いそばにいてくれる。温かな物語。

    最後の『カッコウの卵』は一緒になって万歳してしまうほど感動しました。

    人として正しいことよりも、人として大切なことを教えてくれる物語です。

  • みんなと一緒でないと不安だもんな。
    いじめって、そんなことがきっかけなのかもしれない。1人にならないために。
    自分がたいせつだと思うことでも、他の人が賛同してくれないと不安だし、意見を曲げてしまうこともあると思う。
    そばにいることって、とてもたいせつだと思いました。
    村内先生は、そばにいるべき生徒と向き合うために非常勤の教員としてあらわれる。村内先生しか向き合えない仕事なのだと思う。
    村内先生も過去に生徒として、そんな先生との出会いがあったのかもしれない。

  • 私にとって、初の重松清さん。
    前々から読んでみたいとは思っていた作家さんですが、子供が出てくる話が苦手で、家族小説が苦手で、つい敬遠していました。
    でも、いつか見た映画を、ふと思い出しました。
    たしか阿部寛さんが主演で、吃音の先生が出てくる話だったと記憶しています。あれはおもしろかった。
    「あれならいいか」と、手に取りました。
    良かったです。
    加害者の側になってしまって孤立する生徒のそばに寄り添い、癒してくれる村内先生。
    初対面なのに懐かしそうに笑う、阿部寛さん演じる村内先生が目に浮かびます。
    小説ではもっとオジサンくさそうですが。
    八篇の短編集です。
    うち二編でうるっときたのは秘密です。
    ずるいよな~。

  • 8話の短編集。どの話しにも、問題を抱えた不幸な子どもたちが出て来て、気分がかなり滅入ったが、ラストの3話ではホロッとさせられた。

  • ▪️サマリー
    ・学校を舞台にした8つの短編集。
    ・主人公は国語教師の村内先生。
    ・先生は吃音なため、話す時にカ行とタ行でつっかえてしまう。
    ・先生は、つっかえながらも悩みを抱える生徒に
     「たいせつなこと」を伝え、見守る姿勢を貫く。

    ▪️心に残るフレーズ(一部、言い回しを変更)
    ・ひとりぼっちが二人いれば、それはひとりぼっちではない。
    ・先生は、ひとりぼっちの子のそばにいて、もう一人のひとりぼっちになるために、先生をやっている。
    ・先生は、生徒を助けたとは言わない、間に合ったという。

    ▪️つぶやき
    学生時代に教わった先生は、多感な時代に成長していく子どもにとっては、大きな存在になる。
    私も遥か昔のあの先生にあんなこと(勉学以外の人生の教訓)を教わったなぁと本書を読みながら、懐かしい気持ちになった。
    村内先生のように、つまり生徒をより良い方へ誘うきっかけを与える先生に私が出会えていれば、私の人生も幾ばくか良い方向へ道が開かれたのにと感じた。残念。
    さて、作者の重松清さんは、教師を志したが吃音を持っており、教師の道を断念されたようだ。
    村内先生にご自身を重ね合わされたのかもしれない。

  • 誰も助けない。何もしない。ただそばにいてあげるだけ。でもそんな事が一番必要な子供達がいる。
    またやられてしまった、重松清には。
    悩める人の心のヒダを丁寧にゆっくりと開いていく、彼の筆力は唯一無二。
    参りました。また読みます。それまでお元気で!

    • りまのさん
      kakaneさん
      フォローありがとうございます!
      重松清さんは、気になる作家さんなのですが、まだ読んだ事がありません。いずれかに、読みたいで...
      kakaneさん
      フォローありがとうございます!
      重松清さんは、気になる作家さんなのですが、まだ読んだ事がありません。いずれかに、読みたいです。
      どうぞよろしくお願いいたします。  りまの
      2021/01/27
    • kakaneさん
      りまのさん

      コメントありがとうございます。
      重松さんはハズレがあまりない作家です。
      特に親子の絆を表現させたら右に出る者はないと思っていま...
      りまのさん

      コメントありがとうございます。
      重松さんはハズレがあまりない作家です。
      特に親子の絆を表現させたら右に出る者はないと思っています。新たな作家にチャレンジして充実した読書をお楽しみください♪
      2021/01/27
  • 読むのは2度目になりますが、何度も読み返したくなる作品です。

    私も、ひとりぼっちだった時期がありました。
    中学の時、学校には味方なんて誰もいなくて、誰にも助けを求められなくて。
    まして先生なんてもってのほかでした。

    村内先生のような先生がいてくれていたら、そっとそばにいてくれていたら、私の中学の思い出も少しは良いものに変わっていたでしょうか。

    ちょっと可笑しくて、どうしようもなく切なくなる。
    けれど、読んだ後は心がじんわりあったかくなる。
    そんな作品だと思います。

  •  読んでいると気持ちが辛くなった。それほど人の悲しい感情を細かく描いてると思う。
     舞台が学校だが、学生時代読んでも響かないかもしれない。それくらい深い内容だと思う。
     最近人に安易にアドバイスできなくなってきた。多くのことを経験、知ることにより、多方面からものを見ることができるようになった。そのため答えが出ててもできないことがあることに気づいたかもしれない。
     一人にさせないってことが子供だけではなく、大人にも必要な気がする。
     嘘をつくのは、一人になりなくないため、その通りだと思った。

  • ひどい吃音で上手く喋れない、そのため大切なことだけを一生懸命に喋る異色の臨時国語教員、村内先生。学校に溶け込めず、孤立し、問題行動を起こしている生徒の下に現れ、数週間その生徒に言葉少なに寄り添って心を解きほぐしては去っていく。不恰好だが圧倒的な魅力を放つヒーロー教師もの。

    「ハンカチ」(場面緘黙症女子の卒業式への参加)、「ひむりーる独唱」(傷害癖(?)のある男子の孤独)、「おまもり」(父親の交通事故の償いと家族の絆)、「青い鳥」(自殺未遂へと追い詰めた加害生徒の気づき)、「静かな楽隊」(イジメ女子の攻撃性に潜む劣等感)、「拝啓ねずみ大王さま」(悲しいトラウマを抱えた転校生の融和)、「進路は北へ」(閉塞感を嫌悪して内部進学を蹴る女子の気持ち)、「カッコウの卵」(かつての教え子の成長)の8篇収録。

    各篇で描かれている思春期の子供の不安定さ、ナイーブさ、残酷さ、狂暴さ。子供達への深い理解がないとここまで描き込めないよな。凄い!

    この8篇の中では、報われ感のある「おまもり」が特に好き。一方、「ひむりーる独唱」の他人や生き物の痛みが理解できない主人公は怖かった。一歩間違えばサイコパズルだよな。

    村内先生のような救世主が現実にいれば、道を踏み外すことなく救われる子供も多いのかな。著者あとがきに、「教員免許を取得しながら、じつを言うと吃音のコンプレックスに押しつぶされた格好で教師になることをあきらめた僕の、ありえたかもしれないもう一つの人生を、村内先生に託したかった」とあるのが胸に響いた。

  • 吃音の非常勤国語教師・村内先生が、思春期の中学生たちに寄り添い、大切なことを教える姿を描いた物語。
    村内先生は言葉をつっかえながらも、余計なことを省き、心を込めて生徒に伝える。そのシンプルで真摯な言葉が、生徒たちの心に深く響く。

    村内先生が伝えたかったのは、「あなたはひとりぼっちではない」という事。完璧な人間は存在せず、誰もが誰かに必要。先生自身、吃音を持ちながらも、それを必要とする生徒がいるように、誰もが自分を必要としてくれる人がいる。そして先生の言葉は、かつて中学生だったすべての大人たちの心にも深く響き、他者とのつながりを大切にすることの重要性を教えてくれた。
    本書はどの世代が読んでも心が響く、温かく優しい物語です。

  • 作者はどうしてこんなに中学生の難しい心情がわかるのか、学校の先生なのかなと思いながら読んだけど、
    あとがきでは学校の先生を諦めたとあった
    重松さんが学校の先生になってたら、きっといい先生だったんだろうなと思った
    全部いい話で涙が出た話もあった

  • 村内先生が登場するたびに涙が出てきて感動させられぱっなしでした。
    読んでいて切なく苦しくなるところもありましたが出会えてよかった本のひとつになりました。

  • 自分的24年上半期、大賞の作品でした。(2007年の作品)

    重松清さんの話は、物語をただ追いかけるだけの話ではないと改めて感じました。読後、ちゃんと自分の糧になってる感じがします。
    ただ読んでほっこりするとかではなくて、心の傷の痛みがひしひし伝わり、胸に迫るシーンやセリフから、本当の意味で、優しい気持ちになれます。
    なんというか色んな物事を考えられるきっかけになったり、経験したことのない体験を感じられて、読書っていいなぁと思わせてくれる本というか…
    生半可じゃない作品です。


    ◾️おまもり
    交通事故の加害者の父をもつ女の子が主人公。
    部活の友達が別の交通事故の被害者。
    両方の立場を享受する女の子の心の動きが、読み手の心をキューッとさせます。
    すごくホッとして、すごく好きな話。

    ◾️青い鳥
    クラスで起きたいじめの加害者の一人が主人公の物語。
    忘れることや逃げることは人にとって必要な場合もあると思う。でも、楽になりたい一心で、自分がしたことの責任に向き合いたくないから、忘れたり、逃げる人もいると思う。
    村内先生は、それは卑怯だという。
    自分がなりたい自分である為に、責任と向き合えるかどうかが、その人の一生を決める気がします。

    ◾️拝啓ねずみ大王さま
    p307間に合ったんだ。富田くんも。
    自分を。嫌いになる前に。間に合ったんだよ。きみは。

    →この言葉は、この本の中でも一番好きな言葉。
    自分を嫌いになる時期は、誰しもあると思います。
    自分が自分を好きでいれるように生きることって、生き方の軸として素敵。

    ◾️進路は北へ
    p364うまくしゃべれないっていうのはつらいんだ。自分の思いが伝えられないのはひとりぼっちになるってことなんだ。言葉がつっかえなくても自分の思いが伝えられなくて、わかってもらえなくて、誰ともつながっていないと思う子はひとりぼっちなんだよ、やっぱり。
    でも、ひとりぼっちが二人いれば、それはもうひとりぼっちじゃないんじゃないかって先生は思う。
    先生はひとりぼっちの子のそばにいるもう一人のひとりぼっちになりたいんだ。だから先生は先生をやってるんだ。

    →吃音である村内先生だからこそ、気持ちをうまく言葉にできない子への思いやりを感じるシーンですごく響きました。
    上手くできない人、弱ってる人に、優しくできる人って、自分の憧れるかっこいい人です。

    ◾️カッコウの卵
    「そばにいる」ってどういうことかを知れるお話。
    ひとりぼっちを知ってるてっちゃんに、誰かがそばにいる喜びを知って誰かのそばにいてあげて。
    という村内先生の優しさが沁みる…

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著者プロフィール

重松清
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木三十五賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『カシオペアの丘で』『とんび』『ステップ』『きみ去りしのち』『峠うどん物語』など多数。

「2023年 『カモナマイハウス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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