- Amazon.co.jp ・本 (530ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101351520
感想・レビュー・書評
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It consists of 5 different stories named after 5 movies. In the beginning, you’ll see a handmade poster for the free screening of ‘Roman Holiday’, but I wonder why, because there is no story named after it. But this is why this book is wonderful.
I learned to know all the main characters live in the same town, and all of them saw the same handmade poster and tried to go to see the movie with their important person. In the last story, the main character was the producer of the free screening of ‘Roman Holiday’.
I bet you’ll want to watch many movies after you read the book.
(Ichiro さん)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
おもしろかった!!よかった~‼特に「太陽がいっぱい」が好きです。「愛の巣」もよかったけれと。金城一紀さんの作品はどれも好きです。
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物語には、とてつもない"力"がある。
そのことを思い出させてくれる作品です。
愛と、友情と、ヒーローと、ロマンチックと。
これだけあれば、もう充分。
この本を読むと、きっと「ローマの休日」を観たくなりますよ。 -
5篇の作品タイトルはそれぞれに映画のタイトル。
「太陽がいっぱい」「ドラゴン怒りの鉄拳」「恋のためらい/フランキーとジョニーもしくは トゥルー・ロマンス」「ペイルライダー」「愛の泉」
ひとつも観たことがない。orz
私が熱心に映画を観るようになったのはここ1~2年ほどのことなので、観てない名作の多さに打ちのめされるとともに、映画を観ることの楽しさや必然というか巡り合わせのようなものも強く感じた。
要するに、私が本に対して感じたり得たりしていたことを、映画で感じたり得たりすることができるわけなんですね。
「小説はよかったけれど、映画はね…」
と簡単に言っていたけれど、映画って監督とキャストだけではなく、音楽だったり、その舞台であったりと、表現する世界は同じなのに、そこへのアプローチが関わる人の数だけ存在するので、映画を理解するというのは私にとって、かなりハードルが高いことなのである。
心の深いところで理解できるのが一番いいことなのだろうけれど、理解力に自信のない私はどうしてもなんらかの情報から理解の手助けをえようとしてしまう。
多くを観ることによって、自然と理解力は増していくのだろうか。
みんな、どうやって映画を味わっているのかが知りたいところだ。
この「映画篇」という小説は、作品タイトルになっている5つの映画だけではなく、数多くの映画が登場人物たちの人生を彩っていく。
5つの短編を扇の要のようにまとめているのが「ローマの休日」。(これも観てねーorz)
区民会館で行われる「ローマの休日」の無料上映会が、各作品で転換点となる。
映画を観て泣いたり笑ったり惜しみなく拍手をしたり。
そしてそのあとの人生が、少し色合いを変えていく。
いいなあ。
私もそんなふうに映画を感じることができたら、もっと人生が豊かで楽しくなるような気がする。
よし、映画を観よう!
そう思わせてくる小説だった。
これは、連作短編集というか、連作短編を装った長編小説というか、とにかく「ローマの休日」が要になる。
裏バージョンとしてひたすら各作品でけなされている人妻の不倫映画もあるのだけど、これだけがタイトルを記されていない。わかる人にはわかるのだろうけど、この映画を探してみるのも楽しみの一つかもしれない。
ところで区民会館とあるから、私は札幌市の区民センターのような小さい会場を想像していたのだけど、1200人収容とあるから結構な大会場。
道新ホールで700人だからね。(「ベニスに死す」の上映会をこの会場でやったとき、特大スクリーンに映るビョルン・アンドレセンの美しさに泣いた)
東京以外にお住まいの方は、市民会館とかそこら辺をイメージして読んだ方がよいかと思います。
“龍一と見た映画を起点にして目の前に広がる記憶には、不幸せだった事柄がぽっかりと欠落しているのだ。映画の力で導かれた記憶の中の僕は、いつでも軽やかに笑い、素直に泣き、楽しそうに手を叩き、一心不乱に龍一と語り合い、はつらつと自転車を漕いでいた。”
結構な感動作に持って行こうとしているように思わせておいての着地点は、あっけらかんと「参りました」が言える素敵なオチで、心を鷲掴みにされなおしたところでエンディング。
好きだわ~、こういうの。 -
映画を軸にした短編で読みやすかった。しかも最後の話に、全てがちょっと絡んでる。時々笑えて、時々泣けて。
自分が過去に人と観に行った映画なんかを思い出す…そんな本でした。 -
ローマの休日を軸に展開される5篇のオムニバス形式の小説。
小説にオムニバスを使うのかどうかは一旦おいとき、そこも、映画からインスパイアされたものなのか?と思うと俄然胸がワクワクする。
面白い、面白すぎる。
映画も好きだから、という軽めの感覚で手に取ったけど、もっと早く読みたかった。
1篇、1篇が濃くて、胸が詰まる。
ローマの休日が軸なだけでなくて、
スパイス的要素として、どの話にも、若い男と、人妻の不倫物のフランス映画が出てくる、これもまた良い。
皆さん、愛の泉がやっぱ1番好きなのかな?
わたしは、恋のためらい/フランキーとジョニーもしくはトゥルーロマンス 篇が、
1番、うぐぐぐぐと、なりました。
easy come, easy go!
簡単に手に入ったものは、簡単に手から離れていってしまう
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8月31日、区民会館での『ローマの休日』上映会を軸とした、5つの物語。
作中に出てくる映画を全部見てみたいと思った。
このように、作品が作品を教えてくれることが、私はとても好きで。
『愛の泉』は主人公の思想が面白く、終始クスクス笑いながら読むことができた。
個人的な話をすると、この本は古本屋で適当に購入したのだが、8月31日は私の誕生日であり、私もかなり映画が好きなので、シンパシーを感じる大切な作品になった。 -
「だから、俺たちは映画館の暗闇の中にいると、ワクワクするんだよ」かつて映画について語り合い、だが全く別の道を歩んだ友との再会。夫の自殺で憔悴する河本に訪れた、レンタルビデオ店での運命の出会い。最愛の夫を亡くした祖母を元気づけるべく鳥越家の孫たちが企んだ『ローマの休日』上映計画―。やさしさと勇気が宿る全5篇を収録。映画から放たれた光が、人々の胸に潜む暗闇に、希望を映し出す。著者最高の短篇集。