本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784101351810
みんなの感想まとめ
喪失と再生をテーマにした物語が描かれています。主人公の奈緒子は、愛する人を突然失った後、彼との思い出に悩まされながらも、新たな恋人である巧との関係を築いていく過程が丁寧に描かれています。高校時代の甘や...
感想・レビュー・書評
-
偶然に、2作品続けて、愛している異性を突然亡くした女性のお話でした。奈緒子は、転勤で家族が不在の実家に一人暮らし。高校時代から付き合っていた好青年の彼氏を、海外の小さな島のバス転落事故で、突然失う。
彼の喪失感は、大き過ぎて、上手く受け止める事ができない。彼との思い出は、眠る事さえ妨げる。
二人の馴れ初めから知っている同級生の巧は、彼女と彼女の中に生き続ける友人を受け止めて、愛していくことを決心する。
小説の中に出てくる、文化祭とかフォークダンスとか手作りプラネタリウム等々、高校時代の甘やかな記憶を呼び覚ます。(ある人はね。ない人は、想像する。)
とても素敵な優しい愛情のお話でした。
私がこの小説の客層では無かった事は、残念。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
若いときにしか悩めないものがある。考えられないことがある。大人になって悩むこともいっぱいあるんだろうけど、今学生である自分でしか考えられない思考が私の中には確立している。
そうゆう思考を考え方を育ててくれるのがヤングアダルト作品だと思っている。よしもとばななの「キッチン」とかこの作品もその代表作だ。
辛い時母に言われてすごく心に残っている言葉がある。「悩めるって羨ましいな。お母さんも若いときはいっぱい悩んだ!でも歳とると悩むのも一苦労なんだよね。それは歳とると悩むことが無いっていうことじゃなくて、考えるのが億劫になる。歳とると使えなくなるのは身体だけじゃないんだよ。体と心は繋がっているからね。」
悩むという行為は、時として感情を沈める。そういう負の感情は、本当は、外側からの刺激で作られたものではなくて、自分の考えで内側から作り出しているもの。だって悩まない人は外側からの刺激を踏ん切りをつけて遮断したり跳ね返せたりできるから。そう考えるとわざわざ悩むことによって負の感情で体力やエネルギーを消費することってある意味バカバカしいことなのかもしれない。だから歳をとって体力やエネルギーが少ない母は考えることを一定ラインを越えるとやめる。それは悪いことでは無い、それが母が生きていくために作られたの思考のプロセスだと思う。
私は今まで、「こんなことで悩んで自分はネガティブだ、ちっぽけだ、母みたいに気持ちを切替えれない」とコンプレックスに思っていた。でも悩めることって一種の財産なんだって最近気づいた。私は生きていくには、悩まないと、考えて自分の芯をつくっていかないと、自分が外部からの重圧に押しつぶされ自分を見失ってしまう。生きていくために悩むということが私に必要であった。この気づきも悩んで得たことなんだけど(笑)。悩むことは悪くない、だから気づけることがある。悩めるってコンプレックスじゃなくて今の私の長所だと思えている。
この本は、ただの恋愛小説なんじゃなくて「歩き出す瞬間」が書かれている。一旦立ち止まり打ちひしがれても、立ち上がって、前を向いて、再びあるきだす、その1歩を踏み出す瞬間を。主人公たちは悩んで考えて、新しい思考を生み出す。それは終わりと始まりを描くこと。
私は最近、人生で1番悩んでどん底まで沈んで毎日泣いていた。でもそのおかげで私は自分のことをもっと良くしれたし、手のひらにあるものを大切にしようと思えたし、自分の心の支えを樹立できた。今はあの辛かった時期も「いい曲のイントロ」だと思えてる。だからこそ、この小説で「歩き出す瞬間」に深く共感したし、私は間違ってなかった、そう思考を深められた。今この若い時に読めてよかった。きっと大人になって読んだら、全く違うことを思うんだろうな。なんて感情儚いのだろう。そんなことを感じた作品だった。 -
初めての恋人・加地君をバスの事故で亡くした奈緒子。奈緒子の現在の恋人・巧君もまた、加地君を大切に思っていた友達だった。加地君の思い出を共有しながらも言葉に出せない二人。そんな時に、奈緒子の父親が家出をしたと言って奈緒子の住む家にやってくる。
玄関で眠るというのは吉本ばなな氏の『キッチン』、亡くした親友の恋人と付き合うのは村上春樹氏の『ノルウェイの森』を彷彿とさせ、どこか既存の物語のように読み始めたのだが、加地君と奈緒子が付き合うようになったきっかけで心をつかまれた。そして、そのきっかけであるプラネタリウムのエピソードが物語全体の背骨でありタイトルにもなっている。真昼の星……見えないけれど見えるというのは、死者への想いもそうかもしれないと読み終えて感じた。
優しい物語。何度も泣けた。もし私が書き手なら、ラストで明かされる加地君の絵葉書の件を最初に持ってきて、もっとドロドロと暗い感情を描きたくなると思うのだけど、そうしないのが良い。話自体は重く悲しいが、まるで夜空を見上げている時の穏やかで静かな気持ちが全編を通して流れていて、優しいせつなさにあふれている。
父親のこと、妹の彼氏のこと、巧君の姉貴と山崎先輩のことなど、サブのエピソードも優しくて、なんてことないありふれた事件の積み重ねの中で、奈緒子と巧君が喪失から再生していく過程が丁寧に描かれている。
どんどん読み進めるというよりは、ページをめくっては立ち止まって考え、味わう小説。身近で亡くした人のことを思い出しながら読んだ。
最後に奈緒子と巧君が星にかけた願い事は……きっと一言では表せないけど、前を向いて歩いていくことを加地君に誓ったのだろうな、とおもいました。
-
はじめましてな橋本紡さん。最近、恋愛小説を読むようになったので、本屋さんで平積みされていたこの本を手に取りました。でも、これは恋愛小説じゃないなあ。切ない、よくある、恋愛小説だと思いながら読んでたら、全然、良い意味で期待を裏切られて。このお話の中で度々出てくる、加地くんや巧や奈緒子が繰り返す言葉。考えてばかりで立ち止まっていないで、動かないと。動いてこそ、見えてくるものがある。立っている場所が変わると、同じ風景でも違うふうに見える。本当に、そのとおりだなあと。なんだかすごく、これらの言葉が自分の中に響いてきた。人生の再生。奈緒子が日々見つける小さな幸せ。奈緒子と巧くんのそれぞれの思いと重なる思い。お話自体は淡々と、そこまで大きな事件もなく進んでいくけど、そのなんていうか、温度がね、良いね。優しいしそっと寄り添う。人って、ほんと、生きていれば山のように辛いこと・悲しいことに遭遇するけど、でもそうやって、辛いなあ・悲しいなあって思いながら泣きながら生きていくことで、明日を生きられるっていうか。奈緒子の、少しずつ少しずつ前に進んでいる感じが、なんだかすごく良かった。巧くんもかっこいいよね、うん。そして主人公たちを取り巻くまわりの人たちもすごく良い。あったかい、お話に出会いました。そして最後になにより解説が重松さん!完璧すぎました。
-
わたしは毎日持ち歩きたいくらい大好きな本です。
-
再読。美しい装丁に切なさが詰まった1冊です。
大好きな恋人を亡くした奈緒子が主人公です。
喪失の痛みと、それでも生きる人の強さに引き込まれました。
夜から夜明けに向けての物語は、一人静かに読むのにお勧めです。
作中でも言われていますが、年をとるってよいですね。
いろんな経験を積んで、少しずつ賢くなれる。前はわからなかったことが、わかるようになる。
それでも、いくつになっても悩んだり迷ったりもする。
不器用だけど、そんな「人」ってよいねと思います。
加地くんのように、繊細なアンテナと考える頭を持っている人にとって、生きることは大変なことかもしれないけど、その分たくさんの素晴らしいものを感じ、見ることができるんだと思います。
状況は変わらなくても、何かやってみるといい。立ち止まって考え続けるよりも、動き出すことで見えてくるものがある。
私も、そう思います。
重松さんのあとがきがまた心に響きます。
「空を見上げるのは、祈りだ。
傷つき、苦しんできたひとたち――永遠を生きることがかなわないからこそ愛おしい生を生きるひとたちが捧げる、歩きだすための祈りだ。」
あとがきもセットで読むことで、心に余韻が残ります。 -
2.0
-
何度も何度も読んだが、あらすじの細部は覚えていない。
ただ、ただ素晴らしい作品だったことは覚えており、最も好きな小説かもしれない。
この本が好きな方は、妹尾まいこさんの「幸福な食卓」も気に入るだろうと思う。 -
-
時々挟まれる学生時代の3人の回想シーンが良かった
ドラマとか映画化がもしされたとしたら
巧君視点での文化祭のダンスシーンを最後にもってきてほしい -
恋人を亡くしたわたしは、その恋人だった人の親友と付き合っている。
大切な人を亡くした二人はそれでも生きていく。
家族や友達との関わり。
大きな出来事は起きないけれど、でも二人は確かに前を向いて歩いていく。
波瀾万丈ではないストーリーだが、心には染み透っていく内容だ。 -
切なくて、美しい恋愛のお話。
奈緒子・加地くん・巧くん、みんな優しくて、どこか不器用で愛らしい。
大切な人を失った悲しみを背負って前に進む奈緒子と巧くんを応援したくなります。忘れられないなら忘れなくても良いんですよね。忘れられないほど大切な思いは、そっと心に留めて少しずつ前に進もう。
読了後は星空をゆっくり眺めて、3人の幸せを願います。 -
大切な人を失って、いろんな感情が胸の中を占領するんだろうけど、それでも前を向く姿勢がすごいなあと思った。
-
加地くん、加地くん、加地くん・・・
なんて、せつないの。
プラネタリウムとフォークダンスのシーンは、
奈緒子が加地くんにグッと惹かれていく様子が
空気ごと伝わってきてなんだかくすぐったく、
甘酸っぱくて幸せなあの頃を思い起こさせた。
どうしても消えることのない存在。
忘れられたなら、どんなにラクだろうね。
無理に消さなくたって、いいのかもね。
時間が解決してくれることも、あるのだ。
大人になって、ものの見え方も変わってゆく。
受け止めれるものが広がってゆく。
自分も、まわりも。
誰かと誰かの関係性は、それぞれが1対1で
ちゃんとつながっていて、ひとつの崩壊で
その他が一緒に壊れてしまうわけではない。
「ちゃんとひとりで立てる人間同士が、それを分かった上でもたれ合うからこそ、意味が生まれるんだ」
悲しみは、優しさに変えよう。
ちゃんと立って、もたれ合える人になろう。
腹を割って、見せ合って、互いを受け入れて。
そして、もたれ合えたなら、その存在によって
もっと優しく強く、幸せになれるのだろうな。 -
友達が貸してくれた本。
切ないけど最高に愛おしい恋愛だ…
こんな青春送りたかった…
読んでるだけで映像が浮かび上がって見える
綺麗な文章。教室いっぱいの流れ星が見えた。 -
亡くなった恋人の親友と付き合う主人公。3人の不思議な三角関係と家族を絡めた物語。素敵な話だったけどライトノベルの域を超えず物足りなかった。
-
(2024/01/06 2.5 h)
-
読み終わりたくない…
でも読み終わってしまった。読んで良かった。
満天の星、流れ星、丸い月、夜道の散歩。
読了後も同じ世界観の本を欲し続けるのは何故だろう。
この2人のことが大事だという感覚はわからなくもない。そこには簡単には説明できない愛情がある。
前に燃え殻さんが言ってた。
2人にしか説明できないものを愛と呼ぶのではないか?と。
こちらのことなどお構いなしに時は巡る。
それが、ありがたいと感じることもある。
相手を責めるなら、もっと早くに責めなくちゃいけなかったんだよね。と、姉妹で話せる関係は本当に羨ましい。
涙を流している時、背中をずっと撫でてもらうことが1番安心する。
感謝されたことも、感謝したことも、そうして欲しかったと思ったこともある。 -
悲しみとか喪失感と共存しながら、それを徐々に共有しながら生きていく2人の心の動きに掴まれた。
人生ってそうだよなと少し冷静になることもできた。
ハッピーエンドとはいかないのが人生で現実だけど、それでも色んなものをみんな抱えて最期の時まで何とか生きていく。
生きてるだけで幸せ!なんて言い切る事はすごく難しいけど、何でもない日々の中に散りばめられた幸せとか穏やかな気持ちを大切に日々を過ごしていきたいな、と思った。
奈緒子が玄関で眠ることが個人的にはすごく共感というか、心を想像できた。
この本が好きな人におすすめの本
橋本紡の作品
本棚登録 :
感想 :
