100年の難問はなぜ解けたのか―天才数学者の光と影 (新潮文庫)

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  • / ISBN・EAN: 9784101351667

作品紹介・あらすじ

1世紀にわたり、幾多の挑戦者を退け続けた超難問、ポアンカレ予想が解かれた。証明したロシア人に対して、「数学界のノーベル賞」フィールズ賞が贈られ、偉業は大きく祝福されるはずだったが-。受賞を辞退して姿を消し、100万ドルの賞金さえも受け取らなかった天才は、栄光の陰で何を見たのか。数学者たちを悩ませた難問の実像に迫る。大反響を呼んだ傑作ノンフィクション。

感想・レビュー・書評

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  • 20190824
    ポアンカレ予想を見事に解決したペレリマン博士の生き方を追うとともに、現代数学=トポロジーを切り開いたポアンカレ予想にまつわる数学話も豊富な著書。
    ペレリマン博士はポアンカレ予想に人生を注ぎ、他者との関わりを絶った。何かに挑むという姿勢は、何かを切り捨てなくてはならないという生き様を示している。自分がそこまで極端ではないものの、人生の中で追求したいものがあるかどうか、博士たちの生き様を見ていると自問したくなる。色々な生き方があると思うが、共通してあるものは、自分が解決しなくてはという生き甲斐と、それを広めたいという愛情であるように感じた。
    また学問の話では、ペレリマン博士がポアンカレ予想に使用したのは物理学のエントロピーの議論を援用したものであるという。証明するのに数年かかるというのだから、とてつもなく専門的になっている。色々な定理の中身が分かるわけではないが、定理・学説が述べるエッセンスを理解し、思考法に応用したいという心構えは無くさずにいたい。

    //MEMO//
    学生気分を引きずって学問的なものを。数学ノンフィクションはフィクションより奇なり。とても面白い物語を期待している。

    ポアンカレ予想
    =単連結な三次元閉多様体は三次元球面と同相である
    π1(M^3)=0⇒M^3=S^3
    宇宙が丸いということを仮説。

    トポロジー
    位相幾何学
    穴があるかどうか、ぐにゃぐにゃにした時の形に注目

  • NHKの放送を見て内容は知ってましたが、本屋さんで文庫になっているのを見つけ読んでみました。テレビで見た内容をもっと丁寧にたどっていけたので、ポアンカレ予想にとりくんだいろいろな数学者たちの性格とか苦悩がわかった感じがしました。あとがきは読む価値ありで、視聴者に数学者の言葉をいかにわかりやすく伝えるかに、心を砕いていた著者の努力を知りました。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「いろいろな数学者たちの性格とか苦悩が」
      難問があると挑んでしまうのでしょうか?こう言う歴史物は好きなので読んでみたくなりました。
      「いろいろな数学者たちの性格とか苦悩が」
      難問があると挑んでしまうのでしょうか?こう言う歴史物は好きなので読んでみたくなりました。
      2012/12/27
  • 「単連結な三次元閉多様体は、三次元球面と位相同型である」

    さっぱり分からぬ。大体、私は算数でつまずいているので数学
    なんかもっと分からない。

    高校時代の数学のテストなんて、50点以上を取ったことがない。
    あ、なんの自慢にもならんな。

    それでも100年も解けなかった難問に答えが出たと聞いたら、
    興味は湧くのである。しかもそれが私の愛するロシア絡みと
    なれば尚更である。

    という訳で、冒頭のポアンカレ予想なのだ。何人もの数学者が
    挑み、敗れ続けた難問を解いたのがロシアの数学者グリゴリー・
    ペレルマン(本書ではぺりルマン表記)。

    しかし、彼はポアンカレ予想に懸けられた懸賞金もフィールズ賞の
    受賞も辞退したばかりか、務めていた研究も辞め、姿を消した。

    何故、彼は難問を解明したのちに姿を消したのか。ここが一番興味
    をそそられることなのだが、本書はペレルマンその人の追うことも
    しているが、紙数の多くが割かれているのは数学者たちがいかに
    ポアンカレ予想と格闘して来たか…だった。

    なので、私にはちょっと肩透かし。それでも、数学門外漢でも理解
    しやすいように書かれているのでざっくりと理解するにはいいかも。
    NHKの番組の書籍化なので、番組を見ていれば一層に理解が深まる
    かもしれない。それでも、ポアンカレ予想は理解出来てないが。

    でもね、やはりもう少しペレルマンの半生にも焦点を当てて欲しい
    と思うのよ。ソ連時代に少年期を過ごしているのだし、ユダヤ系
    なのだから差別があったはずなんだもの。

    一応、テレビ番組としてペレルマン本人に接触しようと試みては
    いる。ペレルマンを知る数学者たちに彼に関してのエピソードも
    聞いている。だが、結局はペレルマンを追えてないのは残念。

    友人・知人との交流も断ち、雲隠れするように菅を見せなくなって
    しまったペレルマン。彼は今も孤独に数学の次なる難問に挑んで
    いるのかもしれないね。

    ロシアの森でキノコ狩りをしながら。

  • ミレニアム問題として有名な、「ポアンカレ予想」が解かれ、そして証明した数学者についてのドキュメンタリーを本にしたもの。
    一見、数学の難問と聞くと、身構えてしまうが、この難問は、宇宙の形を考えることでもあるというところが非常に興味深かった。
    何人もの数学者が挑んでは挫折していく・・・
    しかし、その中でも、解決の糸口になった証明なども面白かった。
    数学の専門知識はないが、数式はほとんど出てこず、身の回りの物事で例えてくれているので、文系理系問わず楽しめそう。

  • ペレリマン先生まだ若いしなんか突然スゲーこと発表しそう。

  • 書き方が上手いのだろうか、面白かった。才能と性格の関係について考えさせられた。

  • 100年の難問はなぜ解けたのか
     天才数学者の光と影


    新潮文庫 か-60-1.

    2011年月11日 発行

    著者:春日真人(かすが まさひと)
    発行所:株式会社新潮社

    978-4-10-135166-7

  • ポアンカレ予想はどのようにして解かれたか。

     ロシア人数学者であるペレリマンにより解かれたポアンカレ予想。「単連結な3次元閉多様体は3次元球面と同相である。」この段階で意味がわからない。

     この世には〇〇語と呼ばれる言語のほか、もう一つ「数学語」があるという。数学者に自明なことでも門外漢にとっては何を言っているのかわからない。

     ペレリマンはその後数学者の最高の栄誉であるフィールズ賞の受賞とクレイ研究所の出していた賞金の受領を拒否。ほとんど人と会わない生活に入った。

     ポアンカレ予想を解いた、とペレリマンが連続講義をアメリカで行った。その段階では受講した名だたる数学者たちにも理解できず、3チーム計6名の数学者による一年半の検証を経てようやくその正しさが立証されたという。

     人智を超えた世界。

     ペレリマンの業績を何とかわかりやすく言うと、100m、砲丸投げ、走り幅跳び、5000m走でそれぞれ金メダルを取るようなもの、と。

     この数学者だけがわかる世界を視聴者にわかる形で番組にしたい、とら思ったプロデューサーもすごい。

  • 978-4-10-135166-7 253p 2012.6.10 4刷

  • まずはテレビのプログラムとしては賛同も得にくいこのようなトピックスに挑戦された著者に脱帽です。
    テレビ放送は見ていないのですが、ペレリマン博士という特異点に対しては今回のようなアプローチしかできず、しかしながら結果的にとても魅力のある作品・取り組みになったのではないでしょうか。

    ふつうの他人だって本当に何を考えているかわからないですし、それがポアンカレ予想を解決した人となると本人にしか見えない世界があり、そして独り深淵で何かに触れたのでしょう。
    そういった点に少しでも想像を広げられた本作に、ペレリマン博士に感謝です。

  • ペレリマンが証明した内容を解説するわけではなく(仮に解説されても理解できるはずもない)、ポワンカレ予想が解かれるまでに数学界で起きたことのドキュメントと云うべきか。

    ひとりの超絶的な天才と、引き立て役に回った数学者たち。あるものは失意のままに病死し、またあるものは諦めて研究分野を変える。人間ドラマとしても楽しめる。

    ペレリマンが「現在、別の関心事がある」と述べていると、あとがきで紹介されている部分で、ぞくっと鳥肌が立った。

    本作はドキュメンタリーとしてすぐれているので、NHKスペシャルの「単なる文字起こし」とは、誤解しないほうが良いと思う。

  • 必読書

  • 似たような感じの本で、サイモン・シン『フェルマーの最終定理』の方がルポルタージュとしてずっと面白いとは思ったのですが、主人公ペレリマン博士の強烈なキャラクターが足りない分を補っていました。

  • 数学は得意ではないが好きだ。問題を解いた時の爽快感に似た感情を思い出す。しかし、大数学者をして難問と言わしめる問題を解くために、ペレリマン博士のように孤独になってしまうなんて……私なら、問題は解けずとも楽しく心安らぐ人と暮らしたいと思ってしまう。凡人ゆえの発想(^^;高校時代、矢野健太郎氏の数学エッセイを読み耽っていたことを思い出した。

  • 2016/06/22

  • 数学の難問を解くことに、人生を懸け、周囲と交渉を断って、思索の世界に没頭する数学者。
    そして、ついに100年の難問ポアンカレ予想を解いた数学者は、数学の思索の世界から逃れられなくなった。その世界は、きっと論理的で美しい世界なのだろうと思う。
    ポアンカレ予想が、なぜ解けたのかは、なんとなく分かった気がする。
    中学の数学の時に、グラフ理論の一端は教えてもらった覚えがある。。。しかし、ポアンカレ予想がどう解けたのか理解が及ばなかった(なんとなくわかった気もしない)のは、悔しい。

  • ポアンカレ予想を証明したグレゴリー・ペレリマン。人前から姿を消した彼の消息を追いながら、ポアンカレ予想に挑んだ数多の数学者たちに光を当てる。ペレリマンに会うことはできるだろうか。

  • ポアンカレ予想を解いたグリゴリー・ペレルマンや、それまでにこの難問に挑戦した数学者たちの物語。難しい話題だが、分かり易くまとめられていて、“分かった気になる“ことはできた。
    ペレルマンさん、今はまた別の問題に立ち向かっているのだろうか。

  • 1世紀にわたり、幾多の挑戦者を退け続けた超難 問、ポアンカレ予想が解かれた。証明したロシア 人に対して、「数学界のノーベル賞」フィールズ 賞が贈られ、偉業は大きく祝福されるはずだった が──。受賞を辞退して姿を消し、100万ドルの 賞金さえも受け取らなかった天才は、栄光の陰で 何を見たのか。数学者たちを悩ませた難問の実像 に迫る。大反響を呼んだ傑作ノンフィクション。

  • 4〜5

  • 数学の発展と教育を目的として組織された、クレイ数学研究所なる団体があるさうです。この団体が、2000年(平成12)年に「ミレニアム懸賞問題」といふものを発表しました。100万ドルの懸賞金がかけられてゐるので、この名称になつてをります。さしづめ20世紀の数学界が遣り残した「宿題」と申せませう。
    全部で七つあり、そのうちの六つはまだ解決してゐません。解決した一つが「ポアンカレ予想」で、これの証明がされた時は、結構なニュースになり騒がれた記憶があります。なにしろポアンカレが1904年に提唱してから、あまたの数学者の挑戦を跳ね除けてきた、まさに「100年の難問」ですから。

    そのポアンカレ予想を証明したのが、ロシアの数学者・ペレリマン博士。
    これほどの偉業を為した人ですから、「数学界のノーベル賞」といはれるフィールズ賞が贈られることになりました。ところが! ペレリマン博士は受賞を辞退し、懸賞金も受け取らず、社会と関はるのを避けるやうに姿を消すのでした。どうして?

    『100年の難問はなぜ解けたのか』は、元々「NHKスペシャル」として放送された同名の番組を書籍化したもの。著者の春日真人氏はその番組を制作したディレクターださうです。
    彼らは、行方が分からないペレリマン博士を探し、サンクトペテルブルグを皮切りに取材を開始するのでした。
    果たして、取材班はペレリマン博士に会ふことができたのでせうか...?

    そもそも、ポアンカレ予想とはどういうものでせうか。それは次のやうに表現されてゐます。
    「単連結な三次元閉多様体は、三次元球面に同相である」
    わたくしには全くわかりません。著者がいろいろと用語を云ひ換へて素人に解るやうにい工夫するのですが、それでもわからない。
    数学語と呼ばれる特殊な用語を駆使するため、一見日本語でも、まるで未知の外国語で説明されてゐるやうな気分になるのです。

    それでわたくしは数学上の記述を完全理解するのは諦め、ポアンカレ予想に関つた数学者たちの栄光と挫折を描いたノンフィクション作品として愉しむことにしました。本書については、「掘り下げが足りない」「内容が浅い」との声も聞きますが、わたくしにはこれで十分であります。これ以上深く掘り下げられても、ついていけないのは明白。
    数学語を知らない人向けの入門書として取り扱ひませう。

    ぢや、また。

    http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-503.html

  • 【本の内容】
    1世紀にわたり、幾多の挑戦者を退け続けた超難問、ポアンカレ予想が解かれた。

    証明したロシア人に対して、「数学界のノーベル賞」フィールズ賞が贈られ、偉業は大きく祝福されるはずだったが―。

    受賞を辞退して姿を消し、100万ドルの賞金さえも受け取らなかった天才は、栄光の陰で何を見たのか。

    数学者たちを悩ませた難問の実像に迫る。

    大反響を呼んだ傑作ノンフィクション。

    [ 目次 ]
    プロローグ 世紀の難問と謎の数学者
    第1章 ペレリマン博士を追って
    第2章 「ポアンカレ予想」の誕生
    第3章 古典数学vs.トポロジー
    第4章 1950年代「白鯨」に食われた数学者たち
    第5章 1960年代クラシックを捨てよ、ロックを聴こう
    第6章 1980年代天才サーストンの光と影
    第7章 1990年代開かれた解決への扉
    エピローグ 終わりなき挑戦

    [ POP ]
    世紀の難問と呼ばれ、100万ドルの懸賞金までかけられた「ポアンカレ予想」。

    これを解決しながらも、数学界のノーベル賞といわれる賞を辞退、しかも忽然と姿を消した伝説の数学者ペレリマンとは一体どんな人物なのか。

    そしてポアンカレ予想とは?

    NHKスペシャルとして放映され大反響を呼んだドキュメンタリーを文庫化。

    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 面白かったけど、番組を見てから補足として読んだほうがいい本だと思う。これだけだと物足りない。

  • 「フェルマーの最終定理」に続いて
    これは元のドキュメンタリー番組のが分かりやすかったかな。
    内容も大体同じ。
    内容がおもしろくないといことでは決してないです。

  • 読了。

    100年の難問はなぜ解けたのか~天才数学者の光と影~ / 春日真人

    NHKスペシャルの文庫化のやつでした。

    ポアンカレ予想を解いたグレゴリ・ペレリマン氏。
    とりあえずペレリマン氏がフィールズ賞を辞退して人との接点を経ってしまったため、本人と親交がある人たちによるペレリマンの人物像と、ポアンカレ予想とはなんぞやです。

    ポアンカレ予想
    『単連結な三次元閉多様体は、三次元球面と同相と言えるか?』

    何を言ってるかなんて、もちろんさっぱりわかりません。

    地球の場合、ロープの端を灯台に括り付けてロープを伸ばしながら地球一周して灯台についたのち、そのロープを手繰り寄せることができたら地球は丸い。ではそれは宇宙でも同じことが言えるか?

    おもいっきりひらたく言うと、宇宙は形はどないなってんねん。です。

    アンリ・ポアンカレの紹介読んでたら、この話を思い出ししまして

    天文学者と物理学者と数学者がスコットランドに旅行に行った。
    電車の窓から外を眺めると、
    一頭の黒い羊がいた。
    これを見て天文学者が行った。
    「へぇ、スコットランドの羊は黒いんだ。」
    すると、天文学者のこの言葉を聞いた物理学者が言った。
    「だからおまえ達天文学者は論理的じゃないとバカにされるんだ。
    正しくは『スコットランドには少なくとも一頭黒い羊がいる』だろ?」
    すると、物理学者のこの言葉を聞いた数学者が言った。
    「だからおまえ達物理学者は論理的じゃないとバカにされるんだ。
    正しくは『スコットランドには少なくとも一頭、少なくとも片側が黒い羊が
    いる』だろ?」

    ってやつ。
    まさにこんな感じですね。

    数学者のパパキリア・コプーロス博士、スティーブン・スメール博士、ウィリアム・サーストン博士などの、突破口を開いた人物。
    そしてペレリマン博士。
    そのほかポアンカレ予想に着手していたライバルたち。
    すべての数学者の予測と発見が数学史なわけですねぇ。

    とまぁNHKスペシャルなのでほどほどの期待でしたが、なかなか面白かったです。
    まぁでもちょっと物足りない。
    数学素人ってNHKディレクターも言ってますし。
    ただサイモンシンあたりが書くともっと違うだろうなと思います。
    ペレリマン氏本人の話も聞けないからね。内容自体詳しくならないものなのかもしれない。

    数学は得意じゃないですし好きでもないけれど、サイモンシンの「フェルマーの最終定理」を読んでしまったばっかりに数学史は好きですわね

    ポアンカレ予想についての本は様々出てますのでそのうち。

  • 数学の証明に関するストーリーを追う本の中では、
    比較的分かりやすい本だったと思う。
    元がNHKの番組なので、写真や画像もちょこちょこ入ったり、
    具体例が身近で想像しやすい。

    つくづく、数学者って大いなる何かに選ばれた人たちだと思う。
    同じなんだけど別の世界を生きているというか。
    私がこうしてレビューを書いている今も、昼も夜もなく数学の世界を解き明かそうとする数学者たちがいるんだろうなぁ。

  • 数学界で100年余り解かれることのなかった難問「ポアンカレ予想」。
    数学界では有名な難問の一つで100万ドルの賞金が懸けられていた。

    その問題を証明したというロシア人数学者に、名誉あるフィールズ賞が決定した。
    しかし彼は、受賞を辞退し懸賞金も受け取らずに姿を消したという。
    彼がどんな人物だったのか。
    そして、ポアンカレ予想とはいかなる問題提起だったのか・・・100年の間数々の著名な数学者が挑んできた歴史を映し出す。

  • 【ひとことポイント】
    いくたの天才を退け続けた難問があった。

    最初にあえて尋ねますが、数学嫌いですか?
    かくいう推薦者も高校数学・受験数学に苦手意識を持っている一人。
    じゃあなんで本書を手に取ったのかというと、ずばり直観です。
    アンリ・ポアンカレによって提起され、100年のあいだ誰にも解けなかったポアンカレ予想とは、数学の分野では「トポロジー」に分類されます。
    この分野は、私たちが習ってきた微積分やら代数などの古典数学とは異なり、直観的な理解を可能とする新しい数学なのです。
    トポロジーは大雑把でいいのです。方程式もいりません。
    本書もそんなトポロジーと同じです。もちろん、難しいことを分かりやすく伝えようと書かれていますが、面倒なところは飛ばしましょう。頭を柔らかくして読みましょう。
    その上で、天才数学者たちの人間ドラマを堪能してください。このポアンカレ予想を解決したペルリマンという数学者は、直後、表舞台から一切の消息を絶つことになります。それは何故なのか、ペルリマンの真意はなんなのか。ぜひあなた自身で確かめてみてください。
    人間を理解すること、こればかりは面倒臭がってはいけません。

    <健康栄養学部 K・K>

    企画コーナー「成長する本棚」(2Fカウンター前)にて展示中です。どうぞご覧下さい。
    展示期間中の貸出利用は本学在学生および教職員に限られます。【展示期間:2013/6/6~】

    湘南OPAC : http://sopac.lib.bunkyo.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=1601251

  • 100年解けなかった数学の難問を、とあるロシア人が解いてしまった。しかし、その後彼の消息は不明。彼の幼少期から失踪するまでを追ったドキュメント

  • NHKスペシャルのノベライズ。
    宇宙の形はどんな形かということにつながるポアンカレ予想というものは聞いたことはあったけど、どんなものかは知らなかったし、その予想が解決されていて、なおかつ証明した数学者は行方不明・・・というとてもミステリアスな話。
    ポアンカレ予想にかかわる位相幾何学やトポロジー(いっしょかな?)がわからなくても読み物として面白い。
    個人的に数学好きだから、楽しんで読めたけど、数学嫌いでも楽しめるんじゃないかな。

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