白いしるし (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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レビュー : 344
  • Amazon.co.jp ・本 (198ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101349572

作品紹介・あらすじ

女32歳、独身。誰かにのめりこんで傷つくことを恐れ、恋を遠ざけていた夏目。間島の絵を一目見た瞬間、心は波立ち、持っていかれてしまう。走り出した恋に夢中の夏目と裏腹に、けして彼女だけのものにならない間島。触れるたび、募る想いに痛みは増して、夏目は笑えなくなった――。恋の終わりを知ることは、人を強くしてくれるのだろうか? ひりつく記憶が身体を貫く、超全身恋愛小説。

感想・レビュー・書評

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  • H30.12.31 読了。

    ・この西加奈子ワールドは独特すぎて、ついていけなかった。

    ・「あなたはただ、何かを選んで、何かを選ばなかったことに、自身で責任を負わなければいけない。自分が、決めたんやって、それが自分の意見なんやって、揺るがず、思ってんとあかん。それだけを、強く持っていればいいと思うんです。」
    ・「赤が嫌いなときに見る赤と、赤が大好きなときに見る赤は、全然違って見えるけど、赤そのものは、ずっと赤なんです。赤であり続けるだけ。見る人によって、それがまったく違う赤になるというだけで。」
    ・「好きとか嫌いとか、エゴやとか関係なしに、すごいものは、すごいんです。」

  • 薄く張ったかさぶたを、また剥がされてしまうような…
    ひりひりと心が痛んだ

    厚さ1㎝ほどの薄い文庫本が、こんなに私の感情揺さぶりますか。
    ダメだと思いながら、どうしようもなく恋に落ちていく描写が素晴らしい。

    『彼の感情の琴線に触れたかった』の一文にぶち当たった瞬間、解りすぎてしばらくぼーっとした。

  • はじめましてな、西加奈子。

    言葉が見つからない。
    ある人と出会った時の事を思い出した。
    すごく短いんだけど、なんだこれ。
    すごいな、これ。

  • 最後の方の展開がスピード速く、???の連続だった。
    起承転結の転の部分が一番面白かったかも。

  • 自分のものにならない人を好きになる。この気持ちばかりはどうしようもない。諦めようと思えば思うほど、心は強く求めてしまう。
    全力で恋をする夏目の痛々しさと美しさに、今の自分の恋を重ねた。この思いを忘れようとしている今、読むべきではなかったのかもしれない。

  • 猛烈に恋に落ちてしまう。
    何とも交わらない白、を描くひとに。

    その引力の強さが、この小説の強さになっていて、惹きつけられて離れなかった。一気に読んだ。読み終わったあと、しばらくぼーっとしてしまうくらい。

    わたしが熱烈に恋をしているひとも、アメリカンスピリッツを吸っているから、どきっとした。

    報われなくてもいいから、救われますように。

  • 「美しい、て思って。自分が悩んでいたことや、夫や、夫の新しい恋人への憎悪や、自分自身への自己嫌悪や、そういうものが本当に、パーッと霧が晴れたようになって、お腹の底のほうから、生きる希望、というのですか。とても清潔な欲望がふつふつと湧き上がってきて、ああ私は大丈夫だ、て思えたの。」
    「何かを、ではなく、こうやって、美しいものを見て泣いた自分を、信じよう、て。」

    羨ましいな。エネルギーをくれる美しいものに出会えるなんて。

    夏目が叫んだり泣いたり感情を激しく表すとき、私も泣きたくなった。強い感情、強いエネルギー。好きな人の音、匂い、力。全身でそれを捕まえようとして、いっぱいになって。なんでかわからないけど泣いてしまう。

  • 人を好きになるって、すごいことなんだね。

    自分の身を削って、好きになるし、
    もう恋愛なんてたくさんだ!って思っても、
    好きになってしまうものなのだ。

    これくらい、いろんなものに影響がでてしまうくらい、人を好きになりたいものです。

  • これも花田菜々子さんの本で紹介されていた本。

    圧倒的な生の肯定。

    最初の一文から、すでに痛くて、最後までずっと痛いのだけど、救われる、すごい小説。
    人を恋する時の、切なく苦しい気持ちをこれだけ表現しきった小説は他にはないのでは。


    ー 私は彼に会って、自由になった。

    ー 理由がない。まったく。ただただ、対峙していると、触れたい、と、思うだけだ。それだけ、恋は、圧倒的なものなのだ。

    まさしく。

    西加奈子さんの本を読むのは初めて。
    一気に、気になる作家さんの一人になりました。

  • 西さんの本はエネルギーに溢れていて力強くて、繊細さもあるけれどそれ以上に引っ張られて前へ前へ進んでいってしまうような、そんな物語が多いような気がする。

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著者プロフィール

西加奈子(にし かなこ)
1977年、イランのテヘラン生まれ。エジプトのカイロ、大阪府堺市で育つ。関西大学法学部卒業。雑誌「ぴあ」のライターを経て、2004年『あおい』でデビュー。
2007年『通天閣』で織田作之助賞大賞、2011年咲くやこの花賞、2013年『ふくわらい』で第1回河合隼雄物語賞、2015年『サラバ!』で第152回直木三十五賞を受賞。
その他代表作として、宮崎あおい・向井理出演で映画化された絵本『きいろいゾウ』、同じく映画化された『円卓』、20万部を超えるベストセラー『さくら』、本屋大賞ノミネート作『i』など。2020年初夏、『さくら』が映画化決定。プロレス好きとして知られる。お気に入りの本は『アントニオ猪木詩集』。

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