日常茶飯事 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 85
感想 : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101350165

感想・レビュー・書評

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  • この本が最初に出版されたのは、昭和37年。
    さすがに私も生まれていませんが、それでも面白かったです。
    時代とともに古くなるテーマもありましたが、例えば「食べれる」などの「ら」抜き言葉に怒ってみたり(そんな昔からあったんだ…)、芸能人の私生活を暴いて喜ぶ芸能雑誌に怒ってみたり。

    事実よりも、よりスキャンダルな仮説に飛びつく読者。
    ”読者は常に、気に入らない説なら認めぬ。読んでも記憶にとどめないのである。”
    これは戦後にあった「下山事件」について書いた文章なのですが、当時の国鉄総裁が自殺か他殺かで相当に世論は盛り上がったようです。

    ”ジャーナリズムの理想は、事件に追いついて、それを追いこすことにある。たとい短時間でも、そこに時間が介在すれば、どんな邪魔が入るか知れない。だから本当は、事件の直前にその場にいたいのである。
     電信柱のかげでもいい。彼はその場にひそんでいたい。そこへ、あの名高い下山総裁が、よろよろと、あるいはつかつかとあらわれて殺される、または自殺する。
     その一挙一動を、電信柱のかげから彼は見ている。見て鉛筆を走らせている。首尾よく総裁の息が絶えたら、かけ出して新聞社に電話する。これなら神速、かつ正確な記事が書ける。ついに、事件と報道は密接する。”

    なんだか最近の事件を思い起こさせる文章に、背筋が寒くなります。

    スピードを追い求め、効率を重視しすぎる世の中に警鐘も鳴らしています。
    徒歩で歩いていた時代より、馬で走っていた時代より、今は何倍も速く移動することができるけれど、では、何倍も幸せになっているのか?
    否。
    却って身も心もすり減らしているではないか、と。

    私が生まれる前に、既にこのように言い切っている人がいることに驚きます。
    そして、結局何も解決することなく、現在に繋がっている事にも。

  • 7/28読了

  • 「つまり、山本夏彦のエッセイは、それが五十以上の思想・認識は述べていないと分かっていても、その順列・組み合わせが無限だから、常に新しい感じがするのである。」「本書は、以後四十年間にわたって、無限のバリエーションで同じ思想・認識を伝え続けた山本夏彦が、その原型たる五十種類の思想をはっきりと示している唯一の本なのである。」(■新潮文庫版の鹿島茂による解説より)

  • 「室内」連載のコラムの第一集。40年間、不変の頑固親父。主義主張が驚く程一貫している。文章も最初から山本夏彦節。

  • ふらりと入った不思議な古本屋で発見。その古本屋、一見、普通の住宅。玄関では靴を脱ぎスリッパに履き替える。キッチンがあり、壁にはコーヒーやケーキのメニューが貼られている。本棚には二重に本が並べられ、手前の本をごっそり取り出さないと奥にどんな本が入っているのかわからない。しかも本棚のまん前に観葉植物やらコーヒーテーブルやらが置かれていて肝心の本に容易に近づけない。でも、こどもの本から大人の本までなんとはなしに気になる品揃え。あげくの果てに山本夏彦と遭遇。また行こうっと。

  • 山本夏彦は、社会学を専攻してた某人につけ込む為に読んだ。ので自分の趣味ではない。
    嫌いじゃないけど、好きじゃない。

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著者プロフィール

山本夏彦
大正4年東京生まれ。コラムニスト、作家。「室内」編集・発行人。昭和22年『中央公論』に発表した「年を経た鰐の話」が坂口安吾らの目にとまり、注目を浴びる。その後、出版社勤務を経て昭和33年、月刊インテリア専門誌『木工界』(36年に『室内』と改題)を創刊し、以来編集に携わった。『週刊新潮』『文藝春秋』などにコラムを連載、一貫して、世相をするどく諷刺する辛口コラムを得意とした。昭和59年第32回菊池寛章を受章。
著書に『日常茶飯事』『編集兼発行人』『死ぬの大好き』『完本文語文』『「室内」40年』『私の岩波物語』などがある。平成14年に10月に死去した。

「2022年 『無想庵物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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