ロング・ロング・アゴー (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101349305

作品紹介・あらすじ

最後まで誇り高かったクラスの女王さま。親戚中の嫌われ者のおじさん。不運つづきでも笑顔だった幼なじみ。おとなになって思いだす初恋の相手。そして、子どもの頃のイタい自分。あの頃から時は流れ、私たちはこんなにも遠く離れてしまった。でも、信じている。いつかまた、もう一度会えるよね-。「こんなはずじゃなかった人生」に訪れた、小さな奇跡を描く六つの物語。

感想・レビュー・書評

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  • この頃、本を読むと、眠くなるので、もう小説は、読めないかも、と思いながら、短編集なら、と、図書館で借りてきたこの本を、返却期限1日前になって、読んでみた。
    すごく、すごく良かったです。
    最初の短編、「いいものあげる」を、読み終えたとたん、涙腺が、崩壊した。この話が、1番好き。
    後の話も、皆良かったです。
    「永遠」と、「人生はブラの上を」は、読後感が、とても良かった。

    重松清が、大好きになりました。
    他の小説も、読んでいきたいです。

    • いるかさん
      りまのさん

      おはようございます。
      重松清さん 良いですよね~
      私も大好きで新しい本を見つけたら、必ず買っています。
      ずっと持って...
      りまのさん

      おはようございます。
      重松清さん 良いですよね~
      私も大好きで新しい本を見つけたら、必ず買っています。
      ずっと持っておきたくなるんです。。
      2021/03/14
    • りまのさん
      いるかさん
      いるかさんが、重松清さんがお好きなのをずっと覚えていました。もっと早く読めば良かったです。重松清さん、良かったです!これから読ん...
      いるかさん
      いるかさんが、重松清さんがお好きなのをずっと覚えていました。もっと早く読めば良かったです。重松清さん、良かったです!これから読んでいこうと思います。
      りまの
      2021/03/14
  • ここ最近で一番感動した。夜寝ながら読んでいると泣けてくる。良い本との出会いでした。
    大人社会、大人の都合で子供の心がかき乱されたり、友達関係にまで影響を及ぼすこともある。大人が思うより子供は世間を見ている、というお話。どの話も「こんなはずじゃなかった人生」という短編。
    なかでも「チャーリー」は圧巻だった。大人になった僕は、小4の息子がチャーリーを読むのを見、自分が好きだったキャラクターチャーリーブラウンに重ね思い出す。生き辛かった小5の頃、担任教師との気持ちのズレ、人の気持ちを察しすぎていた自分。
    <チャーリーあの時の僕の気持ちがわかるかい?>
    イタかった思い出。だけどそこには必死にもがいて頑張った子供のころの自分がいた。過去の自分との再会。

    個人的には、再会したいと思う人もいる。でも、会いたいと思う温度が同じとは限らないから、会いたいが会えない、その感じでいい。今のところは。
    むしろ、会えない日々を大切に生きよう、と訴えられている気がした。
    著者ご自身の解説のこの一節が心に染みた。
    <バイバイと手を振った友達に明日また会えること、いまはごくあたりまえの日常が、実はなかなかの幸せだったんだということが、いつか、わかる。>

  • いま一番好きな作家が重松清氏。
    単行本の「再会」も読んだけれど、もう一度文庫本番「ロング ロング アゴー」を読みました。
    「せんせい」の弟番のような6編からなる短編集。
    短編といっても、一つ一つがすごくしっかりしていて、一編を読み終わると、それぞれに余韻が残ってしまう。
    「再会」がテーマで人生って切ないけれど、今を大切にしなきゃ って感じさせる。
    ずっと手元においておきたい一冊です。

  • 読書家さんからオススメされた一冊。「再会」をテーマにした短編集とのことで、興味を惹かれた。

    自分の選好として、短編集はあまり得意ではない。どうせ読むなら、どっぷりと長編小説に浸りたい。

    果たして、「ロング・ロング・アゴー」では1編1編の密度が高く、その希望が満たされた想い。

    それぞれの短編では、登場人物の人生が切り取られる。彼らは子ども時代に誰かに出会い、大人になって再会を果たす。

    それだけの物語なのに泣けてしまう。短編ながらに、確実にエッセンスを込めてくる。短いながらも、人間の感情や関わりがしっかりと描かれているように思えた。

    人生にはどうしても抗えないイベントが発生する。子ども時代ならばなおさら。その無力感や、翻弄されてしまう自分の人生を前にして、人は何を想うのか、どう生きていくのか、そうして時間が過ぎ去った後、再会を果たしてどのような変化を読み取るのか。あるいは変わらないものとは何なのか。

    恥ずかしながら、重松清は「とんび」しか読んだことがなかった。本書を読んでみて、改めて「人情」というものを書かせたらピカイチな作家なのだろうなと、再認識。

    (書評ブログも宜しくお願いします。)
    https://www.everyday-book-reviews.com/entry/%E5%86%8D%E4%BC%9A%E3%81%AE%E7%9F%AD%E7%B7%A8%E9%9B%86_%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%82%A2%E3%82%B4%E3%83%BC_%E9%87%8D%E6%9D%BE%E6%B8%85

  • 重松清さんの本を読むたびに「やられた~」という気持ちにさせられます。今回も期待を裏切らない珠玉の6つの物語です。ずばり、主題は「再会」。幼馴染み、先生、初恋の人、幼かった頃の自分、そして好きだったキャラクター等。再会は何も実在する人間に限ったことではないんですね・・。そして、作者自身も「再会は大人の特権だと思う」と述べています。なつかしくもあり、切なくもなるのは、やはりあの頃の自分ともう一度向き合ってみるから。自然に涙がこぼれる素敵なお話たちです。
    これを読んだ後、無性に母校の校舎や、幼いころ遊んだ公園、夕暮れの坂道を駆け下りたくなりました。

  • Facebook、mixi、Twitter等のSNSが大いに賑わって久しい。
    もう卒業して疎遠になりつつあった昔のクラスメイト、トモダチ、知り合いと、何となく繋がれる。
    ネット上で友達「申請」をして、相手に「承認」されれば、もう繋がれる。
    簡単な作業で繋がれる。
    SNSでは「友達」の多さが一つのアクセサリーみたいなものだから、深い付き合いはなくても容易に承認してくれる雰囲気がある。
    そういう気軽さがヒットしているのかな、と思う。
    気軽に「再会」を果たすことができる。

    さて、本書は「再会」をテーマに短いお話が6つある。

    各お話で主人公にとって大切な過去の人が出てくる。
    それは深い深い繋がりがあったというわけでは必ずしもない。
    思い出すと笑っちゃうような思い出もあれば、苦い気持ちになるようなものもある。
    複雑な気持ちになっても、
    お話しの主人公は明日に向かってまた生きることを続けて行く。
    昔の自分がどれだけ頑張ったか、どれだけ情けなかったか、そういう過去を自分の歴史として受け入れて、
    思い通りじゃなかったかもしれない人生で、前を向いて生きていく。

    「再会」を自分が前に進むためのエネルギーに変換している気がする。

    「再会」がネット上で多発する時代。
    どれだけの人が本書のような「再会」を経験できるんだろう。

    SNS時代だからこそ、本書は多くの人に読んで欲しいと思う。


  • 冬になると、重松作品を読みたくなるのはきっと、切ないながらもハートウォーミングだから。

    今作も、いつもながら、どうしようもない人生の諸行無常を織り交ぜつつ、こどもたちの心の機敏がたくさん描かれています。

    短編集だけど、最後にさくっと繋がります。

  • 「ねえ、運が悪くても幸せなことって、あるよね…」
    ぽつりと言った私に、母は「幸せに運の良し悪しなんて関係ないわよ。ラッキーとハッピーは違うんだから」と笑ってテーブルから離れました。

    今気が付いたけど、新潮文庫の重松清の品揃えは大部分が短編集なのだ。しかも、「舞姫通信」「見張り塔からずっと」から始まっており、重松清の実質上デビューからの付き合いだった。「ナイフ」「ビタミンF」「エイジ」文学賞を獲った初期の作品群、鳴かず飛ばずの最近の短編、しかし常に家族にこだわり、テーマも新しいことに挑戦し、やって来たのだということが、この品揃えを見てわかる。

    今回のテーマは「再会」だと云う。しかし、裏のテーマがある。重松清はいつもそうだ。それは、冒頭に有る様に「運」と「幸せ」の関係である。

  • 重松清氏の本は何冊か読んできたが、割とどれも結論は読者に想像させる作品が多かったように思う。
    だが、今回は結論がある程度書かれて終わることが多かったように思う。
    短編集に共通するテーマは「再会」。
    再会できたかできなかったかだけでも結論がわかることは珍しいのでは?と率直に感じた。

    小学生~大人までがテーマになっているが、最後登場人物の繋がりも見えてきた時に
    最初と最後で本全体を「再会」で包含しているのだと気づく。
    あとがきの中で、重松清氏の言葉で「会えない時の互いの人生がより再会を豊潤にする」「毎日会えてる幸せ、日常の幸せに気づく時が来る」という部分に共感した。
    ここについては、コロナ渦で圧倒的に感じる人は増えたと思う。

    2009年に刊行され、今だから感じれる要素もあるのだろうと感じられた一冊だった。

  • ひたすら心あったか〜〜

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著者プロフィール

重松清
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木三十五賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『カシオペアの丘で』『とんび』『ステップ』『きみ去りしのち』『峠うどん物語』など多数。

「2023年 『カモナマイハウス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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