村上海賊の娘(二) (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (340ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101349794

作品紹介・あらすじ

天下統一に乗り出した織田信長が、大坂本願寺を攻め立てていた天正四年。一向宗の門徒たちは籠城を余儀なくされていた。海路からの支援を乞われた毛利家は、村上海賊に頼ろうとする。織田方では、泉州淡輪の海賊、眞鍋家の若き当主、七五三兵衛が初の軍議に臨む。武辺者揃いの泉州侍たち。大地を揺るがす「南無阿弥陀仏」の大合唱。難波海で、景が見たものは――。激突の第二巻。

感想・レビュー・書評

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  • ほぼ合戦でした。

    戦闘は中距離・遠距離からの俯瞰のような、わりと大味な描写だったように思います。

    それが良い意味で漫画のようにイメージできて読み進めやすかった。

    主人公の景がほぼ活躍なし、泉州侍回でした。

  • 色々と話が動き出してきた2巻。

    がっつり戦闘シーンもあり、脇役が活躍しててカッコイイ。そして主人公が空気

    海賊の話かと思いきや陸上戦しかしていない。
    海賊王になる話かな?
    ☆3.3

  • 和田竜の時代小説を読むのはこれが初めてだ。脚本家から出発しただけあって、全編映画用に書かれたが如くであった。3巻、4巻の後半を読んでいないので早計かもしれないが、まるで二時間映画のために作ったようなストーリーと描写が続く。よって、全四作のうちの今作は、前半のクライマックスが描かれる。

    要は世に「悲惨」というイメージでしか捉えられていない信長の本願寺攻めを、敵も味方も「海賊」という、未だあまり描かれていないキャラクターを持ってくることで、野放図、野性的、豪快な「明るい戦争」に描き直したのがこの作品なのではないか、と今段階で予想を立ててみる。

    当然ヒロイン景(きょう)は、映画化されたならば先ず発表されなければならない。誰もが思い描くのは女優の杏だと思う。小説での描写や彼女の演技力から言って、ピッタリだとは思う(長身である事、日本的な美人ではなく西欧的な彫の深さ)。しかも、彼女の容姿をめぐってのエピソードが本作のストーリーを動かしているのだから、ヒロインは誰でもいいというわけにはいかない。しかし最大の難点は、ヒロイン景はこの時20歳。杏は今現在30歳なのである。これから映画化が決まって撮影に向かってゆくとなると、杏は更に歳をとるだろう。この歳の差はキツイ。となると、まるきりの新人スレンダーモデルを持ってくる方法もある。ただしそれは、かなりの冒険になる。

    合戦の場面は、映画化の最大の魅力だろう。海もあって、広い原野があり、お互いが遠くにポツンと見えるほどの所に、大阪本願寺、天王寺砦、木津砦がある。ロケ地選びも楽しそうだ。

    物語は単純なので、全体の評価はまだまだ読んでみないとわからない。今年の夏の愉しみではある。

    2016年7月読了

  • 面白かった!
    マンガライクなエンターテイメントストーリ!
    本屋大賞、吉川英治文学新人賞ダブル受賞
    毛利家と織田家の第一次木津川口の戦いを下地にした物語

    第2巻では木津砦、天王寺砦での合戦が描かれます
    本願寺門徒達に対して、七五三兵衛をはじめとする泉州侍たち織田方
    雑賀党の銃口が織田方の猛攻を食い止めます。
    そして、一進一退の攻防が繰り広げられます
    この合戦は描写もすごいですが、描かれた漢達の想いがとてもしびれる!!
    天王寺砦でこの合戦を見守る景が観たものとは?
    そしていよいよ織田信長も登場!
    今後の展開は?

    といったところです。

  • 第2巻は、織田方軍勢と一向宗門徒たちとの攻防がメイン。我らが主人公景姫の活躍の場はあまりなく、彼らの戦いを見守るばかり。第3巻に期待しよう。

  • 2巻目読了。
    景の子供っぽさが表に完全に出てきた。鶴姫への憧れや、戦への憧れの稚拙さが垣間見えた。しかし、一つのことを貫き通す勇ましさもありかっこいい。
    戦が終わりに近づくにつれ、織田信長の強さがひしひしと感じる。
    次の3巻目、戦が終結して景の心がどのように変わるかを見届けたい。

  • まだ中盤なので4で!全然5付けていいです笑

    一巻より遥かに読みやすい。視点が景と、七五三兵衛、義清がメインで進む。
    天王寺砦と木津砦から始まり戦が激しくなっていくところは見物。戦の流れで進んでいくから場面はほぼ飛ばなく、読みやすい。
    色んな男たちが出てくるけど、それぞれ性格や心情が違っていて、魅力的なキャラクターになってる。
    多分顔はタイプじゃないけど、豪快でみんなの兄貴、七五三兵衛はなかなかカッコイイ。铦を投げて戦うのは一種の特殊能力。異次元の強さで笑えてくる。

  • 七五三兵衛と義清の男の友情(?)にやられた。

  • ・泉州には「半国の触頭(ふれがしら)」(p36)。
    「沼間(ぬま)家」「松浦(まつら)家」プラス躍進してきた眞鍋家。
    このへんの泉州侍の方言丸出しのガンの飛ばし合いみたいな描写が笑える。もう。その辺の大阪のおっさんやないか。

    ・景モテモテである。でももとが喪女だから、行動が怪しい

    ・武将自ら料理をするのはさほど珍しいことではない(p84)、とか、この時代の貞操観念とかの話が面白い。

    ・初登場時から好きだったけど、眞鍋家の七五三野兵衛(しめのひょうえ)が素敵すぎる。料理もそうだし、大阪のおっちゃんといった行動、人柄もそうだし、何といっても「わしは心肝をとりにきたさかい」(p117)「男がほんまに望んだら、絶対諦めたらあかん」「叶わんまま死ぬだけじょ。せやけど踏ん張った自分(わが)ちゅうもんだけは残る。へこたれたらあかん」(p118)とかね、もう素敵すぎる。

    ・七五三野兵衛のルックスが「ヴィンランド・サガ」のトルケルで固定されてしまった

  • 泉州の触頭である沼間義清ら率いる天王寺砦の兵は木津砦を抑えるために出陣するも、本願寺の鈴木孫市が率いる雑賀衆の鉄砲隊の援護により織田方総大将の原田直政が討たれる。一度は眞鍋七五三兵衞の猛進により反撃するが本願寺から1万5千の兵の追撃があり織田方の兵は天王寺砦に逃げ込むこととなる。天王寺砦を囲んだ本願寺側は進めば極楽浄土退けば無間地獄の旗の元攻め続けるが織田信長率いる3000の兵によって散り散りとなる。
    死ぬ覚悟のある人ってやっぱり強いんだな。南無阿弥陀と唱えて向かってくると想像したら恐ろしい。

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