- 新潮社 (2014年7月29日発売)
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感想 : 29件
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Amazon.co.jp ・本 (530ページ) / ISBN・EAN: 9784101351520
感想・レビュー・書評
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It consists of 5 different stories named after 5 movies. In the beginning, you’ll see a handmade poster for the free screening of ‘Roman Holiday’, but I wonder why, because there is no story named after it. But this is why this book is wonderful.
I learned to know all the main characters live in the same town, and all of them saw the same handmade poster and tried to go to see the movie with their important person. In the last story, the main character was the producer of the free screening of ‘Roman Holiday’.
I bet you’ll want to watch many movies after you read the book.
(Ichiro さん)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
おもしろかった!!よかった~‼特に「太陽がいっぱい」が好きです。「愛の巣」もよかったけれと。金城一紀さんの作品はどれも好きです。
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物語には、とてつもない"力"がある。
そのことを思い出させてくれる作品です。
愛と、友情と、ヒーローと、ロマンチックと。
これだけあれば、もう充分。
この本を読むと、きっと「ローマの休日」を観たくなりますよ。 -
5篇の作品タイトルはそれぞれに映画のタイトル。
「太陽がいっぱい」「ドラゴン怒りの鉄拳」「恋のためらい/フランキーとジョニーもしくは トゥルー・ロマンス」「ペイルライダー」「愛の泉」
ひとつも観たことがない。orz
私が熱心に映画を観るようになったのはここ1~2年ほどのことなので、観てない名作の多さに打ちのめされるとともに、映画を観ることの楽しさや必然というか巡り合わせのようなものも強く感じた。
要するに、私が本に対して感じたり得たりしていたことを、映画で感じたり得たりすることができるわけなんですね。
「小説はよかったけれど、映画はね…」
と簡単に言っていたけれど、映画って監督とキャストだけではなく、音楽だったり、その舞台であったりと、表現する世界は同じなのに、そこへのアプローチが関わる人の数だけ存在するので、映画を理解するというのは私にとって、かなりハードルが高いことなのである。
心の深いところで理解できるのが一番いいことなのだろうけれど、理解力に自信のない私はどうしてもなんらかの情報から理解の手助けをえようとしてしまう。
多くを観ることによって、自然と理解力は増していくのだろうか。
みんな、どうやって映画を味わっているのかが知りたいところだ。
この「映画篇」という小説は、作品タイトルになっている5つの映画だけではなく、数多くの映画が登場人物たちの人生を彩っていく。
5つの短編を扇の要のようにまとめているのが「ローマの休日」。(これも観てねーorz)
区民会館で行われる「ローマの休日」の無料上映会が、各作品で転換点となる。
映画を観て泣いたり笑ったり惜しみなく拍手をしたり。
そしてそのあとの人生が、少し色合いを変えていく。
いいなあ。
私もそんなふうに映画を感じることができたら、もっと人生が豊かで楽しくなるような気がする。
よし、映画を観よう!
そう思わせてくる小説だった。
これは、連作短編集というか、連作短編を装った長編小説というか、とにかく「ローマの休日」が要になる。
裏バージョンとしてひたすら各作品でけなされている人妻の不倫映画もあるのだけど、これだけがタイトルを記されていない。わかる人にはわかるのだろうけど、この映画を探してみるのも楽しみの一つかもしれない。
ところで区民会館とあるから、私は札幌市の区民センターのような小さい会場を想像していたのだけど、1200人収容とあるから結構な大会場。
道新ホールで700人だからね。(「ベニスに死す」の上映会をこの会場でやったとき、特大スクリーンに映るビョルン・アンドレセンの美しさに泣いた)
東京以外にお住まいの方は、市民会館とかそこら辺をイメージして読んだ方がよいかと思います。
“龍一と見た映画を起点にして目の前に広がる記憶には、不幸せだった事柄がぽっかりと欠落しているのだ。映画の力で導かれた記憶の中の僕は、いつでも軽やかに笑い、素直に泣き、楽しそうに手を叩き、一心不乱に龍一と語り合い、はつらつと自転車を漕いでいた。”
結構な感動作に持って行こうとしているように思わせておいての着地点は、あっけらかんと「参りました」が言える素敵なオチで、心を鷲掴みにされなおしたところでエンディング。
好きだわ~、こういうの。 -
映画を軸にした短編で読みやすかった。しかも最後の話に、全てがちょっと絡んでる。時々笑えて、時々泣けて。
自分が過去に人と観に行った映画なんかを思い出す…そんな本でした。 -
ローマの休日を軸に展開される5篇のオムニバス形式の小説。
小説にオムニバスを使うのかどうかは一旦おいとき、そこも、映画からインスパイアされたものなのか?と思うと俄然胸がワクワクする。
面白い、面白すぎる。
映画も好きだから、という軽めの感覚で手に取ったけど、もっと早く読みたかった。
1篇、1篇が濃くて、胸が詰まる。
ローマの休日が軸なだけでなくて、
スパイス的要素として、どの話にも、若い男と、人妻の不倫物のフランス映画が出てくる、これもまた良い。
皆さん、愛の泉がやっぱ1番好きなのかな?
わたしは、恋のためらい/フランキーとジョニーもしくはトゥルーロマンス 篇が、
1番、うぐぐぐぐと、なりました。
easy come, easy go!
簡単に手に入ったものは、簡単に手から離れていってしまう
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8月31日、区民会館での『ローマの休日』上映会を軸とした、5つの物語。
作中に出てくる映画を全部見てみたいと思った。
このように、作品が作品を教えてくれることが、私はとても好きで。
『愛の泉』は主人公の思想が面白く、終始クスクス笑いながら読むことができた。
個人的な話をすると、この本は古本屋で適当に購入したのだが、8月31日は私の誕生日であり、私もかなり映画が好きなので、シンパシーを感じる大切な作品になった。 -
「だから、俺たちは映画館の暗闇の中にいると、ワクワクするんだよ」かつて映画について語り合い、だが全く別の道を歩んだ友との再会。夫の自殺で憔悴する河本に訪れた、レンタルビデオ店での運命の出会い。最愛の夫を亡くした祖母を元気づけるべく鳥越家の孫たちが企んだ『ローマの休日』上映計画―。やさしさと勇気が宿る全5篇を収録。映画から放たれた光が、人々の胸に潜む暗闇に、希望を映し出す。著者最高の短篇集。
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対話編を読んでから、映画編を読むことをオススメします。もちろん映画に詳しくなくても、十分楽しめます。
5篇はそれぞれ映画のタイトルがついてますが、全てローマの休日で繋がってます。最後の愛の泉も大団円で好きですが、個人的には復讐篇が好きです。
カッコ良すぎます。金城さんが描くダークヒーローが好きだからですかね。暴力は嫌いなのに、強い者に立ち向かう力は眩しく感じます。
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いやー、素晴らしい。こんなに気持ちのいい余韻が残る小説は久しぶりだ。映画のパワーって、魅力って、無限大だね。
グランドフィナーレとも言える、最終章の「愛の泉」を除くと、4篇の、ほろ苦かったり、じんわりと胸が熱くなったり、どうしようもなく切なくなったり、慟哭の念に胸が震えたり、と言った様々な感情の中に、ある映画が微妙に絡んでいるんだけど、乱暴な言い方をしてしまえば、それらを全部ひっくるめて優しく包み込んでしまうような力があるんだなあ、と感じさせてしまうのだ。嬉しいことに。 -
マルタで読んだ。全編面白かった。全部思う一度読みたい
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2020.1.6
ゆみちゃんに借りて
ローマの休日を中心に進む物語
市民会館
在日
35mmフィルム
違法な薬
レンタルビデオ屋
夏休みの自由研究
両親の離婚
無敵すぎるライダーおばちゃん
過去の復讐前の温かな1日
隣の席の友達
父親からまさかの強盗計画
ばあちゃん想いな孫達
ローマの休日上映会
まさかの違う映画でしたパテーン
短編集だけど繋がりがあって
おおおお!ってなる作品。
もう一度読み直したい!
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「太陽がいっぱい」
主人公と幼馴染みの友情。ハッピーエンドで本当によかった。自伝かしら? そして、映画が人を救うかぁ。始まる前の映画館が暗くなるところ、確かになと思った。特に携帯の電源を切るのは大事な儀式。
「ドラゴン怒りの鉄拳」
タイトルから想像もつかない内容だった。突然の夫の自殺から引きこもっていた若い女性。夫の返しそびれたレンタルビデオを返却したことで社会との接点が復活。店員の勧める映画が彼女の心を解きほぐし、彼との関係も良い方向へ向かうところで、ドラゴン怒りの鉄拳でパワーをもらい、夫の死の原因に目を向ける。主人公、闘った後も幸せになるといいな。
「恋のためらい/フランキーとジョニー」
石岡の住んでる家は対話編のあの子の家だね。クライムストーリーかと思ったら、切ない家庭事情を背負った高校生たちの淡い恋物語。前話の後日談もあって、ニクい演出。
「ペイル・ライダー」
かっこいいおばちゃんと、ちょっと寂しい小学生男子の心温まるふれあいの話かと思いきや、後半の展開との落差に驚き! 後日談書かれてないかなぁ...
「愛の泉」
この話が一番好きという感想が多く、さぞや甘いラブストーリーかと思いきや、全然違った。しかし従兄弟連合の五人のキャラがよく描けていて、ほのぼのと楽しい話だった。 -
一編一編がとてもいい。「ローマの休日」が通奏低音のように流れていて、最後に前面に…頭初の絵が俄然意味を放ち…でもそれは…(笑
こんな物語素敵すぎる
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金城一紀の原作が映画化されたものはほぼ観ています。と言ってもそもそも寡作な人ですから、私が観たのはそのうちの『GO』(2001)、『フライ,ダディ,フライ』(2005)、そしてその韓国版リメイク『フライ・ダディ』(2006)の3本のみ。あとは『SP』の脚本と原案を担当している作家として有名ですね。映画化されたものはすべて好きだったにもかかわらず、なぜか原作には手が伸びず、読んだことがありませんでした。これは映画化もされていませんでしたから、その存在すら知らず、たまたま見つけて購入したものの、ずっと放置していました。もっと早く読めばよかったと後悔。読み終わってすぐよりも、数日後の今のほうがじんわり来ています。本の帯には「現実よ、物語の力にひれ伏せ」のキャッチコピー。はい、ひれ伏しました。
映画をモチーフにした5つの物語で構成されています。
1つめは『太陽がいっぱい』(1960)。在日韓国人である金城氏の自伝だと思われます。映画がなければ共通項はなかったであろう主人公とある同級生。ふたりで過ごした少年時代の描写は、輝きと切なさいっぱい。いつしか疎遠になってしまい、迎える現在。こう結んでくれてありがとうと言いたくなるエンディングです。
2つめは『ドラゴン怒りの鉄拳』(1971)。夫を自殺で失った女性のもとへ、ビデオレンタル店から電話が。夫が借りっぱなしだったビデオを返却しに行き、延滞料金5万円を払います。申し訳なさそうにそれを受け取ったアルバイトの青年は、サービスだと言って、次々とお薦め作品を貸してくれるように。何が可笑しかったって、数々のお薦め作品。特に『キングピン ストライクへの道』(1996)には笑いました。
3つめは『恋のためらい フランキーとジョニー』(1991)、もしくは『トゥルー・ロマンス』(1993)。悪徳弁護士である自分の父親から金を強奪する計画を立てた女子高生。彼女に白羽の矢を立てられた男子高生はその計画に乗ることに。
4つめは『ペイルライダー』(1985)。両親と過ごす時間が少なくて、寂しい思いをしている小学生の男の子。彼の前に突然現れたハーレーに乗ったおばちゃんと半日を過ごします。
5つめは『愛の泉』(1954)。これはタイトルのみで、話中に本作が出てくることはありません。なぜなのかは読んでのお楽しみ。おじいちゃんを亡くして、見ていられないほど落ち込んでいるおばあちゃん。おばあちゃんのことが大好きな孫たちは、なんとかおばあちゃんに元気を出してもらおうと、おじいちゃんとおばあちゃんの思い出の映画『ローマの休日』(1953)を映画館並みの場所で上映することを企画します。
こうして書けば歴然としますが、私が好きだったのは、1つめ、2つめ、5つめの物語。それぞれ別の話のように思わせておいて、ところどころでリンク。すべて読み終わると、もう一度、最初のページを開いてニッコリ。幸せな気持ちに浸れます。心に残る言葉もたくさん。
映画を全然知らなくても楽しめること請け合います。『ローマの休日』、恐るべし。 -
最近になってよく映画館へ足を運ぶようになった。
お気に入りが俳優として参加している映画は見ていたけれど、いろいろな映画を映画館で見るようになったのはここ3年ほどだ。
残念ながらこの物語に登場する映画のほとんどは見ていない。
というか、題名すら知らないものが多かった。
さすがに「ローマの休日」は知っていたけれど、これもザックリとした内容をしっているだけで見てはいない。
「ローマです!なんと言ってもローマです!」
本編に劣らず面白く、「ローマの休日」における王女と記者との関係性など、「えっ??」と思う見かただった。
なんとなくプラトニックな純愛物語だと思い込んでいたので、「なるほど、大人はそういう見かたをするのか!!」と新鮮な思いがした。
好きなればこそのめり込む。
そしてどんどん詳しくなり、見かたも通り一遍ではなくなり、好きだからこそ違う世界が見えてくる。
これが好きだ!!そう言えるものを持っている人は幸せだと思う。
なぜなら、それだけできっとたくさんの素敵な時間が持てるような気がするから。
切ないけれどあたたかい。
金城さんの映画への思いとともに、そんなあたたかさが伝わってくる物語だった。
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