忍びの国 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 3419
レビュー : 481
  • Amazon.co.jp ・本 (375ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101349770

作品紹介・あらすじ

時は戦国。忍びの無門は伊賀一の腕を誇るも無類の怠け者。女房のお国に稼ぎのなさを咎められ、百文の褒美目当てに他家の伊賀者を殺める。このとき、伊賀攻略を狙う織田信雄軍と百地三太夫率いる伊賀忍び軍団との、壮絶な戦の火蓋が切って落とされた-。破天荒な人物、スリリングな謀略、迫力の戦闘。「天正伊賀の乱」を背景に、全く新しい歴史小説の到来を宣言した圧倒的快作。

感想・レビュー・書評

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  • 伊賀の者どもは人ではない。
    虎狼の族。ひとでなし。

    今の今まで血を見る争いをしていたというのに突然肩を並べて笑いあう。
    しかも、目の前で息子が殺されたというのに平然としているどころか
    薄ら笑いまで浮かべるなんて...

    "今日の味方も明日は敵"とはいえども
    これにはかなり戸惑ってしまいます。胸が抉られるように苦しくなって
    こんなところでは絶対に生きていきたくはないなとさえ思ってしまいます。

    けれども少しずつ気持ちが落ち着いてくると、この伊賀忍びの精神は
    (人間を含めての)動物本来の本能であるのかもしれない...
    そんな思いがだんだんとしてきて、それは伊賀忍者だけに限ってではない
    ことにも気づかされるのです。

    生きるためのすべ...

    ここに登場する人でいうならば
    日置大善にしても左京亮にしても、自分のため国のためというなら寝返ってしまう。
    よくよく考えれてみばそれもまた同じ。さほど変わりはないように思えます。

    けれど、その"人間"という生き物を
    "人"にしているのは"人"には"人を愛する"という感情があること。
    妻を想い、子を想い、兄弟を想う。その感情ここそが
    "人"を"人たるもの"にしているのだなぁということが、読んでいて
    ひしひしと伝わってくるように感じました。

    史実に基づく戦国の情け容赦のない醜い争いが描かれているなかにも
    登場人物の一人一人(一部除外者がいるかも..?ですが)を通して
    "人"には"人を愛する心"があるということを浮き彫りにして
    感じさせてくれているように思うのは、著者和田竜さんの
    筆致巧みな人間描写にあるでしょうか。素晴らしいです。

    児玉清さんのあとがきもなんとも小気味よくて
    最高の読後感が味わえました。

  • 「天正伊賀の乱」を背景に、全く新しい歴史小説の到来を宣言した圧倒的快作。「伊賀の者どもは人ではない」。ひとでなし。忍者を動かすのは銭だけ。だけど、それは…。

    個性的で魅力溢れる人物たち、手に汗握る戦闘の数々、騙し騙され騙しあい、最後まで戦の行方も無門の恋の行方もわからない。ドキドキハラハラの忍法小説!

    時々入る古文書が面白い。本当にあった戦い、存在した人物、心が沸き立つ。無門みたいな人もいたのかな。無門の過去がわかった時、切なくなった。

    「あと先考えて無茶できるか」大野さんの姿が目に浮かぶ。無門はもう大野さん以外考えられない。映画が楽しみだ。

    • 橙夜さん
      こんにちは^^小説も映画も気になってる作品です♪レビュー読ませていただき更に読みたい気持ちになりました♪今日本屋さんでで買っちゃうかも(#^...
      こんにちは^^小説も映画も気になってる作品です♪レビュー読ませていただき更に読みたい気持ちになりました♪今日本屋さんでで買っちゃうかも(#^^#)
      2017/07/16
    • けいたんさん
      橙夜さん♪

      こんばんは(^-^)/ コメントありがとうございます!とても嬉しいです。

      時代小説はちょっと苦手で読む前は心配でした...
      橙夜さん♪

      こんばんは(^-^)/ コメントありがとうございます!とても嬉しいです。

      時代小説はちょっと苦手で読む前は心配でしたが、読み始めたら直ぐに伊賀の国へ飛んでいました(*≧艸≦) 面白いですよ。

      実は映画にももう行きました。大野さんがとても楽しそうに演じていて、観ているこちらも楽しくなりました♪

      これからもよろしくお願いします!
      2017/07/16
  • 万城目氏の「風太郎」のおかげでここのところ忍び萌えがつづいていたりして。
    いいよね、忍びって。(といわれても)
    なんかこう、きゅんとくるんのです。
    ストイックでプロフェッショナルかと思いきや、思いのほか欲にまみれて意地汚かったり。
    人でなし呼ばわりされるのも然りなんだけど、義理人情や忠誠心に左右されないあたりはそれなりの美学を感じます。

    時は戦国、天下人は織田信長という時代のお話です。
    信長二男の信雄率いる伊勢の軍勢が伊賀攻略を目指して攻め入り、金のために信雄に伊賀攻めさせて儲けようと策略する伊賀の忍びたち。
    最高の忍びの腕を持ちつつ、女房のお国には頭が上がらない無門が、何とも人間臭くてほほえましい。
    戦の凄まじさや忍びの術の迫力よりも、無門の一途さに心打たれました。

  • 歴史物は不得意で、自分から読むことなどまず無い私。
    当然これも会社の方からお借りした一冊。

    忍び!?忍者??
    全く予備知識を持たず読み始めたが、これがぐっと心捕まれあっという間に物語の中に突き落とされる。

    和田先生の作品はどれもそうなのだが、武将の人物像が全て魅力的に描かれている。
    プロローグでは武将の人となりをそれとなく紹介しているのだが、いざ戦闘シーンになるとそれぞれ武将の描き方が巧みで、それぞれの武将が活躍するシーンでは読んでいて臨場感が半端ない。

    無門とお国の物語は女性陣の心も掴むのではないだろうか。
    相変わらず圧倒される小説。まるで映像を見ているかのようだった。

  • 忍とはこういうものだったんだろうな、と現実離れすることなく納得しかながら読める時代小説。映画観てもいいかな、って感じ。
    秋田には忍の里はなかったんだろうけど、あった場所に行ったら旧跡巡りも楽しそう。

  • 伊賀攻略を進める織田信雄と伊賀の百地三太夫との戦を軸に物語が展開する。

    とても映画的というか読みやすくて半日かからず読み終わった。実写化もするわな

    登場する伊賀の忍びの者らがまぁ救いがたい
    己の欲望に忠実で他人が死のうが知ったこっちゃない
    自分に累が及んでようやく省みる
    乱世だからありえた正直な生き方だったのかもしれない

    読み終わって一番印象に残ったのは、虎狼の族は天下に散った、という日置大膳のことば

    のぼうも面白かったし映画も観てみようかな

  • 面白かった!忍びの成り立ちのせい?かどうしても忍びって暗いイメージなんだけど、どうしてこんなに、爽やかに描けるんだろ。
    とにかく敵も味方も個性的でどの人もいいんだよね。あの信長さえニヤリとしてしまう。ダメダメな信雄だって。
    やはり、無門の魅力にはメロメロで、あのお国の前でのヘタレさが堪らない。その対極にいるような大膳がキラキラしてるし。
    伊賀者の徹底した利己主義さも今まで義理人情しばりの小説とは一味違うな。

    「本来、忍びの術とはこういうものであった。何も跳んだり撥ねたりが忍術の本質ではない。肉体を使って巡らし策謀を練った。術をかける相手の"心"を読み解き、その"心"につけ込むことで勝ちを得る。忍びの術の真価はそこにあった」
    こんなとこも面白い仕掛けの一つ!

  • 2018/5 12冊目(通算83冊目)。映画化もされた和田竜氏の時代小説。無門のイメージは映画の大野氏よりも挿絵の方がピンとくるかなあ。忍者の技量としてはピカイチなのに、お国には頭が全然上がらない。そんな無門のキャラクターがいい。伊賀忍者が「銭勘定」で動く集団であるということも読んでいて驚いた。やや無門がスーパーマンみたいな扱いだけど読んでいて面白かった。続けて「のぼうの城」も読んでいきたいと思う。

  • あれー、忍びって忠義者で、主君のためなら命厭わず、っていうイメージがガラガラと崩壊。銭で動き、人情ナニソレ、義理って意味不明、の集団だったのねー。無門の圧倒的な強さは読んでいて爽快。彼の生い立ちが最後に分かったとき、お国との出会いと別れは無駄ではなかったと思いました。取り戻したかと思いきや、ラストはまた戦い。そこが何ともぶれずに良いなぁ、と思えます。日置大膳が素敵。映画のそれぞれのキャストもなかなかイメージ通りで、時間が出来たら観てみたいと思いました。

  • 織田信雄が伊賀国を攻め、惨敗した第一次天正伊賀の乱、そして織田信長軍が総出で伊賀国を攻め滅ぼした第二次天正伊賀の乱ほ題材として、伊賀忍者や信雄配下の強者武士の活躍を描いた忍者活劇。スリリングでスピーディーな展開。超人的な忍術使いが活躍するストーリーは宮本昌孝の「風魔」に似てるかも。

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