窓の魚 (新潮文庫)

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  • 新潮社 (2010年12月24日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784101349565

みんなの感想まとめ

人の心の奥深くに秘められた感情や葛藤を描いた物語は、愛や友情の背後に潜む微妙なズレや不安を浮き彫りにします。温泉宿を舞台にした2組のカップルの物語は、外見とは裏腹にギスギスした雰囲気を醸し出し、それぞ...

感想・レビュー・書評

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  • 温泉宿で一夜を過ごす2組のカップルをそれぞれの視点から語る形で描いた話。

    "新たな恋愛小説の臨界点"とあるが、なんだか行きどころのない4人が集まり、ドロドロした心情を吐露していくストーリーで、読んでいて気持ちが落ち着かない。
    残念ながら、自分には全くよさが理解できなかった。

  • 妖艶で幻想的でいて、静かに黒い不気味さも含む。
    彼らの欠陥とズレが、各々の視点を追うごとに明確になっていき、ゾクゾクする。
    いくつかの謎に思い巡らせ、雰囲気も相まって余韻がずっと続いています。

  • 同じ出来事の進行の中でコンプレックスを各々抱えた4人の目線から書かれていて、異なる主観や感覚のギャップの対比を元に繋がって行くストーリー。

    異なるコンプレックスが主になっているため全員の主観が違う。同じ出来事が違う捉え方になるのはよくある事だけれども、こうも感情やそのコントロールを含め4人バラバラなので奇妙な展開で複雑でわがままに写る。
    2組のカップルのバランスの保たれ方が今にも崩れそうで脆そうで、感情や行動の出し引きが下手くそで繊細のようで我儘で孤独に感じた。

    風の匂いや吹き方、川の流れや音や温度、タバコの煙、泳ぐ鯉等共通する普遍に見えるものの捉え方一つ一つを各々の感じ方で描写する事でその個性や感性をより際だたせている。

    猫は死の象徴と捉えるならばこの4人はその鳴き声の中にあり、猫の形を捉えなかっただけの事で捉えても自然な感じ。
    タイトルの「窓の魚」の通り4人がガラスの中で泳ぐ魚、窓は生と死の扉であり猫の存在こそ自然。

    自分が本当は望んでいない事も視点を変えて自分の過去やコンプレックスのモノサシで図れば見え方に曖昧さができそこに正当性を重ね結果的に逆転してしまう。図ったモノサシに依存してしまえばしまうほど加速してしまう。
    個性を面白いと感じるとともにコンプレックスによる自己中心性に怖さを感じた。

  • 西加奈子さんの著書はいくつか持っていたが、ミステリー要素がありそうな本書を選んで読了。

    2組のカップルが静かな温泉宿に泊まりにくるところから始まる。裏面のあらすじからきっと仲良しグループみたいな感じかと思いきや読んでいくうちになんかギスギスしているなと思いきや一人一人の視点で物語が描かれており、それぞれの心情を物語から察するととそりゃあ劣等感や嫉妬心でそういう雰囲気にもなるだろうなと感じた。
    読後は「そこで終わりなのか!?」という印象が強かった。ミステリー要素の部分についての謎が多く残ったなあと言う印象。

    4人の中で一番まともに見えたアキオが個人的には一番サイコパスというか怖く感じた。

  • 2組の男女が訪れた温泉地、のどかな風景
    と非日常な時間。次第に彼らの体そして心に抱えた秘密が疼きだす__。4人の視点から語られる話は、恋愛なのかサスペンスなのかあやふやでずっと心がざわつく。何とも言えない読了感、想像を掻き立てられる

  • アキオ、ナツ、トウヤマ、ハルナのダブルデート。
    春夏秋冬にちなんでいるネーミング。
    宿泊先の旅館での1日をそれぞれの視点で流れていく。
    捉え所のない4人がとても不思議な感じ。
    鯉、猫、犬、ビールも登場して、変なテンポで話が進む。ミステリーかな?とも思ったが、これは違う。

  • 暗かった。終始暗い。みんな暗い。そして結末も。あまり物語にも入り込めなかった。

  • 人間は中身がいちばん恐ろしい。
    腹の中で考えている本音の部分が少しずつ明らかになって、「君が1番サイコじゃないか!」となった。
    大きなどんでん返しがある訳ではないけれど、私はこの終わり方に大変満足。
    川の錦鯉がゆらゆらと水中を漂っているような
    そんな雰囲気ある作品だった。

  • 暗い。いろんな感情に息が詰まりそうで涙が出た
    幻想的でミステリアスで良かった
    読み終わってからずっと余韻が抜けない

  • みんなが独特で不思議な関係だなと思った。文章や表現が綺麗。冷ややかで黒くて見せられないものは必ずあると思う。それぞれの視点から丁寧に描かれていて、噛み合っていない感じがより伝わってきた。

  • 奥が深いお話なのかもしれないけれど、そこまで読み説くことができませんでした。

  • 読み終わった後の余韻が凄い。
    終始暗い。側から見たら仲の良いグループでの温泉旅行なのだけれどそれぞれ感じていること、発していること、考えていることが異なっていて、最後まですっきり終わることはなくそれがまた 余韻に繋がる。

    他人の考察は見ずに繰り返し読んで、自分なりに読み解きたい作品

  • 西加奈子4冊目。今までにない感じ。関西弁なし。アキオの章ですわっ!謎解きか?と思われたが、謎が謎のまま終わった。少し消化不良。どうしてナツにクスリを飲ませたんだろう。不能のせい?コンプレックスの裏返し?西さんの小説には痩せてて骨ばった美しいミステリアスな女性がけっこうな頻度で出てくるなぁ。でもこういう話も好き。

  • 文字以外の空間が広い小説だった。4人それぞれが他3人に対して持つ嫌悪感や不快感が、過去の記憶に絆され、徐々に前向きなものになっていく過程が心地よい。所々で挿絵のように挟まれる風や空気、人物の形や仕草の描写が、読み手をその物語の世界の中にずっと留めておいてくれる。



    あの猫は死神のような存在だったのかな…

  • 初の西加奈子、とても好みだった 旅先の描写はもちろん人に対して不安定に抱く暴力的な衝動の捉え方がうますぎる

  • 4人の温泉旅行。仲良しなわけでは無い。大人の旅行。
    同じ時間がそれぞれの目線や考え方で4パートに分かれていて語られる。
    どの人も陰がある。

  • あまり入り込めず読み進まなかった…
    表現は美しく、繊細。
    私の想像力が足りないのかもしれない。

  • 4人それぞれの人生だけど、みんなどんより、暗く読み終わった後もスッキリせず、こちらまでもどんよりとした。

  • 自然に囲まれた風情ある旅館の爽やかさとは裏腹に、4人の関係や思考はねっとりと重い。夏の湿気がずっしりと体にのしかかるような重さ。正直なにもスッキリしてないんだけど、それはそれでよかったような、もうこれ以上彼らの思考を覗き見しなくていいんだと思うと、ちょっとホッとする。

  • アキオ、ナツ、トオヤマ、ハルナ
    4人による温泉旅行の一夜を綴った物語。
    旅行を綴るというよりはそれぞれの心情や過去、そしてちょっとしたつながりが4人それぞれの視点から描かれている。
    なので起伏に富んだストーリーではなく、淡々と心の中にある思いが様々な言葉で描かれて進みます。
    個人的にこういった純文学は苦手。人の奥底の深いところ、文章の奥に潜む描かれない作者の言葉を読み取るのに疲れます。きっと僕の読書力とか国語力が足りないからなんですね。
    いつかゆっくりと時間をかけてこういった作品を楽しめるようになるとまた読書の幅が広がるんだろうな。それを楽しみにいつかまた再読したいと思います。

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著者プロフィール

1977年、テヘラン生まれ。2004年、『あおい』でデビュー。07年、『通天閣』で織田作之助賞を、13年、『ふくわらい』で河合隼雄賞を、15年、『サラバ! 』で直木賞をそれぞれ受賞。その他の作品に『さくら』『漁港の肉子ちゃん』『舞台』『まく子』『i』など多数。

「2018年 『おまじない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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