窓の魚 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 2419
レビュー : 278
  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101349565

作品紹介・あらすじ

温泉宿で一夜を過ごす、2組の恋人たち。静かなナツ、優しいアキオ、可愛いハルナ、無関心なトウヤマ。裸の体で、秘密の心を抱える彼らはそれぞれに深刻な欠落を隠し合っていた。決して交わることなく、お互いを求め合う4人。そして翌朝、宿には一体の死体が残される-恋という得体の知れない感情を、これまでにないほど奥深く、冷静な筆致でとらえた、新たな恋愛小説の臨界点。

感想・レビュー・書評

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  • 2019.10.12

  • うーん。
    苦しい。
    倦怠感と、息苦しさと、ダブルデートの設定だけど、幸福感ゼロ!宿も、女将も、従業員も。

    自己肯定感のない四人がそれぞれの闇をかかえてて、事件は起こるべくしておこり、そして退廃的な雰囲気のまま終わる。

    トウヤマのタバコのにおい、ハルナのバニラの香り、臭覚までも引き込まれる文章はさすが。

  • ハルナ、ナツ、アキオ、トウヤマの4人の交わらない恋模様。何か少しずつこぼれ落ちる完全じゃない4人の少しずつずれた憧れと嫉妬。誰かを好きだとおもうのは、キラキラしているからだけじゃない。違和感や安心感を行ったり来たりして自分を確認する。君のことが好きだという理由を言葉にしたら嘘みたい。

  • 今までとはちょっと違う文体かなと感じました
    2組の男女つまり4人の視点からの4章からなる
    各人の視点から人間の裏表の感情がわかるが
    じゃあなぜいっしょにいるのかと思う部分も

    西加奈子作品としてはまた違った感じで楽しめました

  • 主人公のナツ&アキオ、トウヤマ&ハルナがダブルデートでバスに乗って1泊の温泉旅行に行きます。そして、翌朝に死体が残されます。それぞれの登場人物に深い何かがあり、ゾクゾクします。物語は、順番に同じ時を、それぞれナツ、トウヤマ、ハルナ、アキオの目線で語られます。さらに翌朝に発見される死体は、主人公の4人以外から読者に知らされます。最後まで謎が残る深い恋愛小説で、面白いです。

  • 謎が多く残る作品。
    初めて西加奈子さんの作品を読みましたが、少しモヤっとしてしまった。

  • 西加奈子さんには珍しく、ミステリーの要素もあって新鮮でした

  • 読み終わっても謎が多く残る小説。陰のある謎を表現する言葉が秀逸。
    木々の緑、川、月、風の音、水の流れ方、猫、岩、鯉、髪、骨や肌、香水、煙草の煙などが場面によって何度も形容が変わって描かれるのが面白かった。西加奈子さんは普段から世界をひどく鋭い五感で捉えているのだと思った。
    温度の描写が多く、温泉の温度や飲み物の温度、風や外気の温度、そしてそれらを受けた人間の体感温度がその時の精神状態と織り交ぜて細かく書かれている。物語の中で起きたことと同時に温度について書くことで、読者が情景をより想像しやすく、また登場人物の感情をよりリアルに感じられるようになっている。
    女性が亡くなっている様子の美しさは、ミレーの描いたオフィーリアを思い浮かべた。

  • アキオ、ナツ、トオヤマ、ハルナ
    4人による温泉旅行の一夜を綴った物語。
    旅行を綴るというよりはそれぞれの心情や過去、そしてちょっとしたつながりが4人それぞれの視点から描かれている。
    なので起伏に富んだストーリーではなく、淡々と心の中にある思いが様々な言葉で描かれて進みます。
    個人的にこういった純文学は苦手。人の奥底の深いところ、文章の奥に潜む描かれない作者の言葉を読み取るのに疲れます。きっと僕の読書力とか国語力が足りないからなんですね。
    いつかゆっくりと時間をかけてこういった作品を楽しめるようになるとまた読書の幅が広がるんだろうな。それを楽しみにいつかまた再読したいと思います。

  • みんな心が豊か

    • かなりワルイネコさん
      だよね、心が豊かだよね
      だよね、心が豊かだよね
      2019/05/15
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著者プロフィール

西加奈子(にし かなこ)
1977年、イランのテヘラン生まれ。エジプトのカイロ、大阪府堺市で育つ。関西大学法学部卒業。雑誌「ぴあ」のライターを経て、2004年『あおい』でデビュー。
2007年『通天閣』で織田作之助賞大賞、2011年咲くやこの花賞、2013年『ふくわらい』で第1回河合隼雄物語賞、2015年『サラバ!』で第152回直木三十五賞を受賞。
その他代表作として、宮崎あおい・向井理出演で映画化された絵本『きいろいゾウ』、同じく映画化された『円卓』、20万部を超えるベストセラー『さくら』、本屋大賞ノミネート作『i』など。2020年初夏、『さくら』が映画化決定。プロレス好きとして知られる。お気に入りの本は『アントニオ猪木詩集』。

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