きみの町で (新潮文庫)

  • 新潮社 (2019年6月26日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (144ページ) / ISBN・EAN: 9784101349381

作品紹介・あらすじ

大切な友だちや家族を、突然失ってしまったきみ。人を好きになる、という初めての気持ちに、とまどっているきみ。「仲良しグループ」の陰口におびえてしまうきみ。「面白い奴」を演じていて、ほんとうの自分がわからなくなったきみ──。正解のない問いや、うまくいかないことにぶつかり、悩むときもある。でも、生きることを好きでいてほしい。作家が少年少女のためにつづった小さな物語集。

感想・レビュー・書評

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  • いつ読んでも間違いない重松清さん。その中では、こちらは、フランスの「こども哲学」日本語版おまけの話で書かれたものなので、少し短めででした。
    “あの町で”の4編は、こども達からも、「また明日」「またあとで」を奪った東日本大震災をめぐる物語。震災のずっと前に福島に何年か住んでいた事があって、友人もいた。大きな被害を受けた知人は居なかったけれど、電話が繋がるまで震えていた。記憶は薄れてしまうけれど、作品は長く残って欲しいと思う。

  • 小学生向けのてつがくの本。
    安易な言葉で書かれているが、日常を深く掘り下げている。初恋、陰口、いじめ、そして大震災、帰れなくなった街、二度と会えなくなった友達。
    哲学というのは、生きることを好きになるためのヒント。
    「不自由」も案外気持ちがいいものだと重松清さんは語る。不自由を楽しむことの中にも幸せはある。

  • 重松清さんの本を読むとそうそう子供時代だって色々と大変だったよな~と思い出す。
    大人になるとつい子供は良いな〜なんて思ってしまうのだけれども。
    重松清さんは理不尽な事に寄り添いそして応援してくれる。
    そして願っている。
    生きることを嫌いにならないで、と。
    そんな日もあるし、そんな事もある。けれども、楽しい事がこの先無いというわけではないと。
    押し付けがましくなく優しく伝えてくれる。

  • ◾️サマリー
    ・小中学生向けの短編集
    ・生きること、死んでしまうこと
    ・哲学を温かく教えてくれる

    ◾️所感
    本書にある文章を引用すれば、哲学とは生きることを好きになるためのヒントらしい。
    未熟かな、私はまだ哲学を学びきれていないようである。
    そもそも哲学とは、一般的に人間、世界の根本的な問いを追求する学問とのことだが、何のこっちゃである。
    幸せに生きて行くための心構えが、ほんの130ページ程度に書かれている。
    重松さんの作品は、「心の中でそういうことを考える、分かる、分かる」と共感することが多分にある。
    本作品の最初の物語、「電車は走る」が、まさにそれにあたる。
    子どもだけではなく大人が読んでも共感する。

    ◾️心に残る部分
    ぼくたちは、みんな、電車の中にいる。
    「世の中」という名前の電車に乗り合わせた乗客だ、
    ぼくたちは誰もが。
    「わたしの正しさ」は、乗っている人の数だけある。
    でも、それは必ずしも「ほかのひとの正しさ」とは一致しない。
    電車は走る。数え切れない「正しさ」は、すれ違ったりぶつかり合ったりしながら、電車に揺られている。

  • フランスで刊行された『こども哲学』シリーズの日本語版刊行にあたって、重松氏が監修をした際、各巻にあり慈なるの「おまけ話」をつけたものを集めた物。

    一つ一つは小さなお話だけど、それぞれが重松氏らしさが詰まっています。
    重松ファンなら絶対手元に置いておきたい一冊。
    大切な一冊になりました。

  • こども哲学に収録されているお話と東北大震災の一編が入った物語集。
    重松さんの文章が好きだなぁと改めて思った。子どもの頃に読んでみたかったと思うし、大人の自分でも考えさせられた。震災の話は泣ける場面もあった。
    明日もがんばろうと背中を優しく押してもらえたような、優しい言葉が心に染みた。また読み返したい一冊。






    ★「わたしの正しさ」は、乗っているひとの数だけある。でも、それは必ずしも「ほかのひとの正しさ」とは一致しない。

    ★どうして、人間には「きもち」があるんだろう。
    ★もしも、人間の心から「きもち」がなくなれば、なやんだり困ったりすることって、ずっと減るんじゃないだろうか。
    ★でも、なんの「きもち」もなく学校に通ったり家で過ごしたりする毎日は、きっとすごく退屈で、すごくつまらないだろうな。

    ★いつか、またー。その約束のはかなさを、秀樹はもう知ってしまったのだけれど。

    ★ほんとうに「不自由」だ。人間は「自由」に生きることができて、「自由」に死ぬことだってできるはずなのに、どうしてこんなに「不自由」なんだろう…。でも、ぐっすり眠ったあとは、頭がすっきりとする。お腹がいっぱいになったあとは、自然と頬がゆるむ。そして、思いっきり泣いたあとは、まるで心がシャワーを浴びたみたいにさっぱりして、足取りが軽くなって、もう一度がんばろうか、という気にもなってくる。この「不自由」さって、気持ちいいなあ。

    ★嫌な「不自由」もたくさんあるけど、気持ちいい「不自由」だっていくつもあるんだ。そんな「不自由」を楽しんで、味わって、生きていける「自由」が、俺にはあるから。

    ★ゆっくり「不自由」と付き合っていきなよ。時にはいろんな「不自由」が窮屈だったり、うっとうしかったり、文句をつけたくなったりするかもしれないけど…どうか、生きることを嫌いにならないで。

  • この本を読んで子どもの頃の事をほろ苦く思い出しました。
    グルーの中で自分の位置を気にする感じは、大人になっても、会社で、ママ友コミュニティやシュミのサークルとかどこだって人が集まればついて回る悩み。
    子どもの頃の私は大人数グループは苦手でしたが、大人数グループだった時期もありそんなときは私はなんか言われるの覚悟でトイレもしれっと一人で行っちゃうタイプでしたので空気読めない認定されてたのだろうな、など思いましたが(汗)
    震災にまつわるお話はとても切なくなってしまいます。
    子どもの朝読書にうってつけと思いました。

  • 津波被害やいじめなどの苦しい、悲しい話が多かったけど全て自分に勇気をくれたり、自身がつくものばかりだったと思う。
    ところどころ小5の自分にはわからない漢字や、少し内容が難しいものがあった
    とても良い作品だった。

  • #きみの町で
    #重松清
    #新潮文庫
    #読了
    短編集です。東日本大震災に関わるお話は本当にハッとさせられる。日常が奪われることの悲惨さ、今日とつながる明日が来ることの幸せを感じることができる。言葉にできない。
    哲学的なお話も多く、思慮深さが求められる本だと思った。大切な時間でした。

  • 小学4年の息子にと思って手にした本。親もぜひ一緒に。

  • 東北大震災の話…、あの一瞬で人生が変わってしまった人が何万人もいる、それは現実で、切なく苦しくなる。重松清さんは、小学生から大人の、もどかしい感情を描くのがとてもうまい。

  • 東北大震災の話で泣いた。

  • 抽象的な気持ち・言語化していない感情を登場人物とともに考える事ができる、哲学書。
    哲学ってとっつきにくいイメージがあるし、この本はタイトルからも哲学について書いてあるなんて思わないよな。
    大人こそ読みたい本だと思った。

  • 読書感想文に最適の1冊。道徳の授業では教えてくれない様々な問題。どうするのが正解なのかそもそも正解なんてあるのか。震災が変えた当たり前の日々。その時人々は何を思うのか。子供哲学出典というだけあってどの話も奥が深く考えさせられる。

  • 子ども向けの文章だが、大人にとっても生きることについて考えさせられる一冊。100ページ程度の短編集なので読みやすいのも魅力。

  • 本を普段読まない中1の息子の朝読にちょうど良さそう。「道徳」や「哲学」というと、とっつきにくそうに感じるけど、小中学生で感じるであろうモヤモヤを優しく解きほぐしてくれるような、その感情は変じゃないんだと、そっと背中を押してくれるような…。

  • 娘が買った本を娘より先に読んでみた。

    提起される「哲学」に、大人でもウーンと考えさせられました。そして、時おり、涙ぐみました。

    娘にも薦めよう。

  • 幸せは、昔や今の自分以外と比較して判断するものではない。自分って何なのだろう。自我に目覚めようとする、これから大人の仲間入りになっていこうとする小学生向けのお話。2020.8.30

  • 子ども向けとあったが40のおじさんでも十分楽しめた。一話あたり5分もかからないので、本が苦手な小中学生に読んでほしい

  • 2019/7/29
    重松清さんの本は読みやすくて、この本はさらっと2時間くらいあれば読めてしまう。
    内容は子どもなりに考えさせられる哲学について、子ども哲学というものからの出店の話と、この本の文庫化にあたって書き下ろされた「あの町で 春夏秋冬」である。
    特に書き下ろされた話では、少年少女が色々なものを見て考えるのだが、その内容が東日本大震災で起きたことをモデルにしていて、かなり描写が現実的であることがとても興味深いと思う。
    東日本大震災は歴史を変え、人々の生活を大きく変えたことは周知の事実だけれど、その変化によって子どもはどのようなことを感じて考えるのか…。
    子どもの視点から描かれているが明確な答えはない哲学的な内容であり、大人でも気軽に読みながら哲学的思考をしていける一冊となっているように感じる。
    君たちはどう生きるか、が話題になって久しいけれども、その内容とも共通性がある気がする。
    普段何気なく過ごしていると結構見過ごしがちな点だけど、そういえばどうしてたっけな?とか、どうしたらいいんだろうなあとか考えることを小説の主人公に投影して読んでみると面白いのかもしれません。

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著者プロフィール

重松清
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木三十五賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『カシオペアの丘で』『とんび』『ステップ』『きみ去りしのち』『峠うどん物語』など多数。

「2023年 『カモナマイハウス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

重松清の作品

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