村上海賊の娘(四) (新潮文庫)

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  • 新潮社
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レビュー : 151
  • Amazon.co.jp ・本 (363ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101349817

作品紹介・あらすじ

難波海の睨み合いが終わる時、夜陰に浮かび上がったわずか五十艘の船団。能島村上の姫、景の初陣である。ここに木津川合戦の幕が切って落とされた! 煌めく白刃、上がる血飛沫。村上海賊の投げ放つ焙烙玉が、眞鍋家の船を焼き払う。門徒、海賊衆、泉州侍、そして景の運命は――。乱世を思うさまに生きる者たちの合戦描写が読者の圧倒的な支持を得た完結編。

感想・レビュー・書評

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  • 解説によると、登場人物はすべて実在の歴史上の人物(源爺や留吉以外)であるそうな。
    膨大な史料を駆使し、史実に則りながら、登場人物に血肉を与え、ここまで生き生きと描き切った著者の手腕に畏敬の念。
    そして、村上氏の系図に「女」とあるのを見つけ、彼女に景姫と名付け、想像力と構想力で縦横無尽の活躍をさせる。
    その死闘ともいうべき戦い(劇画チックな場面もあるが<笑>)は、血沸き肉躍る冒険活劇となり、読書の醍醐味を堪能させてくれた。

  • 初版時から読みたかったのだが、やっと文庫化されてブックオフ落ちしたゆえ購入できた。和田竜氏の作品では3作目であり、「のぼうの城」から注目していたが今作は文句ナシの面白さ、大傑作、まだ若い和田氏であるが氏の作家人生の中でも序盤における、一つの到達点ともいえるのではないか?本日現在今作をとりまく情報に詳しいわけではないが、近い将来アニメ、映画あらゆるメディアミックスの中で、ヒロイン景はその魅力を発散させ輝き続けていくであろうと予測する。

    木津川合戦をベースに、実在した人物達に氏のアレンジが加わり(そのアレンジも精緻な取材の上になされたものであり、全くの創作ではないだろうと判断する)魂の籠ったキャラ達が敵味方入り乱れて、命を散らし、散り際を輝かせようとする。

    日本の歴史に詳しくなければ「木津川合戦」も知りようがないだろうが、戦国時代のこの一イベントを取り上げここまでの壮大なドラマに仕立て上げた和田氏の時代小説家としての力量に、感謝とこれが読めた幸運に感謝である。

    4巻末には、実在の人物達のその後が希少な文献をもとに綴られていた。能島村上で唯一の嫡子である女子がいたという事実、これが今作のスタートだったことが知れてあらためて時代小説の深みに触れた気がした。

    万人にお勧めしたい!読むべしと…

  • 過剰に映像的。サービス精神もここまで過剰だとおもしろい。

  • 城山三郎「秀吉と武吉」とは違った村上海賊を読んだ。景を通して、悪の敵を成立させずに合戦に突入。3巻からの木津川合戦からは引き込まれて一気読みになった、
    沼間義清の死がもっとも心に残った。こいつを助けてやりたかった…

    飛行機で瀬戸内海上空を通ると、のどかな島々が伺える。450年ほど前にそんな激しい戦いがあったとは思えないほどの綺麗な景色だ。まさしく「つわものどもが夢の跡」

  • 一冊まるっと合戦の最終巻。
    景と七五三の体力や、アドバンテージの取り合いがラノベか漫画を彷彿とさせる荒唐無稽さ。でも、諦めない人間達の物語はここまで読んできて良かったと思わせてくれた。
    しまなみ海道は、この話を読んでから行ってみたかったな。資料館とか、3倍は楽しめただろうに。

  • 迫力に圧倒されながら、一気に読了。

    信長の大坂本願寺攻めに絡み、難波の海で繰り広げられた木津川合戦の一部始終が、それはそれは生臭く、スピード感満点で描かれていました。
    どの一族も、それぞれの立場で思いのままに生きているのが印象的。村上海賊だけじゃなく、泉州海賊も凄かったんだと、なんだか新鮮。

    闘うシーンの描写はえげつない。でも、景ちゃんが悟ったように、戦いって、そういうものなんだろうと思いながら読みました。戦の残酷さ、過酷さを知り、傷つきながらも戦いに飛び込んでいった景ちゃんは、この戦いのあと、どんな奧さんぶりで生きたんだろう。知りたいです。

    そして…本筋じゃぁないんだけれど、瀬戸内で醜女とされた景ちゃんが、グローバルだった堺、泉州では別嬪さんだとモテモテになったというのは、なぜかなんだか嬉しかった。誰でも、世界中のどこかにきっと、モテモテになれる地域があるに違いない!妙な勇気をもらえた気がしたのでした。

  • 爽快、通快、一気に読み終えました。
    のぼうの城に引き続き、読み応えもあって途中でやめられない。
    登場人物も魅力に溢れ、海戦シーンも絵が自然と浮かぶ。私は大好きです。

  • うりゃぁぁぁ!合戦じゃー!!全員の武勇も見事に描き切ってて…いやぁ、興奮した!本の表紙から私の指紋くっきりとれるんちゃうかってくらいアドレナリン出た。ただあまりに人が死に過ぎて読み疲れた。でも勝ったよかっただけじゃないのがリアルで心に残った。和田さん脚本もやってらっしゃる?なるほどな劇的展開。でもちょっと泉州侍を盛り過ぎじゃない?(笑)流石にそれはぁ…と思う場面もありつつも見事完結!はふぅぅぅ、、、(深いため息)

  • 前半はなかなか入り込めなかったけど、景が復活してからはとても面白かった。

    歴史に詳しい人や好きな人が読んだらもっとおもしろかったんだろうなぁ。
    この時代、家というのはとてもとても大切なものだったんだろう。それぞれが思いを貫く姿はとてもかっこよかった。そして、切なくもあった。

  • 最終巻は1冊まるまる木津川合戦。村上海賊を主力とした毛利軍と、真鍋海賊を主力とする織田軍の海戦は、さすがのド迫力。ぶつかりあう猛者たちの戦いっぷりにまさに血沸き肉躍る。景も自分らしさを取り戻して迷いがなくなったので、その戦いっぷり自体はとてもカッコイイ。

    しかしどちらの海賊もいわば傭兵、雑賀党も含め、織田に雇われてるか毛利に雇われてるかの違いだけで凄惨な殺し合いをしなくてはならないのは勿体ないなあ。好敵手に出会えてワクワク、みたいな少年漫画的戦いには仕立て上げてあるけれど、やはり景が戦を始めた理由と、鬼手云々には最後まで納得いかなかったこともあり、主人公側から見れば敵であるところの泉州侍、真鍋海賊たちのほうに内心肩入れしてしまった。

    作者が史実を徹底的に調べているところは好感度大。のぼう~からずっと、戦国時代とはいえ比較的マイナーな一戦場をクローズアップして主題に選んでいるのも一貫しているし。当時の人名や専門用語など、丁寧にふりがなを振ってあるのは新潮文庫にありがとう(笑)人名とか最初に覚えたつもりでも、しばらくするとまた読み方忘れたりするので、章が変わるごとに何度でもふりがなつけてくれるのが大変親切でした。

    逆に気になったのは登場人物(とくに景)の言葉使い。昔の人がどんな喋り方をしてたか正確に再現するのは不可能だしもちろん雰囲気のみの基本現代語訳でいいと思うのだけど、それにしてもあまりにも場違いな現代の若者言葉がたまに混じるのが、のぼう~の頃からひっかかっていました。今回、泉州弁など上手く駆使してあっただけに、余計にたまに出る「現代弁」が浮いていたかも。

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