青い鳥 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
4.28
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感想 : 630
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  • Amazon.co.jp ・本 (437ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101349268

作品紹介・あらすじ

村内先生は、中学の非常勤講師。国語の先生なのに、言葉がつっかえてうまく話せない。でも先生には、授業よりももっと、大事な仕事があるんだ。いじめの加害者になってしまった生徒、父親の自殺に苦しむ生徒、気持ちを伝えられずに抱え込む生徒、家庭を知らずに育った生徒-後悔、責任、そして希望。ひとりぼっちの心にそっと寄り添い、本当にたいせつなことは何かを教えてくれる物語。

感想・レビュー・書評

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  • 言葉やない心や〜
    を体現してるな。

    多分、自身も吃音という障害を持っているから、独りぼっちの気持ちが分かるのかもしれんな。
    やっぱり、自身で体験せんと分からんもん。
    何か、色んな学校を渡り歩いて、そこにいる独りの生徒に寄り添う。
    「助けに来たで!」とかいう恩義せがましい言葉やなく「間に合った〜」
    あとがきでは、ヒーローって書いてあったけど、まぁ、そういう名称が合ってるかは微妙やけど、そうかな…
    特命教員みたいなもんなんかな?生徒を救ってくれるけど、先生の事何も分からん。家も家族おるかとか、何にも…
    だからこそヒーローなんかもね。
    ずっと、みんなを救ってあげて〜!



    何故か、村内先生が、コロナウィルスで有名になった京大 M沢准教授とオーバーラップする。

  • 主人公の村内先生は、中学の非常勤講師。
    先生は、様々な理由で“ひとりぼっち”の心を持つ生徒の前に現れる。
    そして“大切なこと”しか喋らない。
    そして先生には、授業より大切な仕事がある。
    それは“ひとりぼっち”の生徒のそばにいる事…

    8編(8人)のストーリーだが、最初の「ハンカチ」は、卒業式絡みのお話で、いきなり涙腺がゆるむ。
    一度緩んだ涙腺は、次の話に進んでも元に戻ることはない(TT)

    最後の「カッコウの卵」だけは、先生の元教え子で22歳の青年のお話。
    今はもう“ひとりぼっち”じゃない。
    そばにいる家族が出来た。
    そう、未来は明るい!

    あとがきで著者が、この作品は“ヒーローを主人公にした物語”と書いている。
    本当に2話目、3話目、と読み進めていくと、村内先生がヒーローに見えてくる。
    ビジュアルはオジサンなんだけどね(^.^;

    この本をオススメしてくれた土瓶さん、ありがとうございます。
    素敵な作品でした。
    そして、完敗。瞬殺でした(笑)
    特に最終話はヤバいです(TT)

    • いるかさん
      aoi-soraさん 松子さん

      ありがとうございます。
      愛称 お任せしますよ~

      ブクログでつながっていくのが楽しいですね。。
      aoi-soraさん 松子さん

      ありがとうございます。
      愛称 お任せしますよ~

      ブクログでつながっていくのが楽しいですね。。
      2022/06/17
    • aoi-soraさん
      ひろさん、読みたい本が山積み♪
      私も同じく(笑)
      「青い鳥」、ひろさんも好きなやつですよ。きっと(^^)
      でも慌てず、読みたい本から順...
      ひろさん、読みたい本が山積み♪
      私も同じく(笑)
      「青い鳥」、ひろさんも好きなやつですよ。きっと(^^)
      でも慌てず、読みたい本から順に読んでいこうね(^^)
      2022/06/17
    • 松子さん
      こんばんは(^^)
      ふふ、いるかのいっちゃん♪ かわいいです。
      いっちゃん、ありがとうございます♡
      これからもどうぞお願いいたします。

      あ...
      こんばんは(^^)
      ふふ、いるかのいっちゃん♪ かわいいです。
      いっちゃん、ありがとうございます♡
      これからもどうぞお願いいたします。

      あおちゃん、コメント欄お借りしてごめんなさい。失礼しました(´ω`)
      2022/06/17
  • 中学の非常勤講師、村内先生は、うまくしゃべれないけれど、一所懸命生徒に寄り添ってくれる。
    学校でしゃべれない子や、クラスでいじめにあった子、お父さんが自殺をしてしまった子、親に愛されなかった子、そんなひとりひとりに心を開かせてくれる先生。
    温かい涙が胸の奥にとめどなく溢れてきます。
    草野心平の詩に、泣いてしまった。
    村内先生の良さは、言葉では語りつくせない。
    村内先生に会えた子は、幸せだ。

    「たいせつなこと」は「そばにいること」
    学校の先生は、みんなの味方でもないし、敵でもない。
    正しいことと、たいせつなことは違う。

    とても良い本に出会えました。
    いつまでも心に留めておきたいことばかりです。

  • 青い鳥を探す少年少女達を 一人の臨時国語教師が彼らに寄り添い、歪んだ心の形をそっと治そうとするオムニバス。8編・8人・8様の悩みと葛藤。
    村内先生は、突然、必然に現れる。吃音の為多くを語らず、大切な事は何かを教えてくれる。

    中学生くらいの人間関係は、本当に難しい。誰もが触れ方を間違えると、壊れてしまいそうな危ういバランスを保ちながら、教室に留まる。作者は、この息苦しさを描くのが本当に上手い。まるで、その教室に座っているかの様な、思春期の想い出をえぐられる様な気持ちになる。今、当事者である年代には、共感よりも辛い作品かもしれない。

    幾つになっても青い鳥を探して、何処へ行っても隣の芝生は青い。隣の花は赤いし、隣の糠味噌はなんとか。

    最後の「かっこうの卵」は、村内先生が「間に合って良かった。」教え子の未来像。自らの境遇を受け入れ、守るべきものを見つけ、自分の家を作った青年のお話。
    aoi-soraさん、一敗です。
    涙腺は辛い話よりも、最後のこんな幸福論に弱かったです。

    • おびのりさん
      お疲れ様です。薔薇の名前。

      そうです。最終話でやられました。
      涙腺緩んで良かったです。

      薔薇の名前は、映画を見ました。重っっもいですよね...
      お疲れ様です。薔薇の名前。

      そうです。最終話でやられました。
      涙腺緩んで良かったです。

      薔薇の名前は、映画を見ました。重っっもいですよね。上の娘が、何かの授業の課題が、映画視聴で、付き合いました。
      よくぞ、お読みになりました。
      2022/06/05
    • aoi-soraさん
      おびさん、土瓶さん、こんばんは。
      やっぱり“青い鳥”は泣けるんですね。
      おびさんの涙腺は、北風と太陽で言うと太陽の方でしょうか?

      ...
      おびさん、土瓶さん、こんばんは。
      やっぱり“青い鳥”は泣けるんですね。
      おびさんの涙腺は、北風と太陽で言うと太陽の方でしょうか?

      私の次回涙活は“ライオンのおやつ”か“青い鳥”にしようかと考えてます。

      阿部寛さん、ズルいですよね。
      大好きな俳優さんの一人です^_^
      2022/06/05
    • おびのりさん
      aoi-sora さん

      おはようございます。
      さすが、上手いことおっしゃいます。
      はい、そうでした。お日様に弱そうです。
      振り返ると、お日...
      aoi-sora さん

      おはようございます。
      さすが、上手いことおっしゃいます。
      はい、そうでした。お日様に弱そうです。
      振り返ると、お日様系読んでいないかもしれません。ありがとうございました。
      次は、椿山課長読んでます。
      2022/06/06
  • ・カ行とサ行と濁音が苦手な吃音の中学の国語教師の村内先生が、臨時教師としていろんな学校を舞台とした連作短編小説。
    村内先生は大切なことしかしゃべらない。一人ぼっちの子の傍に居て、その子に「間に合って良かった。」と言ってくれる。様々な傷を抱えた多感な思春期の中学生達の傍に居る。その子の家庭環境や考え方、感じ方などをさりげなくリサーチしていたり、悩んでいるこの背中をそっと優しく押してくれるような言葉をかけてくれる。こんな先生に自分も出会いたかった。そう思うくらい良い作品でした。
    ・ストレスの多い現代社会にこそ村内先生のような存在は求められる気がする。

  • 非常勤で吃音の村内先生は上手く話すことができない。でも先生には授業よりも、もっともっと大切な仕事がある。ひとりぼっちの心にそっと寄り添いそばにいてくれる。温かな物語。

    最後の『カッコウの卵』は一緒になって万歳してしまうほど感動しました。

    人として正しいことよりも、人として大切なことを教えてくれる物語です。

  • ひとりぼっちじゃない。そばにいる。
    たいせつなことを教えるためにやってきたヒーロー、国語の非常勤講師、村内先生。
    見た目はもっさりした風貌のオジサンなんだけど、彼は間違いなくヒーローだ。

    しゃべられなくなった子。
    父親が交通事故の加害者になった子。
    いじめられて転校していった子。
    私立の受験に失敗した子。
    父親が自殺した子。
    それぞれ孤独を抱えた生徒たちの前にヒーローは現れる。
    そして言う「間に合ってよかった」。

    学校という閉鎖的で逃げ場のない空間。
    思春期で多感な子どもたちにとっては、すべてが紙一重。ふとした瞬間に崩れてしまう危うさがある。
    誰もがどの立場にもなりえる話だと思う。

    こんなにも人の心の痛みがわかるのは、村内先生自身が誰より孤独を抱えてきた人だからだろう。
    吃音があって、言葉を話すことが苦手。
    だから、たいせつなことしか言わない。
    そんな彼を見ているうちに、言葉よりもたいせつなことがあると気付かされる。
    言葉を使えるからこそ、言葉に頼りすぎていた気がする。

    本気で伝えたいことがある人間は強い。
    最初の数ページから涙だった。
    この本に出会えてよかった。

    • 土瓶さん
      ひろさん、こんばんは~^^
      最初の数ページから涙でしたか。
      速い。早すぎます。気持ちはわからなくはありませんが違反級に早いです(笑)
      ...
      ひろさん、こんばんは~^^
      最初の数ページから涙でしたか。
      速い。早すぎます。気持ちはわからなくはありませんが違反級に早いです(笑)
      ラストの話は危険でした。
      2022/10/13
    • aoi-soraさん
      ひろちゃん、こんばんは^⁠_⁠^

      そうだよね。
      最初っからだよね。⁠

      土瓶さん、卒業式がらみは危険なんです。
      反則ですよ〜。⁠:゚⁠(⁠...
      ひろちゃん、こんばんは^⁠_⁠^

      そうだよね。
      最初っからだよね。⁠

      土瓶さん、卒業式がらみは危険なんです。
      反則ですよ〜。⁠:゚⁠(⁠;⁠´⁠∩⁠`⁠;⁠)゚⁠:⁠。
      2022/10/13
    • ひろさん
      どんちゃん、あおちゃん、おはようございます!
      いやぁもうこの本が違反級に泣けますよ~(TT)
      ラストの話は涙腺が崩壊です。よい出会いが人生を...
      どんちゃん、あおちゃん、おはようございます!
      いやぁもうこの本が違反級に泣けますよ~(TT)
      ラストの話は涙腺が崩壊です。よい出会いが人生を変えたんだなぁとしみじみ思いました。
      どんちゃん、あおちゃん、こんなに素晴らしい本を教えてくださり、ありがとうございました(*´︶`*)♡
      2022/10/14
  • 私にとって、初の重松清さん。
    前々から読んでみたいとは思っていた作家さんですが、子供が出てくる話が苦手で、家族小説が苦手で、つい敬遠していました。
    でも、いつか見た映画を、ふと思い出しました。
    たしか阿部寛さんが主演で、吃音の先生が出てくる話だったと記憶しています。あれはおもしろかった。
    「あれならいいか」と、手に取りました。
    良かったです。
    加害者の側になってしまって孤立する生徒のそばに寄り添い、癒してくれる村内先生。
    初対面なのに懐かしそうに笑う、阿部寛さん演じる村内先生が目に浮かびます。
    小説ではもっとオジサンくさそうですが。
    八篇の短編集です。
    うち二編でうるっときたのは秘密です。
    ずるいよな~。

  • 誰も助けない。何もしない。ただそばにいてあげるだけ。でもそんな事が一番必要な子供達がいる。
    またやられてしまった、重松清には。
    悩める人の心のヒダを丁寧にゆっくりと開いていく、彼の筆力は唯一無二。
    参りました。また読みます。それまでお元気で!

    • りまのさん
      kakaneさん
      フォローありがとうございます!
      重松清さんは、気になる作家さんなのですが、まだ読んだ事がありません。いずれかに、読みたいで...
      kakaneさん
      フォローありがとうございます!
      重松清さんは、気になる作家さんなのですが、まだ読んだ事がありません。いずれかに、読みたいです。
      どうぞよろしくお願いいたします。  りまの
      2021/01/27
    • kakaneさん
      りまのさん

      コメントありがとうございます。
      重松さんはハズレがあまりない作家です。
      特に親子の絆を表現させたら右に出る者はないと思っていま...
      りまのさん

      コメントありがとうございます。
      重松さんはハズレがあまりない作家です。
      特に親子の絆を表現させたら右に出る者はないと思っています。新たな作家にチャレンジして充実した読書をお楽しみください♪
      2021/01/27
  • 読むのは2度目になりますが、何度も読み返したくなる作品です。

    私も、ひとりぼっちだった時期がありました。
    中学の時、学校には味方なんて誰もいなくて、誰にも助けを求められなくて。
    まして先生なんてもってのほかでした。

    村内先生のような先生がいてくれていたら、そっとそばにいてくれていたら、私の中学の思い出も少しは良いものに変わっていたでしょうか。

    ちょっと可笑しくて、どうしようもなく切なくなる。
    けれど、読んだ後は心がじんわりあったかくなる。
    そんな作品だと思います。

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著者プロフィール

重松清
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木三十五賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『カシオペアの丘で』『とんび』『ステップ』『きみ去りしのち』『峠うどん物語』など多数。

「2023年 『カモナマイハウス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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